遥と田中の戦いは騙し合いなんです｜TVアニメ『ひとりぼっちの異世界攻略』連載第5回：遥役・梅田修一朗さん×田中役・葉山翔太さんインタビュー

オーバーラップ文庫より刊行中の五示正司氏によるライトノベル『ひとりぼっちの異世界攻略』がTVアニメ化。2024年10月3日よりTOKYO MX、BSフジにて放送中です。

本作の主人公は、高校生活を“ぼっち”で過ごす遥。突然クラスメイトたちとともに異世界に召喚されてしまった遥は、神様から押し付けられた“ぼっち”をはじめとするバッドスキルを駆使しながら、一人で異世界攻略を目指していきます。物語も中盤に差し掛かったところで、クラスメイト・田中の本性が明らかとなりました。果たして、田中と対峙した遥の運命は……？

アニメイトタイムズでは、本作の魅力に迫るインタビュー連載を実施！　第5回は、遥役・梅田修一朗さんと田中役・葉山翔太さんに、ここまでの物語を振り返ってもらいつつ、第7話の見どころについてお聞きしました。

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遥の今までにない熱い部分が見えた

──第6話までの物語を振り返ってみて、印象に残っているシーンを教えてください。

遥役・梅田修一朗さん（以下、梅田）：色々と話したいですが、直近で言えば、田中とのバトルに向けて、遥がゴブリンエンペラーたちと戦うシーンが印象的でした。これまでは異世界攻略を「にししっ」って笑いながら一人で楽しんでいた遥ですが、ゴブリンたちとの戦いに勝利したときは雄たけびをあげたんですよね。今までにない熱い部分が見えたのが印象的でしたし、「遥、カッコいいじゃないか！」とも思いました。

──確かに、いつもとは違う遥の熱い部分が見えました。ただ、レベル50の強敵を倒したのに、遥は9から11にしかレベルが上がらないっていう……（笑）。

梅田：遥ですから（笑）。スキルの影響でレベルが上がりにくくなっているので、仕方ないんです……。ただ、田中戦では今回の戦いで身に着けた「虚実」のスキルが重要になってくるので、楽しみにしていてください。

田中役・葉山翔太さん（以下、葉山）：僕は、遥がクラフトゲーム的に楽しみながら異世界を攻略している姿が印象に残っています。バッドスキルばかり与えられてしまいますが、その逆境を糧にして、自分のやりたいように異世界を楽しむのが本当にすごい。そういう楽しんでいる姿を見ていると、彼自身は一人ぼっちを望んでいるのに、自然と人が集まってきてしまう理由が何となくわかります。

──ぼっちスキルを持っているのに。

葉山：そうなんですよ！　「ぼっちじゃないやん！」って田中を演じる身としては思っていました（笑）。

──でも、それだけ魅力的な人間なのかも。

梅田：実はそうなのかもしれないですね。遥って、もともと色々なものを観察して、考えることが好きなタイプだと思うんですよ。そんな彼が誰も経験したことがない異世界でみんなをちょっとリードするというのは、自然なことだったのかもしれません。

「オーディションのときに誰よりも声が凶悪だった」と言われました

──第6話では、異世界でクラスメイトを殺めることもいとわない田中の本性が明らかとなりました。葉山さんは田中をどういうキャラクタ―だと感じながら演じていますか？

葉山：田中は他人よりも優れていたい、一番になりたいという思いが強いタイプだと感じています。その性格が災いしてか、異世界でチートスキルという身の丈に収まらない力を与えられたことで、クラスメイトを容赦なく殺めるようになってしまいました。本性を現したときの彼は凶悪な面をしていますよね。

演じるうえでは、田中の家庭環境はどうだったのかなどは考えませんでした。彼のバックボーンを考えて少しでも共感してしまうと、あの凶悪さは出せないと思ったんです。田中を演じるときは良心を捨てていました。

梅田：葉山くんは、ふだんはすごく優しいのに、演じるときは怖くって……。

葉山：監督からも「オーディションのときに誰よりも声が凶悪だった」と言われました（笑）。

梅田：確かに、遥に向ける悪意や殺意が芝居にもにじみ出ていました！

葉山：申し訳ない！

梅田：でも、その怖さを向けてもらえたから、僕もさらに燃えて田中と相対することができた気がする！

──田中以外にも様々なクラスメイトが登場しています。なかでもお二人が注目しているキャラクタ―を教えてください。

梅田：みんな面白いです（笑）。

葉山：確かに。原作を読んでいるときも一人、一人のキャラクターに愛を感じました。でも、ギョギョっ娘って名前を見たときは衝撃を受けましたね。もう字面が面白い！

梅田：クラスメイトの名前は、ぜんぶ遥視点になっているんですよね。だから、クラスメイトの名前を把握していなかった遥が悪い（笑）。ギョギョっ娘と並んで裸族っ娘もインパクトがすごいですよね。しゃべり方も面白くて、出てくるたびに和みます。

葉山：僕は収録であまり一緒にはなれなかったけれど、クラスメイトの男子たちも個性的だよね。

梅田：脳筋莫迦Aは演じる峯田大夢くんのお芝居も相まって、遥よりも主人公っぽい爽やかなキャラクターだと感じています（笑）。脳筋莫迦グループはみんなネーミング通りの脳筋で、お芝居も最高でした！

　
葉山：AのほかB・C・Eの脳筋莫迦を演じているのは……濱（健人）さん、石谷（春貴）さん、岩村（圭佑）さん。すごい。体育会系キャラクターのお芝居が絶妙な方ばかりだ！

梅田：そう！　春貴さんは実際に筋肉もある方だから、すごくぴったりだった。不良のみなさんも雰囲気出ていたなぁ。でも、不良Fを演じる酒井（広大）さんは優しい声のイメージがあったから、不良役を演じるのがちょっと意外で面白かったかも。

葉山：確かに！

梅田：あとは、遥にとっても、この物語にとっても委員長はやっぱり外せないですね。遥の異世界ぼっち生活を最も阻止してくる存在（笑）。でも、遥も別にそれを嫌とは思っていない気がします。むしろ、「壁があるほど燃える」って思っちゃっているんじゃないかな。遥のぼっちに対するモチベーションは、委員長によって高められていると思います。