「とにかくおもしろいので、1話を絶対見てください!」アニメ『不遇職【鑑定士】が実は最強だった』アイン役・戸谷菊之介さん、ユーリ役・遠野ひかるさん、ウルスラ役・鈴代紗弓さんインタビュー
原作小説&コミックでも人気を博している『不遇職【鑑定士】が実は最強だった』(原作:茨木野さん、漫画:藤モロホシさん、キャラクター原案:ひたきゆうさん)がアニメ化し、2025年1月9日(木)から放送開始!
最弱職としてさげすまれてきた鑑定士のアイン。パーティの仲間の裏切りによって命を落としそうになるも、世界樹の精霊のユーリと母親代わりの最強賢者のウルスラと出会い、ひょんなことから一緒に旅をすることに。アインはウルスラに鍛えられつつ、自分では役立たないと思っていたスキルの意外な能力に気付き……?
そんな注目アニメの『不遇職【鑑定士】が実は最強だった』の放送を記念して、アイン役を演じる戸谷菊之介さん、ユーリ役の遠野ひかるさん、ウルスラ役の鈴代紗弓さんの座談会をお届けします!
本作にまつわるエピソードはもちろん、まじめなお話からキャスト陣の仲の良さが伺える収録現場でのお話まで、ボリューミーな座談会をお楽しみください。
アインが無双していく爽快感が楽しい作品
──原作小説やコミックを読んだり、演じてみて感じた作品の印象や魅力を感じた点をお聞かせください。
アイン役 戸谷菊之介さん(以下、戸谷):アインがずっと不遇な目に遭ってきた様子を見て感情移入してしまったので、そこからのし上がっていく姿は痛快で、楽しかったです。
またアインには人間的な魅力があって、不遇だったからこその優しさや謙虚さがあるからいろいろな人が惹かれるんだろうなと感じました。
ユーリ役 遠野ひかるさん(以下、遠野):強い力を持っているわけではない鑑定士が無双していく爽快感を感じましたし、アニメになった時にどう描かれるのかなと楽しみになったので、ユーリ役で出演が決まって嬉しかったです。
コミックでもキャラクターたちの表情が豊かでしたが、アニメでは演じるキャストさんの、キャラの個性を爆発させる素晴らしいお芝居にもご注目いただきたいと思います。
ウルスラ役 鈴代紗弓さん(以下、鈴代):タイトルから「不遇な鑑定士が無双していくお話なんだろうな」と思って原作を読み始めました。鑑定士は一見、サポート役っぽく見えるけど、本当は最強なんだなとタイトルのまま読み進められたのが新しい感覚でおもしろいなと思いました。
また私が演じるウルスラは、ユーリのお母さん的なポジションですが、お母さんというと、どちらかといえば主人公のバックボーンを描く時に登場することが多いイメージだったので、
メインキャラに入っているのも珍しいなと。
斬新な点も多くありつつ、コメディはコメディでテンポよく進んでいきますが、アインがどんなに苦しい過去を過ごしてきたのかなど、シリアスな部分はしっかりシビアに描かれていて。緊張と緩和が並行しているような、良いバランスで進んでいく作品だなと思いました。
──苦しい過去を乗り越えたアインは、より魅力的な存在になりましたよね。
遠野:ユーリのお願いを「よし行こう!」と即答してくれたアインも素敵です。
戸谷:でもアインはユーリに命を助けられていますからね。その恩を返したいという想いもあるんだろうし。途方もない旅に思えるけれど、ジャスパーを境に着実に近づいていく感じもいいんですよね。
鑑定スキルが上がったからこそ、できる立ち回りもあって。それほど困難な目標ではないかもしれません。
鈴代:アインが積み重ねて来た実力があれば、簡単なことかもね?
遠野:最強だからね!
戸谷:いや、そんな……。アインの周りに集まってくる人たちがすごいことも大きいと思います。
鈴代:それもアインの人柄の良さゆえだよね。
遠野:アインはみんなからいろいろなものを受け取っていくことで、強くなっていくんですよね。みんなの「信じられるアインに託したい」という想いもあって。
──登場した時のアインは、人に蔑まれるし、自虐的だし、どん底状態で。
戸谷:パーティのメンバーに、危険だからこのダンジョンには近づかないほうがいいと進言したのに、押し切られて入ったら見捨てられて。自分が頑張らなかった結果だと後悔しながら死を迎えたところで……。
ウルスラと出会ってからは一転、コメディに振り切るし、アインは想像以上に感情の幅が広いな、と演じていて思いました。
ユーリは健気でピュア。照れ屋なところは遠野さんも同じ!?
