『ダンダダン』OP主題歌、Creepy Nutsの「オトノケ」が考察の対象に!? オカルト、ジャンプに硬い韻と全部のせの楽曲に!【めざせ!トレンドマスター】
日夜多くのコンテンツが生み出される昨今。異なる界隈で同時多発的に様々なコンテンツ、ミームがバズり、トレンドは常に変わり続けています。
「そんな世の中で、今流行っているモノに敏感でありたい」——
本企画は、現在インターネット等を中心にブームになっている、アニメ・漫画・ゲームなどのワード、コンテンツを調査し、理解することによってみんなで流行に乗っかろうという試みです!
今回は、2024年秋アニメとして注目を集めている『ダンダダン』について!
本作は、「ジャンプ+」にて連載中の龍幸伸先生による原作漫画をアニメ化した作品です。アニメーション制作はサイエンスSARU、監督は山代風我氏が務めています。そんな『ダンダダン』の主題歌、人気アーティストCreepy Nutsが手掛ける「オトノケ」が今大きな話題を呼んでいます。
「Bling-Bang-Bang-Born」でも注目されたCreepy Nutsによる本楽曲が考察の対象になっているのです。というのも、本楽曲の歌詞にはびっちりと『ダンダダン』の物語やオカルト、他のジャンプ作品などの要素が組み込まれており、軽快なリズムとこれまたオマージュ・パロディたっぷりなOP映像と共に見応え抜群。
本稿では、本作の歌詞についての考察や、オマージュ・パロディについて紹介します。
目次
『ダンダダン』主題歌、Creepy Nutsの「オトノケ」がヤバい!?
『ダンダダン』は、オカルト大好きな主人公・高倉健ことオカルンが、霊媒師家系のヒロイン・綾瀬桃との出会いをきっかけに、様々な怪異や宇宙人などのオカルト事件に巻き込まれていく物語。ホラー・オカルト、恋愛、バトル、コメディといった様々な要素が奇跡のバランスで成立し、一度触れると病みつきになる個性的な作品です。
主題歌を担当したCreepy Nutsとの相性は抜群! ラッパーのR指定さん、トラックメーカーであるDJ松永さん両名共に、音楽のみならず映画、アニメ、漫画、文学などの幅広い分野に精通しており、それを活用したオリジナリティあふれる楽曲を多数リリースしています。
また『ダンダダン』はオカルンが、怪異に奪われてしまった「自身の睾丸」を取り戻すために奔走していますが、「Creepy Nuts」というユニット名にも、スラング的にそういった意味があるとかないとか……。
名実ともに相性ぴったりな作品とアーティストのコラボレーションで生まれたのが「オトノケ」なのです。
『ダンダダン』のオカルト要素と「オトノケ」の見事な調和
「オトノケ」は、『ダンダダン』の特徴である都市伝説や怪奇現象、オカルトといったテーマを巧みに取り入れた楽曲としても評価されています。歌詞には、作品の世界観を反映した不気味さや謎めいた表現が散りばめられ、リスナーを引き込み、考察を試みるファンも多くいるようです。
歌詞を細かく見てみると、ネットを中心に話題となった怪異に結びついたものになっていることがわかります。有名どころで言うと「貞ちゃん(貞子)映画『リング』」、「伽椰ちゃん(伽椰子)『呪怨』」、「四尺四寸四分様が(八尺様)」、「4時44分(『学校の階段』)」などなど。
2ちゃんねる(現5ちゃんねる)のオカルトスレッド「死ぬほど洒落にならない怖い話を集めてみない?」、通称・洒落怖で集められていた怪談・怪異を表した歌詞も(『ダンダダン』本編にも洒落怖の怪異が登場)。また2番の歌詞である「こーゆーことかよシャマラン」は、ホラー映画の巨匠であるM・ナイト・シャマラン監督の名前になっています。
印象的なフレーズである「ハイレタハイレタ」は、山の怪異である「ヤマノケ」のエピソードに由来しています。曲名の「オトノケ」は、Creepy Nuts自身が音の怪異・オトノケであると宣言しているのかもしれません……!
音の怪異過ぎるライミング
本楽曲で話題になっていることのひとつに、R指定さんによるライミング(韻を踏むこと)があげられます。ラップと聞いてまず思い浮かぶのが韻を踏むという行為。同じ母音の響きを持つ言葉を並べる(「バーベキュー、食べる」のような)ことを表しますが、本楽曲ではその数が注目されています。
「ダンダダン」(母音の響き:a n a a n)という作品名を軸として、所構わず韻を踏みまくっているのが「オトノケ」という楽曲です。冒頭の「諦めの悪い輩 アンタら なんかじゃ 束なっても敵わん」ここだけで4回「a n a a n」で踏んでいます。
フレーズに「ん(n)」が入っているとより自由度が上がりますし、もはや全編踏みっぱなしなのでは?と思わせるR指定さんの歌い方やノリ、グルーブも相まって心地の良い耳障りになっていますよね!
「オトノケ」には他のジャンプ作品も登場!?
アニメ・漫画ファンの間で考察されているのは2番の歌詞。他のジャンプ作品からの影響が感じられるのではないかと言われています。『ダンダダン』は、都市伝説やオカルトといった要素を盛り込んだユニークなストーリーですが、同じように超常現象を扱ったジャンプ作品などに敬意を払った表現が取り入れられているのかも!
「鬼とチャンバラ」「チェーンソーの虐殺」「祓いたいのなら」など、近年話題となった『鬼滅の刃』『チェンソーマン』『呪術廻戦』を想起させるようなフレーズや、『ONE PIECE』『NARUTO』『ジョジョの奇妙な冒険』などの要素が含まれているのでは? と深読みするファンの方も。
細かく見ていくと新たな発見がありそうなので気になる方は更に考察してみてください。ちなみに、映像では『ウルトラマン』のオマージュがたっぷり。監督を務める山代氏によると本編中にも、円谷作品から着想を得た演出を多く使用しているとのことなので、まだまだ味わい深くなりそうな予感。
楽曲も原作もアニメーションも、とんでもないパワーを持った作品なのでぜひ最後まで視聴しましょう!
『ダンダダン』作品概要
あらすじ
モモがクラスのいじめっ子からオカルンを助けたことをきっかけに話すようになった2人だったが、「幽霊は信じているが宇宙人否定派」のモモと、「宇宙人は信じているが幽霊否定派」のオカルンで口論に。
互いに否定する宇宙人と幽霊を信じさせるため、モモはUFOスポットの病院廃墟へ、オカルンは心霊スポットのトンネルへ。
そこで2人は、理解を超越した圧倒的怪奇に出会う。
窮地の中で秘めた力を覚醒させるモモと、呪いの力を手にしたオカルンが、迫りくる怪奇に挑む!運命の恋も始まる!?
オカルティックバトル&青春物語、開幕!
キャスト
(C)龍幸伸/集英社・ダンダダン製作委員会