映画
山寺宏一&伊瀬茉莉也が語る『ビートルジュース』のブレない魅力と吹替の楽しさ

史上初の試み“全身吹替”とは? “作品全体を壊しかねない”プレッシャーの中で感じた吹替の楽しさ|『ビートルジュース ビートルジュース』日本語吹替版 ビートルジュース役・山寺宏一さん×アストリッド役・伊瀬茉莉也さんインタビュー

ティム・バートン監督も絶賛した“全身吹替”とは

――今回、“全身吹替”というものに初挑戦されていますが、実際はどのような感じで行われたのでしょうか?

山寺:僕の場合、まずは特殊メイクのために型取りをして、その後に声の収録、そしてメイクや衣装を着けて撮影が行われました。だから「役作りでこういう風に仮装したら役に立ったんじゃないか」と言われることもありますが、実際には役作りにそれほど関与してはいなかったですね(笑)。

伊瀬:特殊メイクにはどれくらい時間がかかったんですか?

山寺:型取りに4時間、メイクに 5 時間、撮影に 3 時間くらいですかね。

 

――かなりの時間ですね。特殊メイクの間はどう過ごしていたのですか?

山寺:ずっと特殊メイクチームと仲良くおしゃべりしていました(笑)。

メイク中もカメラが回っていたので、型取りのときは音楽もかけられなかったんですよ。僕もスマホのタイムラプスで撮影していたんですけど、5時間かかったものが16秒くらいにまとめられた映像になりまして、それを見て「これ5時間かかってるんだよねぇ」ってスタッフのみんなで驚いていましたが、それでも楽しかったですね。

特殊メイクは、細部までオリジナルにできるだけ近づけようと、爪を張って汚しを入れたり歯にも汚しを入れたり、コンタクトレンズを入れたりと、とにかく細かい部分にまでこだわりました。

あと、ビートルジュースの表情の練習をしていました。マイケル・キートンさんはすごく歯にこだわっていて、自分の歯をわざと前に出して、特徴的な感じにしているんです。「いや、こういう風にやるのは無理だな」と思いつつも、やるなら徹底的にやりたいという思いで頑張りました。

それなのに撮影の資料には、「ダメな部分は写真のレタッチで」って書かれていて、特殊メイクのスタッフが、「それで行くなら、全部そっちで済ませればいいじゃないか!(笑)」って言ってましたね。

ティム・バートン監督やマイケル・キートンさんも、「あまりCGを使い過ぎないでやりたい」と言っているのを記事で拝見して、それを読んだときに「ああ、同じだな」と思いました。今のスマホにはフィルタもあるし、ある程度のことはデジタルでできるじゃないですか。でも、完成した時のポスターを見たときには、「こんなに時間をかけて人の手でアナログにやるっていうのは、間違いじゃないんだ」と実感しましたね。

――(笑)伊瀬さんはアストリッドの「全身吹替」はいかがでしたか?

伊瀬:私も、宣伝担当の方から「完璧な全身吹替でお願いしたいんです」と言われたんです。それを聞いた時は「どういうことだろう?」と最初は思いました。

また、山寺さんがビートルジュース役を演じて、なおかつ全身吹替もするというのも伺っていて「山寺さんがやるなら私も絶対やります!」とすぐに思いました。

全身吹替というのが、史上初の試みですから、役者陣はみんな「どういうことだろう?」と思ったんじゃないかなと思いますね。
でも、この豪華キャストを集めて、史上初の全身吹替に挑戦しようとする、その姿勢自体が宣伝担当の方の熱い思いや、作品に対する愛情を強く感じました。だからこそ、「ぜひ、その挑戦に参加させてください!」という気持ちでした。まるでお祭りで一緒に神輿を担がせてもらうような感覚で、ノリノリでやらせていただいて、とても楽しかったです。

私の全身吹替は、見てもらえばわかると思いますが、私は山寺さんほどの特殊メイクは必要ありませんでした。それでも、衣装さんやヘアメイクさんが少しでも似せようとしてくださっていました。

この衣装を着てこのメイクをすることで、「私もジェナ・オルテガちゃんが演じるアストリッドの一部として映画に出るんだ」という実感が湧きましたね。実際に全身吹替を体験してて、「全身吹替とは、こういうことなんだ」と理解した感じです。

――では、せっかくなので、他の方の仕上がり具合についても感想を伺ってもいいですか?

伊瀬:山寺さんのビートルジュースは汚しや細かい部分までこだわられていて、全体的に素晴らしい仕上がりでした。ビートルジュース本人がそこにいるような感じで、圧倒的なクオリティでしたね。

私もアストリッド役として、メイクでそばかすを表現したのですが、山寺さんの仕上がりがすごすぎて圧倒されちゃいました。

他にも、沢城みゆきさん(ドロレス役)が撮影したものを拝見させていただきました。みゆきさんは本当にかっこよくて、素敵でした。「自分もこんな風に撮ってもらえるんだ」とワクワクしましたね。

山寺:女性陣はみんな素晴らしかったですね。全員が美しくて、素晴らしい仕上がりでした。

あと、森川(智之)君(ローリー役)のオールバックが新鮮でかっこよかった。最初に見たとき、「誰?」とは思いましたけど(笑)。

山路(和弘)さん(ウルフ役)も元々かっこいいので、完璧でしたね。脳がちょっと特殊な状態になっていましたが(笑)。でも、絶対に楽しんで撮影していたんじゃないかと思います。

小林君(ジェレミー役)もイケメンでかっこよかったですね。ただ、ポスターではかなり小さく映っているだけですけど、アップで見ても素晴らしい出来でした。

――ティム・バートン監督も全身吹替の出来を絶賛していましたね。

伊瀬:「ティム・バートン監督が全身吹替版のポスターを見た時、どう思うだろう?」とは気になっていたんです。

そしたら、ワーナーの米国本社の方がポスターを直接監督に見せていただいたみたいで、監督から「これすごいね! 10枚くらい欲しい」と言ってくれたらしいんです。そんな風に喜んでくれるなんて、すごく嬉しかったです。

「日本のチームがクレイジーなことをやってくれた、エキサイティングだ」とも言ってもらえたみたいで、本当にやって良かったなと思いました。

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