ドランさんに対するアイリちゃんの“好意”や“照れ”を大事にしました──秋アニメ『さようなら竜生、こんにちは人生』アイリ役 松永あかねさん【連載インタビュー第4回】
最強の古神竜が人間・ドランに転生し、新たな人生を歩む“生き直し”ファンタジー『さようなら竜生、こんにちは人生』。ドランやクリスティーナの活躍によって、セリナを狙う魔法使いの一件が片付き、ベルン村への帰路についた一行。しかし、遠く離れた“エンテの森”では森を脅かす大きな異変が始まろうとしていて……。
本作をより楽しむためのリレーインタビュー、第4回はベルン村のアイドル的存在・アイリを演じる松永あかねさんが登場。ドランに恋心を抱く少女をどのように演じているのか、語っていただきました。
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子供ながらに素敵だなって思います
──第4話まで放送されましたが、これまでのアイリを振り返ってどのような印象をお持ちになりましたか?
松永あかねさん(以下、松永):アイリちゃんは天真爛漫な10歳の女の子なんですけど、私から見ると10歳にしてはずっと大人っぽいなと感じました。ドランさんへの気遣いや真面目に勉強に取り組む姿を見ると、私が10歳のころってこんなにしっかりしてたっけって自分と比較してしまいました(笑)。その一方で、豊かな土地ですくすくと育った純朴さも感じられて、「かわいい、かわいい」と思いながら演じていました。
──アイリを演じるうえでも、そういった真面目さやかわいらしさを意識されているんですか?
松永:そうですね。印象的だったのはやっぱりドランさんとの関係で、ドランさんを前にしたときのアイリちゃんのかわいらしさを大事にしようと思いました。あとは設定画がとてもかわいかったので、設定画の雰囲気も大事にしながら、コミカライズや台本を読んでアイリちゃんらしさを固めていきました。
──キャラクター紹介にも書いてありますが、ドランへの「好意を隠しきれない」ところがかわいいですよね。
松永:そうなんです! 台本をさっと読んだだけでわかるくらい、ドランさんの前では照れていることが多くて(笑)。ドランさんのことが本当に気になっているんだなと伝わってくるので、私もその気持ちに寄り添いながら演じるようにしました。
──アイリの気持ちは松永さんもよくわかる?
松永:私も田舎生まれなので、ちょっとわかります。自分が小さい頃、もし身近に大人のお兄さんタイプの人がいたらドキドキするだろうなって(笑)。大体まわりはやんちゃな子供たちばかりだと思いますし、そこに落ち着いたお兄さんがいたら絶対に憧れちゃいます。
──逆に松永さんご自身と似ていないなと感じる部分はありますか?
松永:アイリちゃんとはほとんど似ていないかも(笑)。10歳の頃なんてそんなに熱心に勉強していなかったので、まず勉強熱心なところが全然違いますね。現実で考えたら小学4年生とか5年生くらいですよね?
──そうですね。
松永:自分から進んで勉強することなんてなかったと思いますし、アイリちゃんのように勉強を楽しむこともできなかったので……。本当に勤勉で芯がしっかりしていて、子供ながらに素敵だなって思います。
──演じていて大変だったことはありますか?
松永:大事にしたいと思っていた「子供らしさ」や「無邪気さ」の表現が難しかったです。音響監督の阿部(信行)さんから子供らしさや無邪気さがほしいとディレクションをいただいたので、その日から子供たちの様子を観察するようにしました。
──街で見かけた子供を見て研究するような感じですか?
松永:そうですね。例えば、ふと通りかかった公園で子供が遊んでいたら、その様子を眺めて参考にするようにしました。
──その成果がアイリのお芝居にも反映されていると。
松永:そのつもりです(笑)。自分なりにアイリちゃんの無邪気さやかわいらしさを出せるように頑張りました!
──ほかに音響監督からオーダーされたことはありましたか?
松永:かわいらしさを込めてほしいというディレクションをいただいたんですけど、かわいらしさを意識しすぎてあざとくなりすぎるのも違うかなと思って、最初はなるべくナチュラルな演技で持っていったんです。ただ、それだと年齢感が高すぎるということで、もっと表情の豊かさを出していこうということになりました。アイリちゃんは大人っぽいところもあるけれど、あくまでもドランさんの妹的なポジション。小さな女の子であることを忘れないようにしました。
──では、アイリを演じていて楽しいと感じる部分はどこですか?
松永:ドランさんに向ける好意の表現が楽しいです。あまりそういった演技をしたことがなかったので、友情とも家族愛とも違う、一人の男性への憧れを表現するのが新鮮でした。しかも、アイリちゃんの好意は大人の恋愛とも少し違った10歳ならでは恋心なんです。そのピュアピュアな気持ちにドキドキしましたし、アイリちゃんを応援するような気持ちで演じられました。