「常に僕らの今、最大限を感じてもらえるライブに遊びに来てください」MADKIDインタビュー──3rdアルバム『DROPOUT』や10周年記念ライブへの想いをメンバーたちが語る!
「Swell」は新機材を導入して多くの要素を入れつつ、生ギターをフィーチャー!
──もう1曲の新録曲「Swell」はLINさんが作・編曲を手掛けられていますが、エレクトリックなディスコナンバーですね。
LIN:音楽ソフトを変えてから作った初めての曲です。以前使っていたソフトではできなかったり、やりにくかったことができるようになったことで、いろいろな要素を入れたくなって(笑)。
これまでとアプローチの仕方も変わっているので、聴いてくださった方に好きな部分を見つけてもらえたらいいですね。
──ギターもかなり効いてますね。
LIN:音楽をやっている僕の親友に弾いてもらいました。「やってくれ!」と軽い気持ちで頼んだらめちゃめちゃいいギターを弾いてくれて。
そこからギターをフィーチャーしていって、リズムも上がっていって、いい感じになっているので、そこも楽しんでほしいです。
──タイトルの「Swell」にはどういった意味が込められているのでしょうか?
LIN:水や波のうねりをイメージして作ったので、このタイトルになりました。水面の上で縦横無尽に駆け巡っているような歌詞になっていて、海底のダンスフロアで踊って楽しんでいる感覚を共有してもらえたらいいですね。
──ギターのゆがんだ音色も「Swell」感があるなと。
LIN:シンセサイザーで出せない音と生の楽器でしか出せない音とのいいコントラストも出せていたらいいなと思っていたので、そう言っていただけて嬉しいです。
──「Swell」の聴きどころもご紹介をお願いします。
SHIN:僕が最初にAメロを歌っていますが、聴いてくれる方の隣にいて、耳元でささやくような感じで歌っているので、そばに僕がいるように感じてもらえたらいいですね。
KAƵUKI:今回新録した曲の中で、一番レコーディングで苦労しました。デモが届いた時にLINの世界観を崩さないように入らなきゃと思って、マネできるところはマネしましたが難しいんですよね。独特な歌い方やニュアンスを自分なりに落とし込んでいくのが大変でした。
サウンド的には、最初は「おしゃれな感じだな」と思ったらサビで盛り上がって、2サビで更にテンポアップしていって、「来た! 来た!」ときたら今度はビートを落として、2Bでは静かな感じになって。
「どんなふうに終わるのかな」と思ったら、最後は怒とうの転調で。LINの曲は毎回すごいと思うけど、今回は特段に度肝を抜かれたし、すごく心を踊らされました。聴いていて楽しかったので、ライブでやるのが楽しみです。
YUKI:曲のおもしろさが引き立っているなと思っていて。足すことは簡単にできるけれど、曲としてのまとまりをしっかり出しながら足し引きをやるのは、めちゃめちゃ難しいことで。なのに、流れに何の違和感もなく入ってくるのは、同じ作り手としてすごいなと思いました。
できたものに僕がラップを入れるわけですが、今までの中で一番難しかったし、いい勉強になりました。
YOU-TA:レコーディングではKAƵUKIとSHINのディレクションをして、僕のところはディレクターさんにお願いすることが多いんですけど、この曲は僕が歌う時はLINにディレクションしてもらって、僕が出しにくい表現をうまく引き出してもらえました。
僕は結構重ために歌いますが、この曲ではトラックになじむような声の出し方をしないといけないので難しくて。
例えば「うねる水面 跳ねて」のところは帆っぽく歌ったり、細かい調整を一緒にできたのが楽しかったし、Dメロで僕が一人で歌っているエモーショナルなパートも、ちょっと後ろにもたす感じでフェイクっぽいグルーヴを出したりとか。
「Mirage」と同じようにレコーディング中にクリエイティブな作業ができて楽しかったです。
──皆さん、ボーカルの技術をかなり駆使して歌われたとのことですが、まさに今だからこそ歌えた曲なんですね。
YOU-TA:その例えがピッタリかもしれません。今までいろいろな曲や表現に挑戦してきたからこそ、この曲を歌いこなせたのかなと思います。
──このアルバムの収録を改めて聴いてみると、すごく幅が広いですよね。すごくアグレッシブな「SIN」(『盾の勇者の成り上がり Season 3』OP曲)とさわやかで優しい「ふたつのことば」(『ただいま、おかえり』OP曲) が同じアルバムに入っているんですよ!
