音楽
倉知玲鳳・紡木吏佐が示す「聴いた人を前向きにさせる」RASらしいパワー【インタビュー】

これからもRASの音楽を聴いてブチ上がっていただければと思います!――12th Single「Bad Kids All Bet」ロングインタビュー|パレオ役・倉知玲鳳さん×チュチュ役・紡木吏佐さんが示す「ブレない」RAISE A SUILENの軸

「恥じらい」がない最高のファンに囲まれて

――そんな5人で駆け抜けた2024年は、どのような一年でしたか?

倉知:アジアツアー(「RAISE A SUILEN ASIA TOUR 2024」)もやらせていただいたので、海外のファンの方との交流が印象深いですね。私たちの音楽が海を越えて伝わって、それを「好き」と思ってくれる人がいることがわかって励みになりましたし、より一層、頑張りたいと思いました。

紡木:アジアでライブをするのは初めてのことで……感動したんです、私。

――感動した?

紡木:はい。私たちは日本で主に活動しているから、海外のファンの方々からしたら遠距離恋愛じゃないですか。生のRASを初めて見る方も多かったと思うのですが、その中でもとてつもない熱量を持ってくれていたし、ストレートに好意を伝えてくれて。「愛してるよ!」「大好き!」と、そのままの言葉で伝えてくれる人が多かったんです。

言葉で好意を伝えてくれるのは日本のファンの方々も同じなのですが、どストレートな言葉が多かったし、しかも初めてのライブでそれを伝えてくれて、応援してくれる。そんな熱量に感動しました。

あと、コスプレをしてくれている方が多かったよね。会場に、パレオが大勢いたんですよ!

倉知:すごく多かった! 会場を見たら、「パレオ、パレオ、鳰原さん、パレオ」みたいな(笑)。

紡木:そうだね、鳰原さんもいたね(笑)。

倉知:姿からも応援の気持ちを伝えてくださって、嬉しかったです。あと、日本でのライブとの違いとしては、歌の本線(ボーカルが歌う主旋律)を一緒に歌ってくださるファンが多かったように思います。大合唱が起きていました。日本とは違う熱のぶつけ方をしてくださって、ちょっとうるっときちゃいました。

――ライブの楽しみ方からも、文化の違いを見ることができるのですね。特に合唱が巻き起こるなんて、嬉しいことですよね。

紡木:嬉しいです! それだけRASの音楽を覚えてくれている、ということですから。

倉知:会場に歌詞が出ているわけでもないのに……!

紡木:言語も違うのに日本語で大合唱が起こるって、素晴らしい!

――そして、6月には「RAISE A SUILEN LIVE 2024『ESSENTIALS』」もありました。

倉知:お客さんの事前投票アンケートでセトリが決まる、という新しい試みを取り入れたライブでした。なので、「お客さんと作ったライブ」「みなさんにも作ってもらったライブ」という感覚が、いつもより大きかったです。

ライブ中にランキング順位と楽曲を発表するのですが、その演出が好きでしたね。初めてRASに触れる方でも楽曲タイトルがわかるし、その状態でライブに参加することができて。

紡木:P(プロデューサー)が天才なんです! あの演出、すごかったよね!

倉知:この「ESSENTIALS」を見ていただければ、楽曲名をわかった上で聴いていただけるので、これからRASを好きになってくださる人への入門としても良いライブだったなと思います。

紡木:ライブ中、「P、やりよる……!」と思って、ずっとモニターを見ていました(笑)。ファンのみなさんも、「自分が投票したあの曲は何位なんだろう?」という視点で見られるし、「この曲が〇〇位なんだ!」「いつもライブで演奏しているあの曲は、ランキング外!?」など、色々な発見があったかと思います。

「今まで、ライブで見ることができなかったこの曲を聴きたい!」という気持ちで投票することもできるし、「あの曲はさすがにランキングに入るだろうから、別の曲に投票しよう」など、様々な考え方ができるランキング自体も、ファン心理を考えるととても面白かったです。

ランキングに入った曲の合間に「この曲はランキングに入っていなかったけれど、聴きたかったでしょ?」という曲も挟んだので、2日目の『HELL! or HELL?』の盛り上がり方はすごかったね!

倉知:尋常じゃなかったね!

紡木:そんなセットリストの構成もお気に入りでしたし、ひとつのライブとして面白かったなと思います。

倉知:ワクワク感の強いライブでした。


――RASのメンバーと一緒にひとつのライブを作るのは、ファンとしても特別な思いがあると思います。ちなみに、先ほど海外のファンのお話がありましたが、一方で日本のRASのファンは、お二人から見ていかがですか?

倉知:純粋に「音楽が好きな人」が多いなと思います。

紡木:たしかに! ライブに来てくださる方は特に、その雰囲気がありますね。

倉知:あとはライブ中に頭を振ってくれたりとか、身体を動かしながら一緒に楽しみたいと思っている方が多いのかなぁ。(紡木さんは)どう思う?

紡木:素直な方々だなぁ、って。「頭振れ!」って言ったら振るし、「拳上げろ!」って言ったら上げるし、「まだまだ声聞こえねぇぞ!」って言ったら「うおー!!」ってなるし……(笑)。

みなさんが心から楽しんでくださっているおかげで、楽しむことに対して恥じらいがないライブが繰り広げられているなと。ライブに来ていても、大声を出すことが恥ずかしいと思ってしまう瞬間もあると思うのですが、「恥じらい」の「は」の字もないから(笑)。最高だなって思っています。

それは、メンバーが全力でパフォーマンスをしているから見られる景色で……RASの5人だからこそできるステージにファンのみなさんが来てくださるからこそできる最高のライブなんだと思っています!(一息で)

一同:(拍手)

紡木:興奮しすぎて、どこで息を吸えばいいのか、わからなくなっちゃったよ。

倉知:息継ぎなしですごいなぁって思ったよ(笑)。熱が伝わりました!

