共に時を過ごした仲間たちが語る小原乃梨子さんの思い出〜小原乃梨子さんお別れ会レポート〜
2024年7月12日に88歳で逝去された声優・小原乃梨子さんのお別れ会が、10月30日に都内でしめやかに行われました。会場には長年の支援者や関係者が集まり、小原さんの功績を偲びました。
今回は、お別れ会のレポートと、参加された声優さんのコメントを紹介します。
目次
多くの方が感謝と追悼でお集まりに
お別れ会は黙祷から始まり、参列者全員で小原さんへの感謝と追悼の祈りを捧げました。その後、代表作の映像上映が行われ、『未来少年コナン』のコナン、『ヤッターマン』のドロンジョ、『ドラえもん』の野比のび太など、小原さんが演じた思い出深いキャラクターたちの姿に、会場は懐かしさと感動に包まれました。
小原さんの御子息である戸部敦夫さんは、壇上から穏やかな声で「母が携わった作品を皆さんが深く愛してくださっていることを、母も大変喜んでいることと思います」と参列者への感謝を述べました。さらに「母にとって、家族としての時間だけでなく、皆様と築いた数々の作品も大切な宝物でした」と、小原さんの人生における作品への思いを語りました。
日本アニメーションの石川和子社長は「小原さんは、世代を超えて多くの方々に勇気と夢を届けてくださいました」と述べ、現場を温かく包み込んでいた小原さんの人柄を振り返りました。最後に「これからも私たちは、小原さんの功績を胸に、さらなる努力を続けていくことを誓います」と決意を示しました。
81プロデュースの南沢道義社長は、長年の付き合いから見た小原さんの姿を紹介。「闘病生活の中でも常に前向きで、明るく過ごされていた」と生前の様子を語り、「小原さんが育てた『声の文化』は、後進の声優たちに確実に引き継がれていくでしょう」と、その遺志を継承が息づいていることを伝えていました。
祭壇には小原さんの遺影と共に、愛したバラの花が飾られ、その周りには『未来少年コナン』『ドラえもん』『ヤッターマン』など、代表作のキャラクターパネルが並び、小原さんが作り上げた豊かな作品世界を象徴するような空間となっていました。
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