“愛”を経て結ばれた“キズナ”こそがRoseliaの「礎」――15th Single「礎の花冠」ロングインタビュー|湊友希那役・相羽あいなさん×今井リサ役・中島由貴さん×白金燐子役・志崎樺音さんが語る重圧と「挑戦」
「これからもRoseliaは5人」「すべてを賭ける覚悟で行く」
――ツアーで高まった熱をそのままに、この度リリースされる15th Single『礎の花冠』ですが、デモを初めて聴いた際の印象についてお聞かせください。
相羽:完成したものを聴いたら、きっと泣かされてしまうんだろうな、と。
中島:感動的でしたね……。
志崎:リサさんと友希那さんが抱く互いを想う気持ちが、多幸感のようなニュアンスで表れている曲で、美しいな、と。「演奏したい!」と思いました。
相羽:とにかく綺麗なんですよね。実際に完成した音源を聴いたとき、泣いてしまいました。
曲の最初はリサと友希那で歌っているのですが、ラストで3人(氷川紗夜・宇田川あこ・白金燐子)が入って合唱になるんです。デモや歌詞カードなどでわかってはいたのですが、いざ完成したみんなの歌を聴いたときに「すごい……!」と思って。
5人の歌声の力強さを改めて感じましたし、「これからもRoseliaは5人」「すべてを賭ける覚悟で行く」という意思を感じて、格好良さとエモさに鳥肌が立ちました。5人歌唱になるまでの譜割りも大好きです。
志崎:途中でテンポに変化があるなど、色々な表情がある曲なので、みなさんにも早く聴いてほしいです!
相羽:素敵な曲だけど、演奏するのも難しそうだよね。
中島:拍子も変わるし、大変だと思う。イントロもあんな感じ(※四拍子と三拍子で展開される)で……困るなぁって(笑)。
相羽:(楽器組は)まず、演奏パートを聴いちゃうよね。
中島:新曲をいただく度に、歌詞やメロディよりベースパートが気になってしまいますね。複雑なフレーズが聴こえたりすると「!?」ってなっちゃう(笑)。
志崎:変拍子もたくさん組み込まれているし、表情の付け方とかを考えますね。
時には、ドラムは四分の四のビートを刻んでいるけれど、ピアノは八分の六で取った(感じた)方が良い場合もあって。バンドとして演奏することを想定して練習……は、まだしてないんですけど……(笑)。
一同:(笑)
中島:まずはレコーディングから行いますから! 歌はすでにバッチリですよ!(笑)
――より、フルを聴けるその時が楽しみになってきました!(笑) とはいえ、ライブで演奏されている光景も不思議と思い浮かぶ曲ですよね。
志崎:たしかに、そうですよね。
相羽:レコーディングの最中にも、まさにそのことを考えていました。ライブだったらこうやって歌おうかな、とか。曲中に手拍子なども入っていますし、イメージが浮かびやすい曲ですね。
――中島さん、志崎さんのレコーディングはいかがでしたか?
中島:恐らくなのですが、レコーディングのトップバッターが私だったんです。レコーディングの前に、スタッフさんに「(キーは)高くないですか?」と聞かれて。「高いです!」とは答えたのですが(笑)、個人的には、このキーから変えない方が良いという思いもありました。なので、聞き苦しさがないのであればこのキーで歌いたい、とお伝えして。
『R』のレコーディングがまさにそうだったのですが、リサは「もうちょっとギャルっぽく歌ってください」というディレクションが多いんです。「ギャルっぽく……?」と思いながら(笑)、ギャルっぽさを試行錯誤して歌っていたのですが、今回はストレートに歌わせていただきました。リサらしさはありつつも、心にある想いを出していくイメージです。
――本楽曲には「感謝」「祈り」というキーワードもありますね。
中島:ガルパ内で直前まで展開されていたストーリーが、リサにとっては重めだったので「どうなるんだろう……」と。ただ『礎の花冠』の歌詞を読むと前向きな内容で、その中に「感謝」「祈り」といったワードもあって。リサが作詞した楽曲でもあるので、それらのキーワードを意識して歌いました。これはもう、愛です。
相羽:リサがRoseliaに宛てたラブレターみたいな感じですかね?
中島:例えば『約束』は、「友希那に宛てている」というイメージだったのですが、この楽曲は「Roseliaに宛てている」という気持ちが強く出ているかなと思います。このニュアンスも含めて聴いてほしいですね。
――「リサがRoseliaに宛てたラブレター」は、胸がアツくなりますね。相羽さんはいかがでしたか?
相羽:今までの楽曲に比べると音域も高いわけではないのですが、クライマックスに恐らく“最高音”がやってきます。ボーカルの観点からすると、そこが注目ポイントのひとつになるかなと思います。
中島:完パケ(※完全パッケージ:すべての編集が済んでいる完成品)を聴いて、音の高さにビックリしました。
相羽:(笑)。レコーディング中に様々な音域を試したのですが、完パケのものがしっくりきたんです。とんでもない“最高音”になっているかなと思います。
あとこの楽曲は、ぜひカラオケで歌ってほしいですね!
中島:ひとりで?
相羽:違う……(笑)。ひとりでも楽しめるとは思うけど!(笑) Roseliaが好きな人同士で歌ったら、より楽しいと思います。ここまでツインボーカルが強調される曲も珍しいので。
――友希那とリサの譜割りも、絶妙だなと感じました。
相羽:そうなんです! 今後も複数人のボーカル楽曲が増えてほしいなぁ、と思いますね。例えば「燐子が作った曲」とか、「燐子の姿を見て友希那が書いた曲」とか。ストーリーとあわせて楽しめるような楽曲になると思います。
あと、コーラス部分の手拍子が好きなんです! ここもカラオケで歌ったら楽しいんじゃないかなぁ。
――ちなみにカラオケで『礎の花冠』を歌うときのコツなどはありますか?
相羽:「感謝」を込めること、でしょうか。他の曲のレコーディングの際にも、「どのくらい優しく歌えば良いのか」という温度感の調整にこだわっています。ストーリーにあわせて、友希那の優しさをどの程度まで押し出すのか、どのような強さを出すのか……。
――今回は、どのような温度感を意識されたのですか?
相羽:基本的には優しく、さらにサビでは優しさに加えて力強さも感じられるように歌っています。なのでカラオケでも、サビの強さを意識しつつ、優しさを込めることが大事だと思います!
――ちなみに相羽さんは、先ほど中島さんがおっしゃられていたような「ギャルっぽく」のようなディレクションを受けるときはあるのですか?
相羽:昔は「もっと声のトーンを暗く、低く」というディレクションがありましたね。今は「温かさのレベル」が多いかな。「この歌い方は優しすぎます」「今度はちょっと怖すぎて、リサがびっくりしちゃうかも」などですかね(笑)。
中島:「リサがビックリしちゃう」音源、聴きたい!(笑)