ドランさんに対するアイリちゃんの“好意”や“照れ”を大事にしました──秋アニメ『さようなら竜生、こんにちは人生』アイリ役 松永あかねさん【連載インタビュー第4回】
なんだか私もベルン村に帰省したかのような気分になりま
──第2話の冒頭、魔法が苦手なドランを励ますシーンがとても微笑ましかったです。
松永:ちょっと浮ついて焦った様子のアイリちゃんがかわいくて、「あら~」と思いながら台本を読ませていただきました。マグルおばあさんがニヤニヤする気持ちもわかります(笑)。
「アイリはもういいから遊びにでも行ってきな」と言われたあとの反応もすごく好きですね。「じゃあ私、お母さんの手伝いしてこようかな」と言って去って行くんですけど、そのときにチラっとドランさんを見るんです。「ドランさん、引き留めてよ!」というアイリちゃんなりの乙女心が凝縮されているような感じがして、すごくかわいかったです。
──そのドランについて、松永さんからご覧になった印象はいかがですか?
松永:竜から転生して人間になったからか、人間としてはまだまだ若いのにすごく落ち着いていて、なんて穏やかな人なんだろうと思いました。最初は事前情報なしにコミカライズを読ませていただいたんですけど、最強の古神竜が人間に転生するからには何か波乱万丈の人生を送るのかなと思っていたんです。そうしたら想像以上に心穏やかな生活を送っていて、その生活を大事にしているところに驚きました。最強だからといって人間として力試しをするとかそういうことではなくて、むしろこの生活を守るために行動する人なんだって。
だからこそ、一緒に生活している人たちに向ける優しさや愛も大きいのかなと思います。ドランさんはセリフの一つ一つに優しさが乗っているような、温かみのある言葉が多いなと感じていて、私自身、ドランさんをすごく尊敬しています。
──ドランは村のために率先して動ける人ですよね。
松永:そうなんです。沼の調査もドランさんが自ら行こうとしていて、「それ、まだ若いドランさんが一人でやるの!?」って私は驚いたんですけど、ドランさんは村のために自分が調査するといって当たり前のように行こうとするんです。そういうところに村への愛を感じますし、その愛が村のみんなに伝わっているからこそ、これだけたくさんの人に囲まれているんだろうなと思いました。
──ドランはいろいろな人に慕われていますが、女性にも人気がありそうですしアイリとしては複雑なのでは?(笑)
松永:セリナさんがやってきて、この先はまた新しいヒロインも登場するので、アイリちゃんとしては「ちょっとは控えてよ!」って思っているかもしれません(笑)。アイリちゃんとドランさんは年齢差もあるし、妹として見られているだけなので、「子供扱いされたくない」、「どうすればいいんだろう?」って悩んじゃうかもしれないですね。
──では、松永さんからご覧になったセリナの印象についてもうかがえますか?
松永:めちゃくちゃかわいいなと思いました! 特に尻尾がかわいいんですよ。セリナさんがいまどんな感情なのかが尻尾の動きでわかるようになっていて、たまにワンちゃんのように尻尾を振っているところがたまらなく好きです。
もう一ついいなと思ったのが、最初にドランさんと出会ったあとに集落の跡地でご飯を食べるシーン。結婚相手を探していることや、セリナさんのご両親のことが語られる大事な場面なんですけど、それ以上に二人が漂わせる温かい雰囲気、なんでもない日常のような空気感が大好きで、このシーンはドランさんもセリナちゃんもどっちも好きになりました。
──人と人の距離感や村の人たちが作り出すゆるやかな空気感もこの作品の見どころですよね。
松永:本当にそう思います。特にアイリとしては第1、2話が印象に残っているからか、BGMも含め、この作品はどこかゆったりと時間が流れているように感じるんです。ドランさんが顔を洗って、畑仕事をしてという生活感がリアルな田舎生活を感じさせてくれますし、なんだか私もベルン村に帰省したかのような気分になります。
──では最後に、第5話以降で楽しみにしてほしいことを教えてください。
松永:ドランさんたちが今度は森の調査に行くことになるので、そこでどんな戦いが待ち受けているのか、新たな展開を楽しみにしていただきたいです。アイリちゃんはどうしてもお留守番になってしまうので、私も放送をワクワクしながら待ちたいと思います。
それから、この作品には「種族を超えてつながっていく」というテーマがあると思うんです。これからもいろいろな種族のキャラクターが登場するので、ドランさんたちがどんな交流をするのかにも注目してみてください。あとはアイリちゃんも含め、ドランさんを巡る恋愛模様?的なところも楽しみにしていただけたら嬉しいです。
(文:岩倉大輔/写真:松本祐亮)
作品概要
あらすじ
悠久の時を生き、神々すらひれ伏す絶大な力を持つその竜は、孤独と共に己の死を受け入れた。
しかし、次に気がついた時、竜は辺境の村人ドランとして第二の生を受けていた。人間として竜よりずっと短い生を生きることになった彼は、畑仕事に精を出し、食を得るために動物を狩る……。
質素ながらも温かい村での生活に、ドランの心は竜生では味わえなかったささやかな喜びで満たされていく。しかしそんなある日、沼地の調査に出かけたドランの前に、セリナと名乗る半身半蛇のラミアが現れる。
伴侶を探して旅をしている彼女は、ラミアなのに人間を誘惑するのが苦手だという。人と魔物、相容れぬ存在ながらも次第に心を通わせていく二人。
だが、二人の前には様々な外敵が現れて――!?
辺境から始まる、元最強最古の竜の“生き直し”ファンタジー!
キャスト
(C)永島ひろあき・アルファポリス/「さようなら竜生、こんにちは人生」製作委員会