【今週の『ONE PIECE』の話題は?】アラバスタから22年越しの「仲間の印」がエモすぎた…ビビからルフィたちへのメッセージが熱い!「3D2Y」オマージュが秀逸<1130話>
海賊王を目指し海へ出た主人公モンキー・D・ルフィとその仲間たちの活躍を描く、週刊少年ジャンプで連載中の漫画『ONE PIECE』(原作:尾田栄一郎氏)。
未知の島の心躍る冒険や強敵との痛快なバトルを通して仲間たちと絆を深め強く成長していく様は、まさにジャンプの三大原則「友情・努力・勝利」のど真ん中。その一方で、消された歴史や差別・奴隷制度などをめぐる世界の闇をも緻密な伏線と壮大な世界観で描き出す本作は、最終章へ突入した連載27年目の現在も怒涛の展開で読者の心を掴んで離しません。
10月21日(月)発売の週刊少年ジャンプに掲載された『ONE PIECE』第1130話“呪いの王子”では、アラバスタ編の名シーンを彩った「仲間の印」をうまく利用したビビからのメッセージが読者を沸き立たせました。また、ロキ王子の意外なビジュアルも話題に。本記事では、そんなSNSでの反響とともに、最新話のポイントを振り返っていきます。
※本記事には『ONE PIECE』最新話(第1130話)のネタバレを含みます。コミックス派やアニメ派の方等、ジャンプ未読の方はご注意ください。
ビビからのメッセージ! あの名シーンの象徴「仲間の印」が再び
今回なんといっても注目を集めたのが、ロビンが指摘した新聞の内容。ギア5(ニカ)の姿をしたルフィの写真の左腕部分に、不自然な「×」のマークが浮かび上がっていたのです。
左腕の「×」といえば、『ONE PIECE』読者なら誰もが頭に思い浮かぶであろうアラバスタ編のあの名シーン。共に旅をしたルフィたち麦わらの一味と、アラバスタの王女ネフェルタリ・ビビとの間でだけ伝わる「仲間の印」であり、彼らの別れの場面をより感動的なものにした象徴ともいうべきマークです。
実質もう1人の仲間であるビビですが、現在は世界会議(レヴェリー)に出席後に父・コブラが死亡、さらにビビ本人は行方不明というニュースが世界を駆け巡り、麦わらの一味サイドもビビの生死がわからないといった状況にありました。
実際には、ビビはワポルとともに世経(世界経済新聞)のモルガンズのもとで身を潜めているわけですが、それを伝える手立てがありませんでした。そこで、聡明なビビは新聞を使い、ルフィたちにだけに伝わる形で生存確認とSOSのメッセージを送ったのでしょう。
アラバスタでのルフィたちとビビとの別れが描かれたのは、2002年に発売されたコミックス第23巻のこと。およそ22年の時を経て、“仲間だからこそわかる”形で「仲間の印」が再登場するというのは、往年の読者からしても胸熱!