──遠野さんが感じるユーリの印象を教えてください。
遠野:ユーリは、もう世界に残存していないと思われていた世界樹の精霊で、偶然やってきた旅人や冒険者の傷を癒したり、助けてきた、とても優しい女の子です。
アインのそばにいる時も、自分を犠牲にしてでも何とかしてあげたいと思っているような健気な子で。
だから演じている時も彼女の純粋な素直さが伝わるようにと思うけれど、意識しすぎるとわざとらしくなってしまうので、私自身もまっさらな気持ちで、言葉の意味をそのまま伝えるようにしようと思って演じています。
戸谷:伝わってます!
鈴代:うん!
遠野:やった~! よかった。最初はウルスラと2人きりだったけれど、アインと旅をするようになってからは色々な人と出会って、ユーリ自身の世界も広がっている気がします。
表情もどんどん豊かになったり、理解する感情も増えていくので楽しいです。ただ登場するユーリの姉妹は結構クセが強いので……。振り回されるのかなと思ったり、何が起きるのかわくわくするところでもあります。
戸谷:そんなユーリもかわいいですよ。
鈴代:うん。かわいい。
──PVでは、会話や反応するたびに耳がピクピク動くのがかわいいですね。
遠野:そうなんですよ! 感情表現や表情のひとつで、嬉しい時にピクピク動いたり、逆にしょぼんと落ち込んだ時は耳もうなだれているようだったり。まるでワンちゃんが嬉しい時にしっぽを振るみたいで、すごく愛らしいですね。
戸谷:感情がわかりやすいですよね。すぐに照れたりして。
遠野:すぐに顔が真っ赤になって沸騰して、「プシューッ」って(笑)。
──そういえば先ほど遠野さんがソロ撮影をしている時、お二人からじっと見られていて、頬が赤くなっていると指摘されていましたね。
鈴代:似ているなと私も思いました。
遠野:え~っ! でもユーリに負けずウルスラさんの顔芸ともいえるような表情変化もすごいよね! 「これ、大丈夫なの?」と心配になるくらい(笑)。
戸谷:アニメでどう表現されるんだろう?って。
遠野:限界まで顔のパーツを動かす、みたいな。
戸谷:(鈴代さんも)それに合わせてお芝居されていますよね。
鈴代:そうですね(笑)。
遠野:聞いていて、とても楽しいです。
鈴代:よかった。私はオーディションでウルスラを演じる時、一番声が見えませんでした。コミックで見るとすごく表情が豊かですし、他の人とユーリに対しての接し方の切り替えも一番差があると思って。
かといえば、お風呂シーンでは美女みたいに描かれていて「美しい」と誰かが言っていたりして。キャラ絵を見た感じと表情と言っているセリフや語尾の処理、年齢もかなり上でお母さんみたいな立ち位置と、属性が渋滞していて(笑)。
どう振ればアンマッチにならないだろうかと悩んだけど、とりあえず振り切ってやってみるしかないなと。
変に作るよりは出たとこ勝負みたいな感じで、オーディションでも表情を大きく動かしてみたら、ウルスラ役に決めていただいて…!「嬉しい!」と思うと同時に「収録ではどうやっていこうかな!?」と思って。
アフレコが始まるまではまだ定まり切っていない感じがしていたので、収録が始まってからウルスラというキャラが段々固まっていった気がします。
ただ彼女の軸として、ユーリが第一というのがベースの中で大きかったので、何をおいてもユーリというところは大切にしています。徐々にユーリとの関係も明らかになっていきますが、ウルスラの中にある温かさが素敵だなと思います。
同時に、アインに対しては「貴様」とか「おぬし」、「お前」など呼び方が定まっていないところでもわかるように、適当に扱っているところもいいなと思いました(笑)。
──ウルスラは最強の賢者なんですよね。
鈴代:そうですね。でもアインのことを段々理解していくと、温かく見守り始めたりして。アインとは師弟関係、ユーリとは母娘みたいな関係で、途中から登場するキャラにはかしこまらないといけなくなるシーンも出てきて。
戸谷:いろいろな振る舞いをするからおもしろいですよね。
鈴代:登場するキャラの中で一番、達観している方だなと。「人」というより「方」というのがふさわしいような。でも「お母さん」と呼ばれる役は初めてだったので、新しい挑戦だなと思った記憶があります。
遠野:お母さん!
鈴代:(笑)。