マンガ・ラノベ
『夢中さ、きみに。』ミステリアスで気になる林&二階堂をめぐる作品の魅力

TVアニメ化決定──和山やま先生が描く漫画『夢中さ、きみに。』ってどんな作品? ミステリアスで気になる「林」&「二階堂」をめぐる物語の魅力をご紹介

「和山やまTVアニメプロジェクト」が始動──。

和山やま先生の漫画『カラオケ行こ!』『夢中さ、きみに。』の2作品のTVアニメ化が決定し、先日ティザーPV&ティザービジュアルが公開されました。

『カラオケ行こ!』は、絶対に歌が上手くならなければならないヤクザ・成田狂児と、狂児から歌の指導を頼まれる合唱部部長の中学3年生・岡 聡実の関係を緻密に描く人気作品。現在「コミックビーム」(KADOKAWA)で続編『ファミレス行こ。』が連載中です。

『夢中さ、きみに。』も和山先生の代表作のひとつで、多くの読者を“夢中に”させている大注目の漫画。どんな作品なの? と興味を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで本稿では『夢中さ、きみに。』の原作漫画をご紹介。読み始めると気になって仕方がない、ミステリアスな「林」と「二階堂」をめぐる物語の魅力をお届けします。

 

TVアニメ『カラオケ行こ!』『夢中さ、きみに。』ティザーPV

 

『夢中さ、きみに。』とは?

 

『夢中さ、きみに。』は全8編の短編漫画を収録のオムニバス短編集。ミステリアスな高校2年生の林を取り巻く人間関係を描いた4編と、独特の雰囲気を纏う高校2年生の二階堂をめぐる4編で構成されています。

同人誌『夢中さ、きみに。』と、ウェブサイトで発表された『うしろの二階堂』が一冊にまとめられ、2019年8月に「ビームコミックス」(KADOKAWA)より書籍化されたものです。(『うしろの二階堂』は全ページ加筆修正のうえ、30ページ以上の描き下ろし続編を収録。)

第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞、第24回手塚治虫文化賞短編賞、宝島社の『このマンガがすごい!2020』オンナ編第2位など多くの賞を獲得。2021年1月には大西流星さん(なにわ男子)主演で実写ドラマ化され、同年3月に梶 裕貴さんと小野賢章さんで朗読劇(YouTubeでライブ配信)も上演されています。

 

 

“美しさ”と“静かな奇妙さ”で生み出されるシュールな面白さ

美しく繊細な画風と静かなテンションで、高校生たちの日常が描かれる本作。その密度の濃いストーリーと巧みな構成、細やかな感情の動きが人々の心をくすぐり刺激しています。

ちょっぴり“変な人”が無駄なことや意味のないようなことを真面目にやっているのもなんだか面白い。その仕草や表情からも目が離せず、奇妙で不思議な魅力に引き込まれてしまうはず。“美しさ”と“静かな奇妙さ”が絶妙に合わさって独特の作風を生み出し、そのシュールな面白さがクセになる作品でもあります。

読み始めると面白い漫画であることを確信することができ、そっと置かれていた伏線が繋がっていく嬉しさも。

登場するキャラクターは魅力に溢れ、林や二階堂をはじめ周りの人間の動きや行動にも和山先生のセンスが光ります。短編集ということでひとつひとつの話は短いながらも、彼らをめぐる人間関係をじっくり味わうことができるはずです。

 

<次ページ:ミステリアスで魅惑的な「林」&妙な噂の立つ「二階堂」>
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