2024-11-15 19:30

講談社文芸書『カフネ』アニメイトオリジナルブックカバーキャンペーン　阿部暁子先生インタビュー

『学生時代からアニメイトに通い詰めていた』と話すほどの漫画やアニメ好きという阿部暁子先生。『カフネ』とは、「愛する人の髪にそっと指を通す仕草のこと」を意味するポルトガル語で、この素敵なタイトルを冠した文芸書を2024年5月に上梓されました。

2008年に第17回ロマン大賞を受賞し、昨年で作家デビュー15周年を迎えた阿部先生は、青春時代の爽やかな恋愛から時代小説まで、幅広いジャンルで活躍されています。

11月30日より、アニメイトで『ちはやふる』の末次由紀先生による特別イラストを使用したオリジナルブックカバーの配布キャンペーンがスタートします。これを記念して、『カフネ』にまつわる様々なお話を阿部先生に伺いました。

『カフネ』という書籍をご存じでしょうか？

――この度、アニメイトでキャンペーン開催ということなのですが、阿部先生ご自身はアニメイトをご利用いただいたりしたことはあるのでしょうか？

阿部暁子先生（以下先生）：昔から漫画やアニメが大好きで、中高生の頃、電車で４０分かけて盛岡のアニメイトにせっせと通っていました。店に入ると時間を忘れてしまって帰りはいつも夕方でした。

末次由紀先生は『ちはやふる』はもちろんですが『クーベルチュール』なども大好きで、本当に大ファンなので、応援イラストを描いていただけたことも一生忘れられない幸せな出来事ですし、それをアニメイトさんで展開していただけるのも本当に嬉しいです。

――学生時代から通っていただいていたんですね！　ありがとうございます。今回「アニメイトと言えば購入特典」というわけではないのですが、公式HPに掲載されていた末次由紀先生のイラストをお借りして、特別なカバーを巻いて売り場展開されるわけですが、こちらのイラストを初めて目にされた際の感想とかお伺いしてもいいでしょうか？　事前に阿部先生と末次先生でお会いしたりする機会はあったんですか？

先生：直接末次先生にお会いしたことはありません。ただ、担当編集者から初めてイラストを見せてもらった時、末次先生の『カフネ』へのあたたかいコメントも添えられていて、末次先生の作品の悩みを自分で乗り越えていく魅力的なキャラクターたちは先生のお人柄から生まれるんだなと感じました。

イラストの製作については、私は自分の作品の登場人物たちの外見をほとんどイメージしないまま書いていたので「薫子はボブっぽい感じで……春彦はヘアサロンとかあまりこだわりない感じで……」などとどうしようもない情報しか出せなかったのですが、描いていただいたイラストを拝見した時、登場人物の三人が「そこで生きている」という感じがしてとても感動しました。個人的には春彦を薫子とせつなのそばに描いていただけたことが本当に嬉しかったです。

――あのイラストのスリーショットは、作品を読んだ後に見返すと、意味が深まるというか、新しい感動があるというか……とても素敵なイラストですよね！　個人的には、先生がこれまで比較的多く描いていらっしゃった青春小説、恋愛小説と比べて、『カフネ』は女性にとって重たい、でも無視できない様々なテーマがこれでもかと詰まった作品だな、と思いながら読ませていただきました。

先生：ご指摘いただいた「女性にとって重たいテーマ」は、ここ数年の私自身のテーマでもありました。苦しい中で自分が考えたことや納得できないまま呑み込んできたことを形にしたいと思い、生まれたのが薫子とせつなでした。

二人とも自分と似ているところもまったく似ていない部分もありますが、それぞれ「こう生きていきたい」という願いを託しています。

せつなには暗黙の了解のようなものに囚われず自分の考えをつらぬくことを、薫子にはくよくよ悩んで迷ってそれでも最後には自分の思うように走ることを託しています。

――全ての女性が向き合うわけではないでしょうが、いつそうなっても不思議はない問題に立ち向かう２人の姿が印象的で、気づいたらあっという間に読み終えていました。登場人物の話になったので、もう少しお話伺ってもいいでしょうか？　「友人として長く付き合いたいキャラクター」「家族として一緒に生活したいキャラクター」「一緒に仕事をしてほしいキャラクター」をそれぞれ選ぶとしたら、誰になりますか？

先生：
「友人」→公隆　一緒に飲みながら仕事の話を聞いてみたいから
「家族」→斗季子　家事の大切さと苦労をよくわかっていて一緒に暮らすストレスがなさそうだから
「一緒に仕事」→春彦　かゆいところに手が届くアシストをしてくれそうだから

――公隆！　わかります。ラスト付近の出番では「頼もしい友人」と感じました。物語の後半からラストにつながる展開に、私はいろいろな感情を揺さぶられてしまったんですが、先生が一番「ここを読んで欲しい」と思うエピソードを１つ選ぶとしたらどのエピソードになりますか？

先生：薫子がせつなを抱きしめるシーンを、その後の薫子の行動につながるターニングポイントとして書いたので、読んでいただけたらと思います。

――第四章のシーンですよね。私はあそこからずっと泣きっぱなしで読んでいました。まだまだたくさんお話を伺えたらという思いは尽きないのですが、そろそろお時間が来てしまいました。本作で初めて先生の作品を読まれる、もしくはすごく久しぶりに先生の作品に触れるという読者がアニメイトにはかなり多いと思われるのですが、そういった方々に向けて、一言お願いいたします。

先生：誰もが毎日自分の人生を精いっぱいに生きていると思うので、自分の書いたものが休憩時間の娯楽になれたらとても嬉しく思います。あと誤字脱字があったら連絡してほしいです。

――誤字脱字（笑）。それは大事ですね。本日はお忙しい中、インタビューに時間を割いていただき、本当にありがとうございました。

アニメイトでの『カフネ』オリジナルブックカバーキャンペーンは、11月30日より、後述のアニメイト店舗にて実施いたします。
店頭のオリジナルカバーを巻いた商品をお買い求めいただくか、講談社『カフネ』をお買い上げいただいたお客様にレジにて先着でお渡しいたします。
お近くに開催店舗がない場合は、ぜひアニメイト通販をご利用ください。