これからも多くの方の予想を裏切りながら「我が道を行く」スタイルを貫きたい――直田姫奈さん 3rdデジタルシングル『ばっかだな』インタビュー&朗読音声動画『サニペダ ~Another Tale of Lavender Blue~』収録レポート
待ちに待った最終章の一曲を、みなさんにも早く聞いてほしいです!
――3rd デジタルシングル『ばっかだな』のリリース、おめでとうございます! まずは、今のお気持ちからお聞かせください。
直田姫奈さん(以下、直田):半年間かけて膨らませた『ラベンダー・ブルー』3部作が完結する瞬間ですから、とても感慨深いです。『ばっかだな』は、『ラベンダー・ブルー』『My Truth』で張った伏線を回収してくれる曲になっているので、3曲合わせて楽しんでいただきたいと思っています。私自身も待ちに待った最終章の一曲を、みなさんにも早く聞いてほしいです!
――完成した『ばっかだな』の歌詞を初めてご覧になった時のお気持ちはいかがでしたか?
直田:率直に、ヤバい曲が来たな、と(笑)。実は、『My Truth』をレコーディングする時には『ばっかだな』のラフが出来上がっていました。その時点で私は歌詞もメロディも知らない段階だったのですが、制作スタッフさんから「(『ばっかだな』は)すごい曲だよ!」「『My Trurh』の収録が終わってからじゃないと、曲の解釈が変わってしまうかもしれないくらいヤバい!」と、言われて。私の曲なのにお預けをくらっていたんです(笑)。
でもそんな高い期待値を、軽く飛び越えちゃうくらいの衝撃を持っている曲でした。『ラベンダー・ブルー』『My Truth』に出てくるフレーズが散りばめられている湿度の高い歌詞に晴れやかな曲調が重なって、とんでもない曲になっています。作曲の浅井(真)さんに別の曲のレコーディングでお会いした時、「ヤバいですね!」って言ってしまいました(笑)。私自身も、この曲のファンです。
「ばっかだな」いい曲すぎる…🤍
— 直田姫奈*すぐたひな (@hina_suguta) October 5, 2024
10月23日のリリース日を待っててください…本当に
――『My Truth』のインタビューの際にも、「『ばっかだな』は、私が一番「ヤバい!」と思う曲」とおっしゃっていましたね。改めてにはなりますが、『ばっかだな』が持つ“ヤバい”要素について、お聞きしたいと思います。
直田:まずは『ばっかだな』というタイトルです。この曲を受け取った当初、「私って馬鹿だったな」という意味の『ばっかだな』だと思って聞いていたら、それだけではなくて! 「思い出は君のことばかり」「この恋を振り返っているのは、私ばかり」という限定の「ばっか」の意味も被っていると気づいて。「『ラベンダー・ブルー』『My Truth』でもダブルミーニングを使いこなしてきた金子(麻友美)さんが、仕込まないわけないじゃないか!」って思いました(笑)。タイトルから一本取られましたね。
個人的に特に刺さった歌詞は〈好きだから好きだと言った たったそれだけだった〉〈好きになってもらうために好きになったわけじゃない〉です。言われると当たり前のことのように思えるのですが、とても大切な感情なんですよね。これは、全人類に伝えたい一節です!(笑)
――打算も何もなく、真っ直ぐな気持ちを持つのは尊い反面、難しいことですよね。
直田:そうなんです。この歌詞は本当に刺さりましたね。〈好きになってもらうために好きになったわけじゃない〉という歌詞を読んで……恋とは、この気持ちに尽きるものである、と気付かされました。今回も金子さんにやられましたね(笑)。
――まさに、以前のインタビューでもおっしゃられていたような「色々な解釈がある」「様々なストーリーを想像できる」曲ですね。
直田:多くの人に好きになってもらえる歌だと思います。若い世代には、この歌詞を問いとして伝えたいし、大人世代には「学生時代の恋愛って、こうだった」「後先なんか考えずに恋をしていた」ような気持ちを思い出してほしいです。