YOU-TA:1stや2ndと比べてみても全然幅が違いますし、13曲中8曲がタイアップ曲というのも数年前には想像もできなかったので、そういうアルバムが作れて、とても嬉しいです。
「VLOG for ‘Anime Messe’ in Germany」ではYOU-TAさんが撮影したメンバーの素顔が!?
──Type-AのDVDに収録される「VLOG for ‘Anime Messe’ in Germany」の内容についてご紹介お願いします。
YOU-TA:公式YouTubeに僕が撮影したVLOG(VIDEO BLOG)をちょこちょこアップしていますが、DVDに収録するのは初めてです。
今回は7月に開催された『Anime Messe Babelsberg 2024』 に行った時の様子を収録しています。僕らってあまりスキがなく見えると思うんです。
LIN:自分で言う?
YOU-TA:曲もカッコいいし、パフォーマンスもバチバチでやるので、人間らしい部分が見られるところがあまりないのかなと。
だからこそ僕らの裏側、楽屋感を見ていただけるのがVLOGだと思っていて。MADKIDを最近知ったけど、どんな人たちなんだろう? という方にぜひ見てほしいです。
──実は私も初めて取材で皆さんとお会いした時、正直怖かったです。
一同:(爆笑)
YOU-TA:トゲはだいぶなくなってきたかもしれませんね。
10周年ライブは歴史をたどれるような内容に
──11月17日に「MADKID 10th ANNIVERSARY LIVE -DROPOUT HEROES-」が行われますがどんなライブになるのでしょうか?
KAƵUKI:昼と夜の2公演ありますが、まったくセットリストも違っていて、10周年を記念するライブなので、僕らの歴史をたどれるような内容になっています。
2公演共、見ていただければMADKIDのすべてがわかっていただけると思います。今準備中ですが、曲数がとんでもないことになって……1日体力が持つのか今から心配です(笑)。
僕たちが今できる最大限と集大成をこの1日ですべてお見せしますのでチケットを持っている方は期待して、どうしても来られない方は配信で見届けてください。
──素朴な疑問ですが、MADKIDは1日でライブ2ステージというのは大丈夫なんですか?
YUKI:大丈夫じゃないです(笑)。
KAƵUKI:最近は当たり前にやっていますが、今思うととんでもないことですよね。
──ダンスなどパフォーマンスはほぼ全曲激しいし、お客さんもすごいノリなので、演者もお客さんも体力がいりますね(笑)。
SHI:でも今回は10周年記念なのでどうしても見てほしくて。
昼の部は僕らの10年をたどっていく内容で、夜の部はアルバム『DROPOUT』を中心に、MADKIDらしい攻め攻めなセットリストになっているので、見応えもあるし、どちらも見てほしいです。
LIN:ライブをやる時はいつも、「これくらいまでなら大丈夫」と置きにいったり、セーフティにいったことはまったくないので、今回も挑戦します。
ライブを見て、すべての方に満足していただいた上で、これからのMADKIDへの期待感がより膨らむような1日にできると思います。
KAƵUKI:客席の皆さんが盛り上がったり、踊っている姿を見たら、僕らも更にテンションが上がります。好きなスタイルで楽しんでいただければ嬉しいです。
──また、11月23日に行われる「ANIMAX MUSIX 2024 FALL」への出演も発表されました。
YOU-TA:2年連続の出演になります。また今回は15周年記念というメモリアル公演に呼んでいただけたこともすごく嬉しくて。シーンの中で確実に僕たちが認知されていったり、僕らのパフォーマンスを待ってくれる方がいることを感じる機会が増えました。
今回もバチバチのパフォーマンスでいくと思います。
──以前「ANIMAX MUSIX」への出演をかけた登竜門的なイベント「ANIMAX MUSIX NEXTAGE」(2020年)に挑むも勝ち上がれなかったというお話をされましたが、そんなMADKIDが昨年出演されて、今回の15周年のアニバーサリーのステージにも上がるというのはエモいものがありますね。
YOU-TA:敗戦した時はすごく悔しくて。そこから「ANIMAX MUSIX」に出演できたのも成り上がりですし、「アニサマ」もけやき広場前でパフォーマンスしたのが始まりで(2019年)、さいたまスーパーアリーナのステージに立てたのも成り上がりだと思うし、着実に積み重ねられていることをすごく感じます。
今回の『ANIMAX MUSIX』のステージは、もう新参者ではないので、今までのパフォーマンスとも違うし、お客さんに届けるものも変えていかないといけないと思っています。
初めてMADKIDの生パフォーマンスに触れる方には予想以上のものを、ファンの方には想像以上のものをお届けできるように頑張ります。