同じオタクの言葉を信じて楽しんでほしい。芸人と声優がリスペクトし合い、win・winのアドリブ合戦を繰り広げる『朗読劇ボイコメ~声優×吉本新喜劇~』岡田直子さんインタビュー
人気声優と吉本新喜劇がコラボする『朗読劇ボイコメvol.3~声優×吉本新喜劇~』が2024年12月14日(土)、15日(日)に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて開催!
脚本・川畑泰史さん、演出・片岡百萬両さんが吉本新喜劇の世界観を詰め込んだ『朗読劇ボイコメ』。吉本のお笑い芸人のボケやムチャ振りに、声優も突っ込んだり、ムチャ振り返しするなど、予想外のことが起きる爆笑ステージが大好評! そして朗読劇の後のトークショーでは吉本新喜劇いちのアニメ・声優オタクの岡田直子さんのファン心ダダもれの様子に多くのお客さんが共感!
そんな楽しい『朗読劇ボイコメ』も今回で3回目を迎えました。出演するのは笠間淳さん、斎賀みつきさん、高塚智人さん、石谷春貴さん、大原さやかさん、梶原岳人さんという豪華声優陣に、吉本新喜劇の川畑泰史さん、今別府直之さん、森田まりこさんの名コメディ陣でお送りします。
トークショーのMCを務めるのは吉本新喜劇のガチオタク、岡田直子さんと、FM大阪で『おふらじEX!』や『マリーのヲたく』などのパーソナリティーを担当されている淡路祐介さんです。
今回、『朗読劇ボイコメvol.3』の公演を控えた岡田直子さんに『朗読劇ボイコメ』の魅力やおもしろさに加え、岡田さんが企画・出演する山寺宏一さん率いる声優事務所、アクロスエンタテインメントと吉本新喜劇のコラボ公演『とある神様に異世界転送させられた新喜劇座員が、オタク知識(スキル)を振りかざし無双するみたいです。』のご紹介もしていただきました。さらに、止まらない岡田さんのオタク愛も感じてください。
岡田さんは『朗読劇ボイコメ』に重要なブレイン!? 出演すると限界オタクぶりが大好評!
――『朗読劇ボイコメ』は2024年2月10日、11日に開催されて、早くも今回で3回目になります。初めて『朗読劇ボイコメ』が開催されると知った時の感想を教えてください。
岡田直子さん(以下、岡田):この企画が立ち上がった時は、私はまだ知らなくて。川畑兄さん(脚本の川畑泰史さん)にこの企画の話が届いた時、私がアニメや声優が大好きということを知っていたので、LINEで「こんなことすんねん」と知らせてくれて、「何それ? その夢みたいな企画は!?」とビックリしました。「このメンバーが来はんねんけど、岡田知ってる?」と尋ねてきたので、「全員知ってるわ!」って。
そうしたら「情報くれへん?」と頼まれたので、私が知っている出演する声優さん全員のありとあらゆる情報を送りました。各声優さんの出演作やキャラクターからしゃべり方、人柄みたいなところまで。川畑兄さんは「なるほど! それで配役考えるわ」とおっしゃって。
1回目の時は「私も観に行っていいですか?」とお願いしたらOKをいただいて。そして当日、見学をさせてもらった後、「一緒にあいさつに行こうか」と言ってくださって。実際に楽屋で声優の皆さんにお会いしたら、「はあ♡」とうっとりしたり、「ひゃ~!」と奇声を挙げたりして(笑)。
――1回目に声優さんの情報提供をした時、「私も出たいな」と思わなかったんですか?
