「とにかくおもしろいので、1話を絶対見てください！」アニメ『不遇職【鑑定士】が実は最強だった』アイン役・戸谷菊之介さん、ユーリ役・遠野ひかるさん、ウルスラ役・鈴代紗弓さんインタビュー

ウルスラの顔芸で魅せる鈴代さんの瞬発力と対応力

──では今度はウルスラと、鈴代さんのお芝居についてのお話を。

鈴代：さあ、どうぞ！（笑）

戸谷：ウルスラのいいところはたくさんあるけれど、一番は「変な顔の時のウルスラおもろすぎ問題」。おもしろすぎて、アフレコでもみんな笑ってます。

遠野：本当に（笑）。

戸谷：そこだけリテイクの時もあるじゃないですか？　あの時も笑いをこらえるのに必死で。

鈴代：ありがたい（笑）。

遠野：ウルスラさんはリアクションが大きいし、表情がずっと動いているから音響監督から「ここ、ウスルラさんだけでください」というシーンが結構多くて。でもそれをのびのびと演じるというか、瞬発力がすごくて。

戸谷：「一瞬でそのテンションまでいけるんだ!?」と。

遠野：ドカンともっていくから、笑いをこらえて聞いています。

──鈴代さんは役者としての瞬発力や対応力がすごいんですね。

遠野：役者としてのスキルの部分でも、純粋にウルスラさんの言葉って難しくて。アニメの決められた尺の中でちゃんと言えるのは本当に素晴らしいなと思って。

おさゆはずっと原作とアフレコの台本を並べてにらめっこしながら、どこをどうすればいいのかをストイックに突き詰めてやっていて。実は難しいことをしているのに、すっと入ってくるのはすごいことなんですと声を大にして言いたいです。

戸谷：毎回、原作と台本を照らし合わせて、名称がちゃんと合っているのかをチェックしていて、たまに台本と違っている時は確認されていますよね。収録に臨む姿勢が本当に素晴らしいです。

鈴代：嬉しい！　確かにウルスラは説明することが多くて。特に序盤は原作に忠実に進んでいますが、ただ尺の中に入りきらなくて取捨選択が必要になった時、ひと文字違うだけで意味合い変わってしまうので、理解するのが難しくて。でもこう言ってくれる仲間たちがいるおかげで頑張れます。

戸谷・遠野：なか～ま！

鈴代：なか～ま！（笑）

アフレコ裏話「しぼり」と「味噌汁」？

──収録は皆さん一緒にされているんですか？

戸谷：ほぼ毎回、全員でやれています。

鈴代：掛け合いでやらせていただいています。

──収録時のおもしろい裏話はありますか？

鈴代：いっぱいあるんじゃない？

遠野：あるかもしれないけど、言うほどでもないというか。

戸谷：確かに本当にくだらないことで。

鈴代：中身ないよね？（笑）　休憩時間みんなで仲良くしゃべっているんですが、色んな表情があるウルスラの顔芸の中でも、特に口から前歯の4本だけで出して、顔全体をしぼませる表情がすごいねという話になって。

「あんな表情、普通じゃできないよね？　試しにやってみようか」ということになって、みんなでやり始めて。「歯は3本じゃなくて4本だけ見せられるかな？」とか調整していくんですけど、そのことを私たちは「3本しぼり」とか「4本しぼり」と呼んでいるんです。

戸谷：本当にくだらないですよね？　でも遠野さんが「しぼる」のがすごくうまくて。一瞬でたどり着けるんです。「2本しぼり」といえば、すぐに歯を2本だけ出せるし、4本だったら4本だけ。

