秋アニメ『妻、小学生になる。』平川大輔さん&悠木碧さんインタビュー|悠木さんはキャラクターがかけてほしかったであろう温度感の圧で言葉をスッとかけてくれる
「もう僕はダメだ」って、しょっちゅうマネージャーに泣き言を言っています(笑)
――アフレコ現場はどのような雰囲気でしたか?
悠木:超和気あいあいとしていました。
平川:白石千嘉役の小島幸子ちゃんが演じる役柄とは違って、ムードメーカーとして現場を明るくしてくれました。
悠木:あとは、野村麻衣子ちゃんが娘役だったんですけど、そんなに歳は離れていないはずなのに、だんだんと本当の娘のように思えてきて(笑)。
平川:あれ、不思議だよね。
悠木:一挙手一投足が可愛く思えてくるんですよね。変な親心が生まれていました。
平川:しっかりされている方なんですけど、なぜか目で「大丈夫かな、大丈夫かな」って追いかけちゃう(笑)。次の現場で会った時もまだちょっと親心が働いちゃう気がします。
――和気あいあいとしていた現場の空気感が伝わってきました! 圭介は貴恵というかけがえのない存在を失くして失意のどん底に落ちます。お二人が「これがなくなったら相当落ち込んでしまう」というものはありますか?
悠木:えー、書けるレベルで?
――できれば(笑)。
悠木:それなら、そうだなぁ……。私、すごく「ぬい活」をしているんです。毎日のようにぬい(推しのぬいぐるみ)を連れて歩いているのですが、そのぬいを失くしたらたぶん立ち直れません。もう可愛くて、可愛くて仕方ない! 服を着せて写真を撮って、その写真をちょっと加工して綺麗にしてからSNSにアップしているんですよ。愛おしくて仕方ない! そんなぬいがいなくなったらキツいですね。
平川:僕は……大切なものというのはちょっと違うのですが、すごく気にしいなんですよ。だから、割と簡単に落ち込めるというか(笑)。
悠木:えぇ!?
平川:例えば履いている靴の紐が切れたとか、それだけで「もう今日はダメだ」ってくらいに落ち込むんですよ。「今日はどうしてもおかかのおにぎりを食べるんだ!」と思って3軒くらいコンビニをまわっても、おかかがなかったら「もう今日は何も食べなくていいや……」ってなるときもあります。
――で、でも次の日には引きずらないタイプ?
平川:それが、結構引きずるんですよ。落ち込む期間が長い。そうしているとまたつまらないことで落ち込んでしまうというサイクル。「もう僕はダメだ」って、しょっちゅうマネージャーに泣き言を言っています(笑)。
――そうなんですね……! お芝居に関してはいかがですか?
平川:昔はボロクソに言われて落ち込むときもありました。それが愛情だったんですけどね。今の現場は優しいので、そういうキツいことを言われる機会はあまりないです。どちらかというと、自分のなかで「あそこの表現はもうちょっと何とかできたんじゃないか」と思い悩んだ結果、落ち込むということがありますね。
悠木:今の現場は優しいです。社会に合わせて業界も進化してきました。
登場キャラクターに感情を寄り添わせながら見ていただけたら
――本作は「お弁当」も作品のキーワードです。おふたりが弁当に入っていたら嬉しいおかずはありますか?
悠木:唐揚げ~!
平川:エビフライ~!
――唐揚げもエビフライも入っていたらテンション上がっちゃいますよね! 学生の頃のお昼はお弁当でしたか?
悠木:はい。お母さんが作ってくれました。幼稚園のとき、確か金曜日がお弁当の日だったんですよ。当時、私が食事をあまりしない子供だったこともあり、お母さんが『美少女戦士セーラームーン』とかのキャラ弁を作ってくれて。それで、何とか食べる意欲を出そうとしてくれたんです。ニンジンを変身ロッドの形に切ってくれました!
平川:それは母の愛ですね! 僕は中学・高校の6年間は毎日お弁当を作ってもらっていました。祖母と一緒に作ってくれたときもあったからか、割と地味めなおかずが多かったんです。でも、僕は祖母が作る煮物が好きだったので、喜んで食べていました。毎回決まったレギュラーのおかずがあったんですけど、たまにそれが入っていないとちょっとがっかりすることがありましたね。
悠木:分かります! 逆にいつもと違うおかずが入っていて、それがおいしいときもあって。それで、お母さん喜ぶだろうなと思って「お母さん! あのおかずすごくおいしかったよ!」と伝えたら、「それ、冷食(冷凍食品)だよ」と言われた思い出があります(笑」。
平川:あるよねー! でも、お弁当は自分で作ってみると、作ってくれた方々がいるありがたみを実感します。本当に大変ですから。
悠木:ですね! いつも作ってくれていたお母さんには、頭が上がらないです。
――本日は色々なお話ありがとうございました。最後に、本作の序盤の見どころを教えていただければと思います。
悠木:コミカルなシーンもあってエンタメとして楽しんでいただける部分もありますが、そこも含めて物語全体を通して、人間ドラマとして捉えてもらえるような温度感をみんなで心がけて作りました。序盤からそれぞれが抱えている心の傷も描かれますが、幸せいっぱいに楽しんでいる家族の姿もたくさん見られると思います。これから新島家がどんなふうに進んでいくのか、見守っていただければ幸いです。
平川:一話でメインキャラクターたちが置かれている状況などがしっかり描かれますので、どういうお話なのか分かりやすくご理解いただけると思います。本作は、どのキャラクターに目も向けても主人公になりえるような、みんなが主役の人間ドラマになっています。笑いあり、涙ありの作品ですが、登場キャラクターに感情を寄り添わせながら見ていただけたら、様々な思いが募ってくるんじゃないかなと思います。
「楽しんでください」という表現をするのが難しい作品ではありますが、きっと見てくださるみなさんの心に寄り添える物語になっていると思いますので、ぜひ一人でも多くの方にご覧いただきたいですね。
【取材・文 M.TOKU】
作品概要