岡田:そんな!? めっそうもないです! 出演する吉本新喜劇のメンバーも(池乃)めだか師匠やすっちーさん、(島田)珠代姉さん、(松浦)真也兄さんなどそうそうたる方々だったので、私ごときが入れるわけがないと。
出演する声優さんも、もちろんすごい方たちで、特に2日目に出演された鳥海浩輔さんは私の世代にドンピシャで好きすぎて。参加されると知った時、「鳥海さんが来るんですか!?」と、どうにかなってしまいそうになるくらい動揺してしまいました。
――でも程なくして2回目が開催されることになった時には岡田さんも出演されることになって。
岡田:出演のお話をいただいて、「いいんですか!?」と。新喜劇メンバーは(山田)花子姉さんもいらっしゃるし、嬉しい反面、「仕事としてちゃんとできるのだろうか?」という心配も芽生えてきたけど、「仕事だから!」と自分に言い聞かせました(笑)。もちろんこの時も出演する声優さんの情報提供もしてます。
私が出演したのは初日(8月17日)で、朗読劇でもいい役をいただいて。仕事をしている時はオタク心を抑え込めましたが、朗読劇が終わった後のトークコーナーでは限界オタクっぷりが露呈してしまって。ところがその時の私がどうやらお客さんからの評判が良かったみたいで。
そして17日の公演が終わった後に出待ちの方たちがいて、「誰を待っているのかな?」と思いながら通り過ぎようとしたら「岡田さ~ん!」と駆け寄ってきて、「えっ!? 私?」と予想外のことに驚いて。「私の気持ちを代弁してくれてありがとうございました」「岡田さんの限界オタクっぷりがすごかった」と言っていただいて。私はただ楽しんでいただけなのに(笑)。でも「お笑い界とアニメ・声優界の橋渡しができて良かった」と思って嬉しかったです。
そして川端兄さんから「翌日(18日公演)のトークコーナーだけ出て!」と言われて、「え~っ⁉」と二度ビックリしました。
『ボイコメ』でわかる「お笑い」と「声優」の相性の良さといい関係性
――『朗読劇ボイコメ』は、1部が吉本朗読劇をベースにした朗読劇になっていますが、2回目の公演前の川畑さんのコメントに「新喜劇メンバーにとって『ボイコメ』開催が嬉しいのは何よりも朗読劇と言うことで、台本を覚えなくても良いところ! そして、前日稽古のみという、 日本一稽古量の少ない新喜劇よりさらに少ない、当日稽古だけと言う有り難さ~!(笑)」とありましたが……。
岡田:新喜劇の劇団員はみんな、稽古が嫌いやから(笑)。基本的には2日前くらいに台本をもらって、前日に3時間稽古をして、そのまま翌日に本番という流れで。「朗読劇は台本を読めるし、稽古せんでええな」と。でも川畑兄さんは小野坂(昌也)さんにめちゃめちゃイジられてましたけど。やっぱり青二プロダクションさんはしっかりしているなと。
――えっ!? どういうことですか?
岡田:2日目に川畑兄さんがめちゃめちゃヘマをしまくって。1日目の台本を間違えて持ってきちゃってあたふたしながらも舞台袖から台本を投げてもらって。その状況を小野坂さんは一部始終、見ていたので、イジりまくって。「川畑兄さんがめちゃめちゃイジられてる!? しかも声優さんに!」と。それがとてもおもしろかったのと同時に「いいな。私も小野坂さんにイジられたい」とうらやましく思っていました(笑)。
――お笑いの方以外で、吉本新喜劇のノリについていって、アドリブを返すことは難しいと思いますが、今の声優のみなさんはイベントやラジオに出演したり、お笑い芸人の方とトークする機会も多いので、柔軟に対応できそうですね。
岡田:共演させていただいた時、すごいと思いました。舞台慣れしているというか。ムチャぶりやアドリブもすぐに返してくれて、しかもおもしろくて。ベテランの小野坂さんや置鮎(龍太郎)さんだけじゃなく、小林(親弘)さんや浦(和希)さん、戸松(遥)さんも慣れていらして。1日2公演でしたが、1回目は台本通りにちゃんとやったけど、2回目にはめちゃめちゃアドリブを入れてきたので、ビックリしました。飲み込みが早いというか対応力がすごいというか。
――そう考えると「お笑い」と「声優」は相性が良さそうですね。
岡田:川畑兄さんは、新喜劇でもそうですが、すごく台本を作る能力が高くて、尊敬しています。『ボイコメ』用の台本も声優さんが演じられることを前提に考えられていながらも、映像を使ったり、朗読劇ならではの演出も盛り込まれていて。もちろん朗読劇といえど新喜劇なので、動きも付けてみたりと、声優さんも新喜劇も、双方が活きる台本になっているので、たぶん声優さんもアドリブを入れやすいのかなと。新喜劇のメンバーも「ここまでやっていいんや!」とラインもわかるし。
でもどの公演も1回目はみんな手探り状態ですが、台本通りにやってもすごくウケるんですよね。そして2回目はお互いにアドリブを入れ合ったり、楽しみながらやられて。朗読劇なのに珠代姉さんはめちゃめちゃ動いていたし、白石(涼子)さんも珠代姉さんくらい動いていたのがおもしろかったです(笑)。
――声優が出演するイベントでは、朗読劇と言いながらも動いてお芝居される方もいますからね。
岡田:そうですね。台本を持ってはいるけど動きながらお芝居される方もいますが、その激しいバージョンと思っていただければ(笑)。
――『ボイコメ』のリハーサルはどんな流れなんですか?
岡田:公演当日に全員で本読みをして、その後に舞台で立ち稽古をして本番です。
――それで本番でドカンとウケるなんて、吉本新喜劇の皆さんも声優陣もすごいですね。
岡田:ビックリするくらいウケました(笑)。何かトチったとしても川畑兄さんが拾ってくれるし、芸人サイドは信頼できる人たちなので。声優さんたちもこちら側に歩み寄ってくれて、ネタに重ねたり、ノッてくれるし、私たちも声優さんのアドリブに合わせたりして。どちらも広く言えば演者同士ということでリスペクトし合えていて、いい関係性でやれているのもいいですね。