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『シティーハンター』の「ミニクーパー」を買う編【アニメイトに売っていない「モノ」を買いに行こう!】

【アニメイトに売っていない「モノ」を買いに行こう!】『シティーハンター』の「ミニクーパー」を買う編|歴史から実際の購入まで徹底解説! リアリティを与える日本のアニメ特有の演出手法「実証主義」に会いに行こう

 

令和に復活した『シティーハンター』の劇場版第2弾『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』


▲2019年に公開された『新宿プライベート・アイズ』に続き、2023年に公開された『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』。原作マンガに登場する「エンジェルダスト」や犯罪組織「ユニオン・テオーペ」、アニメでは初登場となる「海原 神」などが登場し、最終章のはじまりにふさわしい映画となっています。

▲2019年に公開された『新宿プライベート・アイズ』に続き、2023年に公開された『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』。原作マンガに登場する「エンジェルダスト」や犯罪組織「ユニオン・テオーペ」、アニメでは初登場となる「海原 神」などが登場し、最終章のはじまりにふさわしい映画となっています。



 
【あらすじ】
冴羽獠は裏社会ナンバーワンの実力を持つ始末屋(スイーパー)“シティーハンター”。新宿を拠点にパートナーの槇村香と様々な依頼を受けている。新たな依頼人は動画制作者・アンジー。その依頼は…何と逃げた猫探し!獠はアンジーの美貌に、香は高額の報酬に胸を躍らせる。警視庁の野上冴子は海坊主と美樹の協力を得てバイオ企業ゾルティック社の発明について捜査する。それは謎の組織の依頼で作られた戦場の兵士を超人化する闇のテクノロジーで、かつて獠を蝕み、パートナー槇村秀幸を死に追いやった「エンジェルダスト」の最新型だった。

2019年に約20年ぶりに復活した前作『新宿プライベート・アイズ』に続く、令和『シティーハンター』の第2弾で、原作マンガに登場する「エンジェルダスト」や犯罪組織「ユニオン・テオーペ」などのTV版でカットされた設定をアレンジし、本作における事件の黒幕であり、獠と過去の因縁を持つ「海原 神」(かいばら・しん)を登場させることで、最終章のはじまりにふさわしい映画となっています。

 

主人公・冴羽獠のトレードマークと言えばコルト・パイソン357マグナムとミニクーパー!


▲1965年に開催されたモンテカルロラリーで優勝した1964年型モーリス・ミニクーパー。

▲1965年に開催されたモンテカルロラリーで優勝した1964年型モーリス・ミニクーパー。



 
正確無比な銃の腕と鋭い洞察力を持つ裏社会ナンバーワンの始末屋でありながら普段は飄々としており、無類の美女好きで「新宿の種馬」や「モッコリ獠ちゃん」の異名を持つ冴羽獠。そんな彼のトレードマークと言えば、コルト・パイソン357マグナムとミニクーパーです。ミニクーパーを名乗るクルマは現在でも新車販売されていますが、現行モデルはドイツのBMWが生産するコンパクトカーとなります。

いっぽうで冴羽獠の愛車は1959~2000年にかけて生産された「クラシック·ミニ」と呼ばれるイギリス製の旧車です。両車はカタチこと似ていますが、現行型はサイズが大幅に拡大されておりメカニズムも別物。デザインとブランド以外に共通点はありません。

41年間に渡って生産されたクラシック・ミニは、フォルクスワーゲン·ビートルなどと並ぶ傑作小型大衆車で、登場から生産終了まで世界の多くのユーザーに愛され続けた名車です。今から30年以上前のバブル景気の頃には、円高も相まってかなりの台数のミニが日本に輸入され、人気を博していました。

 



▲クラシック・ミニの設計者アレック・イシゴニス。

▲クラシック・ミニの設計者アレック・イシゴニス。



 
そんなミニを発明したのが、イギリスの天才エンジニアであったアレック・イシゴニスです。彼の設計が画期的だったのは、それまで主流だったFR(フロントエンジン・後輪駆動)レイアウトのクルマに対し、エンジンを車両の左右方向に搭載し、その下にギアボックスを配置した2階建て構造にして前輪を駆動させたことです。これによって4気筒エンジンを搭載しながらも、ボンネットの長さを短くすることができ、全長3m弱の小さなクルマでありながら広いキャビンを得ることに成功しました。