遠野：戸谷さんはしぼろうとすると目がちょっとうつろになって。くちびるに全集中しているから目が虚空を見つめだすという。

（そこから3人で「しぼり」大会が始まる）

遠野：ウルスラさんの正解（原作から）見つけて！

戸谷：ちょっと違うなあ。

鈴代：ニュアンスで言ったらこういう感じで、口の周りの筋肉がもっと下がって、歯が下にぐぐぐって出るような。

遠野：ハムスターやモルモットとかのげっ歯類みたいに前歯だけ出ている感じで。

鈴代：（スマホでウルスラの顔芸の画像を見て）そうそう！　これこれ！　でもよく見るとしぼってはいないね。

一同：（爆笑）。

戸谷：ただ顔がすごいだけ（笑）。

──ちなみに鈴代さんは「しぼり」は上手でしたか？

鈴代：私が一番ヘタでした。

遠野：全部歯が見えちゃうんだよね。ウルスラ役なのにね（笑）。

──でもこの記事が出たら、作品イベントのゲームコーナーで指示が出たり、客席からも「しぼって」うちわが出されるかも？

戸谷：その時は僕だけやります。うまくできるので。

鈴代：ありがとうございます（笑）。

──ちなみに「しぼり」以外で盛り上がったことはありますか？

鈴代：「味噌汁」じゃない？

戸谷：それは鈴代さんだけでしょ。

遠野：「味噌汁」は大事だよ！

鈴代：飲んだことないの？

戸谷：ないよ。

遠野・鈴代：え～っ!?

──すみません。「味噌汁」とは私たちが食事の時に飲むアレのことでしょうか？

遠野：またしてもくだらないかもしれない。収録しているスタジオさんに、お湯を入れたら作れるインスタントのお味噌汁が常備されているゾーンがあって。気付くとおさゆちゃんが飲んでいるんです。

戸谷：サイレントで。

遠野：もはや収録では毎回恒例になっていて、1話につき、1杯はお味噌汁を飲んでいるという光景が見られます。

そのお味噌汁には「しじみ風味」と「わかめ」と書いてあったので、お湯を入れて飲んでみたらしじみが入っているわけではなくて。表記通り本当に風味だけ、「わかめ」も入っていたらラッキー！　くらいの確率で。

鈴代：すごく小さなわかめが1枚。運が良ければ2枚。

遠野：だから「出たらハッピーだね」と運試しにそのお味噌汁を飲むのが恒例になっています。

流行らせたいポーズ？

──そんな楽しそうなアフレコ現場ですが（笑）、実際に映像はご覧になられましたか？

戸谷：まだ完成していなくて、コンテ撮の状態で。PVもさっき見たばかりです。

鈴代：私、まだ見れてない。

遠野：じゃあ、一緒に見よう！

（3人でパソコンで第1弾PVの映像を見る）

鈴代：わっ、きれい。（ユーリの登場シーンに）かわいい。

戸谷：うん。かわいい。

──第1弾PVを見終わったところで、改めて感想をお聞かせください。

戸谷：絵がきれいでしたね。色合いも明るくて。あとユーリがかわいい。

鈴代：かわいいね。耳がピコピコ動いていて。

遠野：アニメで動くユーリが見られると嬉しくなっちゃいますね。あとアインが鑑定する時のエフェクトもすごかった。

鈴代：キャラの瞳もみんなきれいですね。アインが神眼（しんがん）だからかな？

戸谷：それは重要なファクターですから。

──このPVではまだ戦っているシーンがなかったですね。

戸谷：アインもウルスラも攻撃を避けているだけだった（笑）。必殺技がどのように表現されるのかも楽しみです。ファイアボールとか。

鈴代：確かに。ずっとやってるもんね。一人で。

戸谷：一人でって！　あなた（ウルスラ）がさせているんでしょ！

──あと、さっきの撮影で、顔の前で、左右の手で三角形を作って「鑑定！」とやっていた意味もこの映像でわかりました。アインが鑑定する時のポーズだったんですね。

鈴代：ぜひ流行らせたいですね。

戸谷：小学生の間で流行らせたいです。

遠野：なぜ小学生限定？

鈴代：ターゲットは広く、老若男女でいこうよ。

──鈴代さんはウルスラにちなんで、メガネを新調するほど気合が入っていますもんね。

鈴代：今日のメガネは度が入っていないメガネです。

戸谷：そういえばアフレコでもメガネしてますよね。アレも役を意識して？

鈴代：元々視力が悪いんだけどね。いつもはコンタクトしているけれど『不遇職』の時はあえてメガネをかけようかなと思って。形だけなんですけど。

戸谷：さすがですね。

──声優の方は役に入るためにやれることはすべてやるんですね。

鈴代：（どや顔で）そうです！

戸谷：否定しないで受け入れてる（笑）。

遠野：じゃあ私も耳を動かさないと。

戸谷：じゃあ僕もファイアボールを出さないと（笑）。