――個人的には、〈似ていない人を好きになって なのに面影をちょっと見つける〉に高い湿度を感じました。
直田:この歌詞も改めて言葉にされると、重くのしかかってきますよね。『ラベンダー・ブルー』『My Truth』とは違って、『ばっかだな』は簡単な言葉で刺してくる。ここが一番ヤバい曲である最大の所以かもしれません。
ファンのみなさんが一体になって盛り上げてくださるのが本当に嬉しい
――そんな『ばっかだな』の世界観・主人公「私」の気持ちについて、直田さんの解釈をお聞かせください。
直田:一連の恋について、主人公の「私」としても一区切りついたのではないかなと。ふと、この恋を思い出した時に「切なかったな」とは思うものの、懐かしめている程度には吹っ切れていると思います。
『ラベンダー・ブルー』の時(※)はまだ、引きずっている感じもありましたが、それから年月を重ねて大人になることによって、この恋を「良い思い出」として昇華させることができたんだと思います。でも、「懐かしんでいるのも、私ばっかりなのかもね」のような哀愁もあって。「私」がそんな気持ちを持ってくれていると、私としても嬉しいなと思っています。
(※:3部作を時系列順に並べると『My Truth』→『ラベンダー・ブルー』→『ばっかだな』)
――『ばっかだな』が初めて披露されたのは『直田姫奈 Hina Suguta 1st LIVE -Sings-』でしたね。
直田:可能な限り、レコーディングと同じような感覚で歌いたいと思っていました。収録の途中でニュアンスを濃く付けて歌うなど試行錯誤していたのですが、『ばっかだな』に関しては淡々と歌うことが最適解という結論に至って。でもライブだとどうしても感情が高ぶってしまうし、エモーショナルな雰囲気も出てしまうので、その気持ちをグッと抑えて曲の良さを伝えられるように歌いました。その結果お客さんも、浸ってくれている印象がありましたね。私の意図を察してくれていたと思います(笑)。
ライブが終わってからのお渡し会などでは、ファンのみなさんから「早く、もう一度『ばっかだな』が聞きたい!」「『My Truth』の歌詞がわかった今、改めて聞きたい!」という声をいただいていました。みなさんをやきもきさせたという意味でも、罪深い曲ですね(笑)。
――ちなみに『My Truth』リリース時のお客さんの反応についてはいかがでしたか?
直田:「2曲目がこんな方向性の曲だったなんて!」という驚きの声が多かったです。リリースイベントなどで『My Truth』を披露する機会が増えるたび、ファンのみなさんの間で「どのように『My Truth』を楽しむか」という会合が開かれていたようで……(笑)。みなさんが一体になって、私の曲やイベント、ライブを盛り上げようとしてくださるのが本当に嬉しいです。
コール&レスポンスも、「『My Truth』の世界を味わいつつ、楽曲にノる」というテーマで考えてくれたり……みなさんがそれぞれ曲を聞き込んで様々な楽しみ方を考案してくれたので、愛される曲にできて良かったなと思います。どのような曲をリリースしてもしっかりと楽しんでくれるファンのみなさんが心強いです。
――ファンのみなさんが持つ、フレキシブルに楽曲に対応する力の源が見えますね。
直田:お渡し会の時には「この曲はどうやってノッたらいいの?」「どうしてほしい?」と聞かれこともありました(笑)。「なんでもいいよ! 好きなように!」って答えています(笑)。
――それはまた、一番難しいオーダーですね(笑)。
直田:そうかも(笑)。でも、とても良い調理をしてもらっています。たくさん研究してもらって、本当にありがたいですね。
――思わず研究が捗ってしまうような素敵な楽曲ですよね。歌詞や楽曲に関して、直田さんから金子さん、浅井さんにオーダーしたポイントなどについてお聞かせください。
直田:オーダーは「物語が繋がっている曲を歌いたい」という一言だけでした。私の好きな曲調や雰囲気についてたくさんヒアリングしてくださって、その結果作られた世界観です。