東山奈央さん初のアコースティックライブを収めたCDがアニメイト限定で登場|「原曲とアコースティックのアレンジ、味変を聴き比べて楽しんでほしい」【インタビュー】
原曲からのアレンジ、味変を楽しんでほしい!
――セットリストは、どういったところを基準に作っていったのでしょうか。
東山:アコースティックというと大人で静かなライブをイメージされる方も多いかもしれませんが、決してそれだけじゃないんだよ、ということを感じてほしいです。情熱的なラテンやボサノバもありますし、とにかく原曲からの“味変”みたいなものを交えて楽しんでもらいたいと思いながら作っていきました。
――その中でも特に印象的だった楽曲を挙げるなら、どの曲でしょうか。
東山:「StarLight」かなぁ。他はけっこうすんなり決まったんですけど、ここだけちょっと悩んだんですよね。他にも候補が2曲あって、実は「StarLight」は第3候補だったんですけど、アレンジの変わりようがすさまじくて! セトリ的にもメリハリが付くかなと、まさかの下剋上というか、急に第1候補になるというドラマもありました。
――いいアレンジだったけど、今回は……という曲があると、じゃあ次回に!と欲張りになりますよね。
東山:めちゃくちゃなりますね! 正直、今回のライブでアコースティックライブにハマってしまった自分がいまして(笑)。めちゃくちゃ楽しくて、毎週やりませんか?と思っているくらいです。
今年で歌手活動も7年目になりますけど、その月日の中でみんなが繰り返し私の楽曲を聴いてくれたからこそ、アコースティックアレンジに驚いたり、喜んだり。今回の味変を一緒に楽しむことができたのかなとも思うんですね。
アコースティックで歌うハードルの高さを乗り越えられたのも、7年間やってきた経験があったからこそ。このタイミングでアコースティックライブをやらせていただけたのは、すごくありがたいことだったなと。
でも、まだまだセトリに組み込みたい曲もありますし、バンドの布陣によって楽器が変わればアレンジも変わるのかなとかも思いますし、可能性が広がっていくような、やりたいことが無限に広がっていったライブだったなと思っています。
――お客様がアレンジに驚いた、という言葉もありましたが、一番その反応を感じたのはどの曲ですか。
東山:やっぱり「さよならモラトリアム」ですね。お客様も絶対「さよモラ」はやらないだろうと思っていたようで、披露した時のどよめきは忘れられないです。ステージ上で、ちょっとニヤっとしてしまいました。1曲の中で、ボサノバやジャズ、カルメンっぽくなるなどいろんな展開を付けていただいて、もともと問題児と呼ばれる楽曲ですけど、問題児ならではのアプローチができたのかなと思います。
――アコースティックアレンジで東山さんの歌い方も変わったように感じましたが、意識して変えていたところもあったのでしょうか。
東山:自分でも何か変わったな、とは思っていました。例えば「さよならモラトリアム」のスウィングっぽい歌い方や、普段の自分の楽曲ではやったことのないようなニュアンスの付け方は、意識していたわけではないんですけど、皆さんの演奏にあわせて歌っているうちに、自然と引き出していただいたものがあったように思います。
強弱の付け方とか、頭でこうしようと思うよりも音楽を楽しんでリズムを肌で感じているうちに、自然とそういう歌い方になっていたような感じです。自分でも、こんな引き出しがあったんだという発見がありました。
最初のワンマンライブからずっと私のことを見てくださっている伊賀さんにも「こんなことできるんですね」と言われたんですよね。あと、関係者の皆さんが当日「こんな大人っぽい歌い方ができると思わなかった」と声をかけてくださって、もっと自信を持ってもいいんだなとも思えたライブでした。