また、独立したフレームの代わりに採用したモノコック構造のボディにより軽く車高を低くすることができました。金属バネの代わりに「ラバーコーン」と呼ばれる円錐状のゴムばねを使ったサスペンションはシンプルかつスペース効率に優れており、これにより軽量化や優れた操縦安定性、小さな車体ながら大人4人が乗車できる車内空間を実現しています。

 



▲クラシック・ミニのカットモデル。全長3051mmという小さなボディサイズながらエンジンとギアボックスを重ねた2階建構造のメカニズムや、「ラバーコーン」を使用したコンパクトなサスペンションによって、広い車内空間を確保していることがわかります。

▲クラシック・ミニのカットモデル。全長3051mmという小さなボディサイズながらエンジンとギアボックスを重ねた2階建構造のメカニズムや、「ラバーコーン」を使用したコンパクトなサスペンションによって、広い車内空間を確保していることがわかります。



 
現代のFF(フロントエンジン・前輪駆動)車の設計にも大きな影響を与えたクラシック・ミニは、安価な小型大衆車でありながら当時としてはその性能車の高さから大変な人気となり、ピンはエリザベス女王からキリはそのメイドまでが挙って買い求め、クラスを超えた人気車となり、瞬く間にイギリスを中心としたヨーロッパ全土に普及して行きました。

 

ミニとミニクーパーは別モノ? 冴羽獠の愛車のミニクーパーとは!?


▲フィンランドの1000湖ラリーに出走するミニクーパーS。

▲フィンランドの1000湖ラリーに出走するミニクーパーS。



 
そんなミニの性能に注目したのが、F1マシンなどのレーシングカー製作者だったジョン・クーパーです。彼は友人であったイシゴニスからミニの試作車を見せられると、そのハンドリングの良さとレースにも使える潜在的な性能の高さに驚き、排気量を847ccから997ccへと拡大するなどの改造を施した高性能バージョンの開発を申し出ます。そして、ベースモデルの発表から3年後の1962年、ミニクーパーと名付けられたスペシャルモデルが発表されました。

ミニクーパーは1964年、ミニクーパーS(排気量を1071ccへとさらに拡大した改良型)は1965年と1967年にモンテカルロラリーを制するなどモータースポーツでも活躍を見せました。レースシーンでは排気量で5倍以上の開きのある大型車と互角以上に戦うなど、その戦いぶりはもはや伝説となっています。

なお、モータースポーツのインパクトの大きさからクラシック·ミニの総称として「ミニクーパー」と呼ぶ人がときどきいますが、実際にはスペシャルモデルに与えられたグレード名であり、厳密に言えばミニに全体を指して「ミニクーパー」と呼ぶのは誤りです。

 

生産期間は41年。クラシック·ミニの販売ブランドの変遷


▲2000年に生産されたクラシック・ミニの最終生産型。13インチホイールを装着しているのが特徴です。

▲2000年に生産されたクラシック・ミニの最終生産型。13インチホイールを装着しているのが特徴です。



 
製造期間が長期に及んだクラシック·ミニは、その間に何度かのマイナーチェンジが施され、基本となるスタイルはそのままに、メカニズムや内外装のディティールは細かな変更が都度加えられてきました。それでは冴羽獠の愛車はミニクーパーとされていますが、果たしてどのモデルになるのでしょうか? まずは簡単にクラシック·ミニの製造メーカーとブランドの変遷をお話しします。

当初、クラシック·ミニを製造していたのはBMC(ブリティッシュ·モーター·コーポレーション)でした。これはイギリスにあった小さな会社が合併して生まれた自動車メーカーで、傘下に収まった会社は販売ブランドとして運営されました。その中でクラシック·ミニを販売していたのは「オースチン」と「モーリス」というふたつのブランドで、両車はバッジ以外に変わりがありません。その後、BMCはさらに合併を繰り返し、社名もBMH、BLMCと改名されますが、ミニの販売ブランドに変更はありませんでした。そして、1986年に増えすぎたブランドを整理したタイミングで社名を「ローバーグループ」へと変更。2000年に生産を終了するまで、クラシック·ミニは「ローバー」ブランドで販売されることになります。

 

 

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