秋アニメ『ネガポジアングラー』第6話 上村 泰(監督)×岩中睦樹(佐々木常宏 役)振り返りインタビュー|エブリマートの一員となり、常宏の演じ方に変化が生じていった第6話
毎週木曜22時よりAT-X・TOKYO MXほかにて好評放送中のオリジナルTVアニメーション『ネガポジアングラー』。自身も大の釣り好きである上村泰監督が、『BLUE GIANT』・『幼女戦記』を手掛けたNUTとタッグを組んでお届けする、「釣り」を題材にしたアニメとなっています。
不幸続きな青年・佐々木常宏が「釣り」を通じて、様々な出会いや経験を積んでいく様を描く本作。アニメイトタイムズでは、上村監督と佐々木常宏役の岩中睦樹さんに各話ごとの感想や収録エピソードなど、たっぷりとお話を伺ってきました! 毎話ごとの振り返りインタビューとして、各話放送後の金曜日に毎週更新中。ネタバレ満載となっていますので、ぜひ各話を見てからご覧ください!
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周囲の面々に引っ張られ、明るさを取り戻しつつある演技に
──“エブリマート”のメンバーが全員集合し、最後には歓迎会も開いてもらって常宏がようやくその一員になれたかなというエピソードでした。
岩中:やっと常宏も一員になれた感があって、常宏自身も心に何かしらが芽生え始めたのかなって思いました。
この話数から演じ方というか、(アフレコでの)指示が変わったような記憶があります。今までのズーンとしゃべるような感じより、ちょっとずつみんなに引っ張られて、若干の明るさを取り戻してきたような感じでって。そんなことを言われました。
あと、Bパートでアイスに「あと2年しか生きられないとしたらどうする?」という質問をしていたんですけれども、その質問がふと出てくる時点でこのエブリマートの面々というか、この場所に常宏が居場所を見つけつつあるのかなって。そういう印象を受ける6話でしたね。
上村:エンディングの演出もそうなんですが、1話から3話まで、常宏がバイトを始めるまではいわゆる『ネガグラ エピソード ゼロ』みたいなイメージなんです。なので僕の中の構成では、実質4話からが第1話なんです。
僕もそうなんですが、初対面の人たちとはすぐには喋れない常宏ですが、周りの濃い面々に引っ張られて、ちょっとずつ喋れるようになっていく。今回みんなに祝ってもらえたり、そういうのも踏まえて少しづつなんですが心を許せる場所ができてきて、素の常宏らしさが出てきたっていうのがこの話数かと思いますね。
──6話で好きなシーンはどこでしょうか?
岩中:アイスがコスプレの写真を見せてくれるところですかね。ぐでーんとしてる時のギャグっぽいアイスもかわいいんですけれど、頭身が高くなった時のアイスがめちゃくちゃ美人で。
上村:気合入っているバージョンですね。気合が入ると頭身が上がる(笑)。
岩中:あとはやっぱり、一番最後のみんなで鍋を囲んで自分の境遇をふと思い出すところが好きです。まだちょっと常宏は素直になりきれていないですが、そこも含めて大好きです。
──監督はいかがですか?
上村:6話は演出の三浦慧さんと何度も何度も話をして頑張ったところが2点ありまして、ひとつが船を出艇するシーンです。夜明け前から夜明けになっていくのに合わせて船が出艇するんですが、夜明けの綺麗さや気持ちよさをきちんと表現したかったので、何度もやりとりを重ねて頑張りました。
もうひとつが先程も少し話が上がった、アイスに「あと2年しか生きられないとしたらどうする?」という質問をするシーンで、ここの芝居は特に何度もやり取りをしました。影の演出も嘘影ではあるんですが、説得力のある影にしたいというところですごくこだわり、結果的にすごくいいシーンに仕上がったと感じています。
[文・二城利月]
作品概要
あらすじ
鬱々とした日々を過ごす常宏は、ある日借金取りに追われ海に転落したところを、釣り好きの少女ハナとその釣り仲間の貴明たちに助けられる。
ハナに勧められるまま人生初の釣りを経験し、その釣り仲間とも親交を深める常宏。
ハナや貴明の働くコンビニでバイトも始め、難解な釣り用語や生アミの匂いに苦戦しながらも、徐々に釣りにハマっていく。
手元に伝わるアタリは、生の実感――。
転落し続け世界を見上げるだけの人生は、そう簡単に変わらない。
そんな常宏が釣りを通して見つけたものとは……?
キャスト
(C)NEGAPOSI-ANGLER PROJECT