10周年はみんなで一緒に『だかいち』の歴史を刻んでいく道の途中。西條高人役・高橋広樹さん&東谷准太役・小野友樹さんが語る作品への想い|『だかいち』10周年記念バスツアートークイベント終了後インタビュー
桜日梯子先生・著『抱かれたい男1位に脅されています。』のバスツアー第2弾「だかいち10周年記念バスツアー 西條高人&東谷准太とゆく修学旅行 1泊2日」が、2024年8月25日(日)〜8月26日(月)に開催されました。
今回は西條高人&東谷准太と共に旅する「修学旅行のやり直し」と題し、寄木細工体験やメロン狩りなど、修学旅行ならではのさまざまな企画を神奈川県小田原を中心に実施。
8月25日(日)には、宿泊ホテルである天成園小田原駅別館の会場にて、西條高人役・高橋広樹さん&東谷准太役・小野友樹さんによるトークイベントが行われました。
本稿では、トークイベント終了直後の高橋さん&小野さんへのインタビューをお届け! イベント内の客席参加型バラエティコーナーや朗読パートを振り返りのほか、作中で印象に残っているエピソードや東谷准太&西條高人の役者としての魅力など盛りだくさんな内容となっています。
トークイベント終了直後の高橋さん&小野さんにインタビュー!
――本日のトークイベント、お疲れ様でした。おふたりのトークや朗読劇に加えて、ファン参加型のバラエティコーナーもありましたが、『だかいち』ファンのみなさんと交流をしてみていかがでしたか?
東谷准太役・小野友樹さん(以下、小野):イベントの最後の方でもお話したのですが、バスツアーが羨ましいな、何かで参加できないかな?と思っていた中で、今回こういう機会をいただいて。少しの時間でしたが、バスツアーのレクリエーションの一端として参加させてもらえたのがすごく嬉しかったです。
西條高人役・高橋広樹さん(以下、高橋):クイズコーナーとかも、ね?
小野:ええ。クイズコーナーでは、チームに分かれてみなさんが問題に向き合い、答えを出している様子を見て、本当にみんなが一緒になってワクワクとクリエーションを楽しんでくださっていたなと。コーナー作りを含めて、スタッフさんがこういう形でイベントを企画してくださって良かったと改めて感じました。
高橋:ファンの方の温かさをいっぱい感じました! 今日という日を楽しみにしてくださっていた気持ちが、僕たちを見ていただいている目線でも感じ取れましたし、短い時間ですが、「この時間を楽しもう!」という気持ちがみなさんの反応ですごく伝わってきたので、楽しくも嬉しい時間を過ごすことができました。
――イベント内ではクイズコーナーのほかにも書き下ろしシナリオ「二人の部屋」の朗読パートもありました。
小野:『だかいち』として、みなさんの前で朗読をしたのは( 2019年2月10日開催の)スペシャルイベント「オペラ座の怪人に脅されています。」以来でしたが、あの時より距離感が近いというか、今までのイベントとはまた違った空気感で。ディナーショーの合間みたいな感じでやらせていただけたなと。
いわゆる『だかいち』の肩の抜きどころであるギャグシーンや面白い瞬間に、「あ、やっぱりみんなもこういうシーンで笑ってくれるんだな」と生で感じられました。あと僕が絶妙だと思ったのが、笑いどころではあるんだけれども、(高人と准太が)横たわっているシーンでは、笑いよりそちらの空気感を大事にする方が優先されるんだなと……(笑)。
そういう空気を感じつつ、順次切り替えながら芝居させていただいたので、そこも含めて不思議な一体感がありました。僕がお芝居の出し入れをしているという一方的な形ではあるんですけど、みなさんとその空気を共有できた気がしたので、不思議な感覚もありながら楽しかったです。
高橋:その通りですね。やっぱり、高人としてはチュン太にそういう話を振られると、照れちゃうんです。それが今日集まった参加者の方からも照れさせられるという錯覚が起きて、僕もめちゃくちゃ恥ずかしかったです。
小野:(笑)
高橋:なかなかね、そういう恥ずかしい……。いや、恥は多いんですよ! 恥の多い人生なんですけれども!