また、“新聞を使った仲間へのメッセージ”といえば、頂上戦争の後にルフィが仲間へ「3D2Y」のメッセージを送ったことを思い出させます。
この記事が出た当時、ビビは「おしゃれ?違うわよね」「ルフィさんだもん」(『ONE PIECE』コミックス第60巻より引用)と内容を理解するとはいかないまでも、何かのメッセージ性を感じ取っていた様子でした。2年後に再集結を果たした麦わらの一味を見てようやくメッセージの意味を理解し、今回自身のメッセージが伝わることを信じて新聞に忍ばせたのかもしれません。
SNSは「マジでエモすぎる……!」「ここにきて仲間の印が出てくるとは」「3D2Yの真似したってことか」「こういう演出が尾田先生は上手いよなあ」と感嘆の声であふれました。
とはいえ、現時点で新聞を読んだ麦わらの一味のメンバーはロビン・フランキー・ブルック・ジンベエの4人。いずれもアラバスタ編後に加入しているメンバーのため、「仲間の印」のことは知りません。当時は敵サイドだったロビンにこの記事を読ませ、「仲間の印」に「見覚えがある気がして…」と言わせる構成もニクいですね。
エルバフ編に突入してからというもの、一部考察ではエルバフ上陸組が麦わらの一味初期メンバー+チョッパーであることにも意味があると囁かれていましたが、それもこの新聞記事と「仲間の印」が伝わるメンツをニアミスさせるための人選だったようです。ルフィたちが記事を見るのはいつになるかわかりませんが、ビビと再会の時が着実に近づいているのではないでしょうか。
ロキ王子ついに登場! 意外な姿にザワつく「ローラに求婚したのマジ?」「シルエットよりかっこいいパターンあるんだ」
そして1130話ではサブタイトルにもなっている“呪いの王子”ことロキ王子がついに登場しました。
ロキ王子は、コミックス85巻でその名が登場した巨人族の王子。ビッグ・マムの娘であるローラに一目惚れし求婚したものの、ローラは結婚を受け入れられず破談となったエピソードが語られています。姿はシルエットのみ登場したことがありますが、そこから想像できる姿はどちらかというと可愛らしい感じ。
しかし、満を持して登場した実際のロキ王子は、あのシルエットのイメージとは真逆のコワモテ王子でした。意外すぎる姿にSNSも騒然。「これがローラに一目惚れして求婚したってマジ?」「でもローラを好きになったなんて絶対いい奴」「ローラに振られたから悪の限りを尽くすようになったのか…?」と物議を醸しています。この大男がローラに恋をした……というのは確かにかなりギャップを感じられますよね。意外にルフィと気が合って仲良くなるなんて展開もあり得るかも?
また、そんなロキ王子は、ここがエルバフの戦士の王国「ウォーランド」であること、「かつて戦争に明けくれた世界最強の王国!!!」であることを断言しました。
世界に数本しかないが、何があろうと決して倒れないといわれる最強の大樹であり、麦わらの一味のサウザンド・サニー号を造った木でもある「宝樹アダム」は、「ある戦争を繰り返す島」にあると言われていました。今回このコマで描き出されている大きな木こそが、その「宝樹アダム」なのではないでしょうか。今後「宝樹アダム」についてのエピソードも飛び出しそうな予感です。
そしてロキ王子とハイルディンは王子同士とのことで、2人の関係性やロキが食べた悪魔の実が何なのかも気になるところ。ドレスローザ編でハイルディンはメラメラの実を得ようとしていましたが、ロキ王子の悪魔の実には近い能力があったりするのかもしれません。
登場といえば、今回はビッグ・マムの過去編でビッグマムと仲良く遊んでいた描写のある新巨兵海賊団のゲルズも登場しました。新巨兵海賊団と麦わらの一味の今後の関わりにも注目したいですね。
ドリー&ブロギーの懸賞金が判明!Mr.3の株が上がる事態に?!
さらに、1130話ではドリーとブロギーの懸賞金がそれぞれ18億ベリーであることも判明しました。
このことで、かつてリトルガーデンでふたり(=つまり合計36億ベリー!)を手篭めにしていたMr.3(ギャルディーノ)が「すげーじゃん」「つよ」「36億ベリーを相手にしたMr.3の株がさらに上がるの好きw」と話題をさらう事態に。ネットで一時期「56皇殺し」「ラスボス」などと持て囃されたヒグマを彷彿とさせるSNSの盛り上がりが見られました。
1130話もますます胸熱&衝撃の怒涛展開でスピード感がありながら濃密な1話でした。このあとは2週にわたり休載期間に入るとのことなので、今のうちにエッグヘッド編からの流れやリトルガーデン編、世界会議、ホールケーキアイランド編など、繋がりのあるエピソードをおさらいしておくのも良さそうです。
[文/まりも]