あのポスターはどうやって生まれた? 映画『ボルテスⅤ レガシー』のポスターで奇跡のボルトイン! | デザイナー・大島依提亜さん×イラストレーター・森下直親さんメールインタビュー
1977年~1978年にかけて放送されたTVアニメ『超電磁マシーン ボルテスV』。本作へのフィリピンからの“大きすぎる愛”が込められた実写版が、映画『ボルテスV レガシー』として2024年10月18日(金)より日本に凱旋し劇場公開されます。
先日、公開された日本版のポスターは、デザインを『ミッドサマー』など数々の名作・話題作のポスターを手掛けた大島依提亜さん、イラストをガンプラをはじめとしたプラモデルのパッケージイラストで人気の森下直親さんが担当したことで話題になりました。本稿では、そんな奇跡のボルトインとなったお二人にメールインタビューを実施!
デザインへのこだわりはもちろん、依頼がきた時の感想やお互いの仕事へのリスペクトなど様々なことを伺いました。映画『ボルテスⅤ レガシー』、そして『超電磁マシーン ボルテスV』への“大きすぎる愛”が詰まったこのインタビューを読めば、映画本編がより楽しめること間違いなし!
デザイナー・大島依提亜さん
――今回の依頼がきた時の感想を教えてください。
大島依提亜(以下、大島):この映画自体がまさかの(しかもフィリピンで)実写化!という感じですが、ご依頼頂いた時に僕自身もまさかの!でした。というのも、アクションやSF大作映画とは無縁で今まで来たので、えっ?!僕ですか?と思わず言ってしまいました。その反面、映画の宣伝デザインに関わる者としては、やったことのないジャンルにチャレンジしたいと常々思っていたのでとても嬉しいお話でもありました。
――デザインやイラストの工程で、お互いに意見を交わしたり、アイディアを出しあうなどのやり取りはあったのでしょうか?
大島:一度お打ち合わせをさせていただき、こちらの意図となんとなくの構図プランをお伝えしましたが、あとはやはりロボット絵画の大家であられる森下さんなので、全幅の信頼の元、おまかせいたしました。
――お互いの仕事を見た時の感想を教えてください。
大島:とにかく最高!
――大島さんが本作のようなロボットもののポスターをデザインするのは意外で驚きました。デザインはどのようなアプローチで進めたのでしょうか?
大島:僕も驚きでした(笑)が、東映さんの今回の製作意図──いわゆる今日的なロボットアクション大作的なアプローチではなく70〜80年代のブロックバスター映画のような佇まいにしたい──というのをお聞きして、それならば、僕でもチャレンジできるかも…と。
――今回のポスターに描かれた作品ロゴをデザインするにあたって、当時の合体ロボをだいぶ研究したとXでポストされていました。具体的にはどのような作品を研究したり、また、どういった発見がありましたか?
日本のロボットアニメまさかの実写化『ボルテスVレガシー』デザインしてます(個人的にもまさかの依頼でした)
— 大島依提亜 ldea Oshima (@oshimaidea) August 9, 2024
最高なボルテス画は森下直親さん。ロゴも(当時の合体ロボのロゴをだいぶ研究し)新たに作りました。
アニメ版を見た事あるなし関係なくかつて夢中になったはずの感覚が蘇るアツい作品です pic.twitter.com/xc5SLDdLOy
大島:オリジナルのアニメ版の「超電磁マシーン ボルテス V」のロゴ(当時のものでもいくつか存在します)は元より、「超電磁ロボ コン・バトラーV」や周辺の合体ロボットアニメや「スーパー戦隊シリーズ」などもリサーチしました。今は亡きケイブンシャが出していた「ヒーローロボット大百科」など東映さんからお借りした当時の資料なども大変役に立ちました。
――このポスターを見て、映画公開を楽しみにしている人が増えたと思います。そんな本作の公開を待ち望んでいる読者に向けてメッセージをお願いします。
大島:童心に帰れる。と安易に口にしたくはないですが、本当にその通りなんです!様々な複雑怪奇な物語や現実にすっかり毒されている我々現代の大人たちにとって、登場人物たちが発する言葉や行動が純粋に胸に響き、心が洗われる傑作だと思います。まさか合体シーンで号泣するとは!その感動を皆様にも共有していただきたいと切に思います。