『必殺の転校生』『逆境ナイン』『燃えよペン』『アオイホノオ』『アニメ店長』などの直筆原稿から、熱い血潮と魂を感じろっ!! 特別企画展「島本和彦 炎の原画展 Ver.3 トキワ荘編」記者発表&原画展フォトレポート
炎の漫画家・島本和彦先生の画業40周年突破記念、特別企画展「島本和彦 炎の原画展 Ver.3 トキワ荘編」が、2024年12月7日(土)より開催中。
2023年4月に有楽町マルイ、2024年6月に宝塚市立手塚治虫記念館で巡回開催された本原画展。満を持して行われる「Ver.3」の舞台に選ばれたのは、マンガの巨匠が集い、若き青春の日々を過ごした伝説のアパート「トキワ荘」をモデルに開館された「豊島区立トキワ荘マンガミュージアム」である。
『必殺の転校生』『逆境ナイン』『燃えよペン』『アオイホノオ』など、代表作の直筆原稿をはじめ、石ノ森章太郎氏原作の『スカルマン』、手塚治虫氏原作の『マグマ大使』の原画も展示されている。また、島本先生が生み出したアニメイトのCMキャラクター『アニメ店長』も大きな存在感を放った。
本稿では、熱く燃えたぎる炎のような本原画展の様子をフォトレポートとしてご紹介。さらに、同日に開催された記者発表会の模様もお届けする。
島本先生の直筆原稿から伝わってくる熱とパワーを感じ、ぜひ現地に足を運んでほしい。
島本先生もビデオメッセージで参戦! 記者発表レポート
本原画展一般公開前日に行われた記者発表会では、高際みゆき豊島区長と、島本先生の担当編集を9年務める石田真悟氏が出席した。
「こんなにたくさんの原画が所狭しと並んで、みなさんにご覧いただける企画展は(トキワ荘マンガミュージアムでは)はじめてのこと。乞うご期待でございます」と語るのは高際区長。「『炎の原画展』の名の通り、入った瞬間から“炎”を感じる、迫力あふれる展示となっています」と、本原画展の印象を続けた。
さらに高際区長は、豊島区池袋に本店を構えるアニメイトのCMキャラクター「アニメ店長」についても触れ、「(島本先生が手掛けたアニメ店長)を知らない人はいないのではないか」「原画を見たあとは、ぜひアニメイト池袋本店で買い物を」と魅力を熱く語った。
高際区長による挨拶の次は、島本和彦先生によるビデオメッセージ。その中で島本先生は、「トキワ荘といえば、漫画家のあこがれ」「“炎の漫画家”・島本和彦の原画をトキワ荘に飾っていただけるなんて非常にありがたい!」「想像もしていなかったこと」と喜びを全身で表現した。
また、島本先生ご自身が豊島区に住んでいた経験があること、アニメ店長とアニメイトとの思い出などが明かされ、豊島区と島本先生の深い縁が示されるビデオメッセージとなった。
炎の漫画家・島本和彦のカワイイ一面……「先生は甘いものが好き」!?
質疑応答では高際区長、島本先生の編集担当石田氏が、記者からの質問に答えた。
「豊島区とも縁が深い島本先生の原画展が、トキワ荘マンガミュージアムで開催されることへの気持ち」について質問された高際区長は、「トキワ荘は、若い漫画家が魂をぶつけ合いながら様々な作品を生み出した場所」とした上で、「(島本先生の)熱血ぶりが、トキワ荘と合っている」とコメント。
さらに「今の豊島区はアニメイトなくして語れず」「そのアニメイトのCMキャラクターである『アニメ店長』を生み出したのは島本先生であることが嬉しいし、インパクトも感じます」「島本先生を通じて、豊島区の回遊性が高まることを期待しています」と、区政の展望も交えつつ語った。
次に担当編集石田氏へ、「島本先生の人となり・印象」についての質問が。石田氏は「(島本先生は)エネルギッシュで、常に挑戦を続けている作家」「そのエネルギーが最も発散されている生原稿を、ぜひ見ていただきたい」と、島本先生の飽くなき漫画への探究心を詳らかにした。
そして「(島本先生の)挑戦は今も続いている」とした上で、「この前、(島本先生が)週刊少年サンデーに持ち込みをされまして……」「還暦を超えた漫画家が持ち込みをするのは前代未聞のこと」。そして、「そんな生き様自体が誰かの手本になっている」「漫画家としても、そして人間としてもリスペクトしています」と、島本先生へ敬意を称した。
今度は、高際区長から「9年という長い期間において、島本先生を担当できている理由」について尋ねられた石田氏。
「担当している『アオイホノオ』が80年代を舞台としており、僕が86年生まれで親和性が高い」「島本先生がお出しになる提案を受け止め、各所への許可取りに走っている」ことを挙げ、「僕が担当させていただくようになった15巻以降の奥付を見ていただくとおわかりになると思いますが、漫画作品やアニメーションからの引用の量が増えたと思います」「各所への交渉等に関して、信頼関係が生まれているのかなと」と、長きにわたる担当編集生活の理由を明かした。
さらに、普段から島本先生と一緒にお茶をすることもあるという石田氏。「先生は甘いものが好きで、僕も好きなんです」「お互いにお菓子をオススメし合ったり、バレンタインデーやホワイトデーには催事を回ったりしています」と、公私を二人三脚で歩む日常の様子が語られた。
続いて「担当編集として感じる、炎の漫画家・島本和彦先生の進化と変化」を尋ねた高際区長。石田氏は「(進化しているのは)絵です。今なお作画への努力を欠かしません」と答えた。
常に最新のエンタメを取り入れていると続けた石田氏は、「毎年、夏と冬にコミックマーケットで同人誌を出していて、様々なものを試す。そして良いものは自分の原稿に取り入れている」「その貪欲さや観察能力、再現能力の高さが卓越していると思っています」と、島本先生が超一流である所以をコメント。
「一方、変わっていくのはメンタル」と、続けて先生の変化にも触れる。「実力があるにもかかわらず、常に『俺はこんなものでいいのか』という気持ちも抱えている」「漫画家でありながら、漫画の中で生きる登場人物のような人」と島本先生を表した。
質疑応答の最後には、高際区長がアニメイトの担当者へ、本企画展に対してコメントを求める場面も。
アニメイトの小山幸男は、「本企画展の開催にご協力させていただきましたこと、誠にありがとうございます。アニメイト池袋本店でも、2024年12月7日(土)より、島本先生の原稿などを展示させていただきます」とコメント。
続けて「現在、第一興商様の『LIVE DAM Ai』にて楽曲『アニメ店長』を選曲すると、プロモーションアニメ「アニメ店長 激情版」(制作:ufotable)のカラオケ映像編集版とともに楽しめます。こちらも、あわせてお楽しみいただければと思います。今後もみなさまにお楽しみいただける様々な催しを準備しておりますので、引き続きよろしくお願いいたします」と挨拶した。
さらに、全国の LIVE DAM Ai導入店で「アニメ店長」主題歌を歌うと、
— 株式会社アニメイト (@animateinfo) December 6, 2024
2010年にufotableが手がけたアニメーション映像とともにカラオケを楽しめます。
応援企画とご一緒に魂を込めてお楽しみください。#島本和彦 pic.twitter.com/TSXMQyASjn
質疑応答が終わると、そのままフォトセッションが開かれた。高際区長の声掛けのもと、担当編集石田氏、アニメイト関係者が集結。熱さあふれるガッツポーズで撮影が行われ、記者発表は幕を閉じた。