小野:あははは(爆笑)。
高橋:恥を笑いに変えられるようになった芸歴の今、人前であんなに恥ずかしくなってしまったというか。もちろん役の上ですけれども、胸がキュンキュンして照れて口籠もってしまう気持ちを、この歳にもなって味わうことができたのは大きな収穫でした。
――(朗読の)「連続枕投げ」のくだりで、高橋さんの力ある枕投げのお芝居と、それを優しく受け止める小野さんのお芝居に客席の方々から思わず笑みが溢れていたのが印象的でした。
高橋:あそこは本当にやりすぎました。反省してます(笑)。
小野:(ツボに入り思わず拍手)
――本当に楽しい空間でした!(笑)
「三木さんの言葉でこの作品に対する自分の存在を認識できました(高橋)」
――アニメ『だかいち』の放送から約6年が経ちました。イベントでもお話いただきましたが、改めて当時を振り返ってみていかがでしょうか。
小野:最初にアニメ化の話を聞いた時に、「マジっすか!?」っていう驚きがまだ記憶として鮮明に残っています。その上に劇場版も決まって、「マジっすか!? え、大丈夫ですか?」って(笑)。
高橋:でも逆に劇場版の方がやりやすいか!って。
小野:「いっそね!」と思ったくらい、劇場版もインパクトがありましたね。劇場版のシーンで言えば、冒頭に出てくるバカップルのふたり。彼氏役で下野紘さん演じるトモくんというキャラクターがいまして。
高橋:スペインにも居たあのふたりね。
小野:そう! 旅行先にも現れることでお馴染みのカップル。アニメならではの彼らが、今どうしているのかと何か遠い目で思ってしまいますね。アニメ化しないと彼らのその後が追えないので、ぜひまたアニメが見たいな!なんて思う今日この頃……みなさんいかがお過ごしでしょうか?
――(笑)。
高橋:ドラマCDは既に9作、そして今回の『抱かれたい男1位に脅されています。9』で10作目になるんですけれども、いろんなことがありました。しょーたそ(蒼井翔太さん)演じるイワノフ騎士が出ている第8巻の特典トークCDの収録の時に、(小野さん含む)翔太と三木(眞一郎)さんの4人でトークをしたんです。
これは収録されたのか分かりませんが、僕が話していると三木さんが「広樹、お前楽しそうだな!」と一言おっしゃったんですよね。
小野:あははは(笑)。
高橋:今までフリートークのお仕事で三木さんとご一緒する機会はあまり多くなくて。昔、僕が新人だった頃にご一緒した三木さんとのフリートークのお仕事はかなり緊張していたので、僕自身もそんなに面白くなかったんです……(笑)。
でも、特典トークCDの収録の時に三木さんに「広樹、お前楽しそうだな!」って言われて、「そうだ! 俺、この現場が楽しいんだ!」って思ったんです。
それまでもふざけていましたが、そこからより一層、この現場が楽しくなりましたし、おのゆー(小野さん)とのトークで余計なことを考えずに、自分がもっと馬鹿になれるようにもなったし。(小野さんは)後輩だけど全部任せられるという関係性が築けて、自分の中でしっくり来るというか、より気持ちの良い空間にすることができました。
三木さんの言葉でこの作品に対する自分の存在を認識できましたし、その一言がかなり思い出に残っていて。それ以降、より『だかいち』のことが大好きになったし、より長く続いてほしいと心から願うようになりました。
小野:めっちゃ素敵なお話。
――本当に桜日梯子先生にすぐにお伝えしたいほど素敵なお話です……! また、イベントでも言及のあった「BLきゃらびぃ」で桜日先生にインタビューをした際、作中のお気に入りエピソードBEST3を伺いました。おふたりの印象的なエピソードもお聞かせいただけますか?
小野:チュン太の成り立ちというか、合間で入ってくる虚ろな雰囲気とか、過去に何があったんだろう?という空気感の答え合わせと、キャラクターとしての深掘りという意味で、僕は0章がすごく好きです。「好き」っていうのもちょっと難しい言葉なんですけど、だから高人が大切なんだという感情の理由を本当の意味で知れたんですよね。
それまでも描写だったり、スタッフさんや先生に伺った範囲で僕なりのチュン太像をイメージしていたんですけど、根本的な部分を知ることでより深まった感覚がありました。
特に印象的だったのは、6巻の“ガラス玉みたいな”という表現です。世界が本当に無色透明に見えていて、それに色を付けてくれたのが高人さんだったという。その元になる0章を通して僕自身もチュン太を知ることができたので、そういう意味ではやっぱり0章の印象が強いですし、0章なくしては『だかいち』を語れないですね。
高橋:たしかにそうですね。高人目線で言うと、やっぱり鈴子さんの存在を感じられるエピソードは欠かせません。高人がここまでプロフェッショナルな俳優で、プライドが高くて2位に甘んじられない性格を築いた幼少期があったわけで。そういうところを描いているシーンは役作りをする際の鍵にもなっていますし、「これは忘れちゃダメ!」というように高人を演じる際にかけるエンジンの始まりの役割になっています。
ただ、どうしてもギャグシーンが楽しくて、コメディ要素に振ってしまう癖が僕にはあるので……(笑)。「そこはだめよ、違うよ」と自分を律するために、鈴子さんの顔を思い浮かべて、高人をしっかりと演じています。