紡木:ありがとう(笑)。RASって最高なんです。

倉知:それでいて、ライブ会場でルールを破ってしまう人がいないんですよね。身体を目一杯動かして応援してくださるけれど、ルールを守って動いてくださっていて。

今、まさに周っているZEPPツアー(RAISE A SUILEN ZEPP TOUR 2024-2025「PANDEMONIUM」)はオールスタンディングなのですが、隣の人のことも気にかけつつ平和に楽しんでくださっているのが嬉しかったですね。とても素敵な方々に応援していただけているな、と、改めて思いました。

紡木:リハーサルの際、私も客席最前列に立ってみたのですが、(ステージが)目と鼻の先なんです。あんな至近距離に玲鳳ちゃんがいたら触りたくなっちゃうと思うのですが、みなさんお利口にルールとモラルを守って参加してくださっていて。

――全力でぶつかり合いつつ、思いやりも欠かさない……最高のファンですね。

紡木:間違いないです。

倉知:ありがたいことです……!

『Bad Kids All Bet』は「RASらしい」「スルメ曲」

――そんなファンも心待ちにしている12th Single「Bad Kids All Bet」がリリースとなります。最初に『Bad Kids All Bet』のデモ音源を聴いた際の印象はいかがでしたか?

倉知:クールなイントロから一気に盛り上がっていく構成は、とてもライブで映えそうだなと! そして歌詞には「Change the world」というフレーズも入っていて、RASらしいなと思いました。

紡木:ライブで楽しめる箇所が色々なところに散りばめられていて、魅力がブレないよね。〈(Na na na na)〉の部分をみんなで歌っている光景も想像できるし、聴けば聴くほど沼っていくような、“スルメ曲”だなと思いました。

今回のライブで初披露したのですが、初めての曲だからお客さんもノリ方がわからなかったと思うんです。それでもすぐにノリ方を統一できる曲で、ライブでも盛り上がることができて。遊び心のある曲だなと思います。

倉知:ノリやすい曲だよね。キーボードとしては、規則的なフレーズを多く弾いている楽曲なんです。自分の心は盛り上がりつつ、リズムは一定に、を意識して演奏しています。

その規則性がノリやすさにもつながっているのかな、とも思いますね。キーボードがずっと八分音符を刻んでいるからこそ、わかりやすく楽しめる楽曲になっている要因だと思います。


――音源、またライブでの演奏を聴いていても、キーボードが重要な役割を担っている場面が多く見られるのですが、倉知さんはどのような魅せ方を心がけて演奏に臨んでいるのですか?

倉知:使用する音色(おんしょく)によっても、意識は変わっていると思います。『Bad Kids All Bet』のようなシンセサイザーの音色が規則的に並ぶ楽曲では、とにかくズレがないように冷静に弾くことを心がけています。

サウンドのバランスとしては、PAスタッフさんに調節いただいて素敵なバランスが保たれているので、私自身が意識することはあまりないのですが、音色づくりでは私とキーボードの先生、マニピュレーターさん、Pと相談して、みんなで調整をしています。

毎回のバンドリハの中で、信頼してやまないスタッフさんと一緒に作り上げているので、私だけでは作り上げられないものですね。

――紡木さんは、『Bad Kids All Bet』に関してライブでの魅せ方にこだわりはありますか?

紡木:定番曲と比べて“新人さん”的立ち位置の楽曲なので、お客さんたちにも迷いがあったと思うんです。なので私自身も、本番中に「どうしようかな……」という焦りが少しだけありました。

メンバーとは前もって、ステージでの動きのすり合わせをしていたので、(お客さんには)目線で訴えながら必死にパフォーマンスをしていました。「3・2・1」で跳ぶときも、「跳ぶよ!」とアドリブで言ったりしたのですが、メインボーカルはRaychellさんなので、いかに被らずに声を上げるかを考えていましたね。

その結果、お客さんも急速に『Bad Kids All Bet』に順応してくださって。最後のサビではちゃんと跳べるし、ペンライトを振っているし……「成長が早い!」と思って感動していました(笑)。

――紡木さんでも、焦ることがあるのですね……!

紡木:ステージでは予想外のことが次々と起こりますからね……。野外のステージではターンテーブルの上に大きめの虫が登ってきちゃったことがあって……これが今までのライブで一番焦ったかな。

手で払おうとしたのですが、その手の動きがBPMと合っていて、みんなを煽っているように見えていたと思います(笑)。結局、ずっとターンテーブルに居座っていたので、虫と一緒にスクラッチしたり……このような物理的なアクシデントもありましたね。玲鳳ちゃんは、ステージで焦ることとかある?

倉知:たくさんある!

紡木:そうなの!? 全然そうは見えないなぁ……リハのときは、3台のキーボードを管理していることもあって、焦っていることが多い印象だけど、一転してライブでは完璧なんですよね。

倉知:いつも焦っているよ……。初期に多かったのは、キーボードの音色を変える前に次の曲が始まっちゃったり。そんなときは「曲中のどこで音色を変えよう?」とタイミングを探りつつ、演奏していましたね。

表情にも焦りが出てしまっている気がするので、そのときは「顔を映さないでくれ……!」と思っています(笑)。

紡木:全然わからなかった!

倉知:キーボードの音色も遠隔操作で変わったらいいなとは思いつつ、そうなってしまったら面白さも減っちゃうか、とも思いつつ……。日々格闘しています。

――トラブルシューティングとパフォーマンスを両立するのも、日々の努力あってこそですね。

倉知:ライブにトラブルは付き物ですからね(笑)。

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