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冬アニメ『メダリスト』春瀬なつみインタビュー【前編】

『メダリスト』春瀬なつみさんインタビュー【前編】|「いのりのスケートへの愛は絶対に失わないようにしました」

鈴木明子さんの演技を間近で見た経験も糧に

――作中のフィギュアスケートの振付を元オリンピック日本代表の鈴木明子さんが担当されています。映像もPVなどでいくつか出ていますが、ご覧になられた感想もお願いします。

春瀬:鈴木さんが振付を担当してくださると伺った時は、思わず「本当ですか!?」と聞き返してしまいました。本当に偉大なスケーターなので、今でも夢みたいだと思っています。

いのりのスケートシーンでは、目線の使い方や首の動かし方に鈴木さんの表現を感じる瞬間が多々あって、「このシーンは鈴木さんのあのプログラムを思い出すなぁ……」みたいなことがあると、ちょっと泣きそうになってしまいました。

鈴木さんはいのり以外のキャラクターの振付も担当しているのですが、その演じ分けも本当に凄いです。例えばいのりならスケートの楽しさに満ちた希望に溢れた演技なのですが、光は曲も演技も力強くて、印象に残るステップが豊富に含まれる。理凰は動きが機敏で軽やかな演技になっていて、スピードや振付の素早さで上手だと感じさせてくれます。

まるで別人が滑っているように見えるくらいなので、スケートシーンだけを集めたメイキング映像が欲しい。やってくれたらいいなぁ……!

――また、大塚さんを加えたお三方で鼎談する動画も公開されていましたね。

春瀬:本当に緊張しました。アフレコ前の不安な時期だったので、そんなタイミングでお会いできて嬉しかったです。私たちはひとりのキャラクターに向けて役作りをしますが、鈴木さんは色々なキャラクターを演じ分ける必要がある。当日はその大変さや、どんな風に取り組んでくださったのかを伺いました。貴重な機会をいただけて感謝しかありません。

……ただ、映像では私のスケートファンな部分が前面に出過ぎていたので、後で公開された映像を見て恥ずかしいといいますか、「あの鈴木明子さんが目の前にいる……!!」みたいな感情がインタビューの時も出てしまっていたので、凄く反省しました(笑)。

――(笑)

春瀬:私自身、鈴木さんの試合を生で拝見したことがあるのですが、その時はやっぱり遠くからで。今回は目の前だったので、鈴木さんの滑りの美しさへの感動で自然と目が潤みました。おかげで同じ作品に関わっている実感を得られたんです。

それで自覚ができたので、スケートをやるとはどういうことなのか、という自問自答に対して、腑に落ちるものがありました。本当に演じる前にお会いできて良かったです。

――アフレコでも鈴木さんの演技が参考になったところがあるんですね。

春瀬:鈴木さんが「このキャラクターの演技にはこういう振付を入れてみたらどうか」みたいにディスカッションをされていたのですが、そこでのお話は参考にしました。

あと、スケートあるあるのお話からは、転び方や演技前の息の整え方も選手の方それぞれにやり方が違うのだろうなと感じられたんです。それがいのりがどうやって演技前に息を整えるのか、深く、広く考えるきっかけになりました。

また、鈴木さんが滑った後に子どもたちが滑る時間があったので、そちらも見学させていただきました。見ていると子どもたちの滑りがとても早く、みんな本気で取り組んでいる熱がひしひしと伝わってきました。

叱られたり注意されたりする姿も見かけましたが、それも自分の中で咀嚼して、転んでもすぐ起き上がって次の技に向かう。いのりもきっとこの中に入っていくんだろうなと感じて、今までファン目線でしか知らなかった“スケートを習う”とはどういうことなのかに気づけたんです。

――なかなかその速さが想像できないのですが、子どもたちの滑りはそんなに凄いんですね。

春瀬:あっと言う間にリンクの端から端まで到達してしまうくらい早いんです。みんなで輪を描いて進んでいくレッスンの時だったと思います。私の目からみると凄く早いのですが、少しでも遅れると「遅い!」という声が飛んでいました。多分私が一緒に滑っていたら、はるか遠くに置いていかれてしまったと思います。

何歩も一生懸命に足を運んでというよりも、スケート靴のブレードを氷の上に一度滑らせただけで進んでいく。氷に体重を乗せて進むことがどういうことなのかを、子どもたちから改めて学ばせてもらいました。

――司は中学からスケートを始めようとして遅いと言われていましたが、そういった話を聞くとこの作品のリアリティがよりいっそう際立ちますよね。

春瀬:あんなに小さな子たちが本気で夜遅くまでやっていたので、第1話でお母さんが言った「この年齢から始めたのでは5歳からやっている子に追いつかない」という言葉も本当なんだろうなと。

それを覆していくいのりの練習量も、これくらいやらないとそんな子たちには追いつけないだろうなっていう絶妙なラインなんですよ。きっと原作のつるまいかだ先生がこだわられた部分なのかなって思います。

――最後に第1話の見どころと視聴者へのメッセージをお願いします。

春瀬:やっぱりスケートシーンへのこだわりは感じてもらえると思います。ブレードの傾きをはじめ、細かい部分までひとつひとつ丁寧に制作されているのが伝わってきます。

演技中のジャンプやスピンのカメラワークについても、その技がより魅力的に映るようカット割りを研究していることがキャラクターたちの演技から見えるはずです。

そんなスケートシーンの臨場感を楽しんでいただけたらと思いますし、いのりがどれだけ成長していくのか、彼女の前にどんなライバルが現れるのかは必見です。ぜひ個性的なライバルたちと、いのりの成長に注目していただけたらと思います。

[取材・文・撮影/胃の上心臓]

TVアニメ『メダリスト』作品情報

ON AIR

2025年1月4日より毎週土曜深夜1時30分~ テレビ朝日系全国24局ネット“NUMAnimation”枠で放送開始!
CSテレ朝チャンネル1:1月5日より毎週日曜夜9時00分~
BS朝日:1月6日より毎週月曜夜11時24分~

STREAMING

ディズニープラス「スター」にて単独最速配信開始!
ディズニープラス「スター」:1月4日より毎週土曜深夜2時00分~
その他サイトも1月9日より毎週木曜深夜2時00分~以降、順次配信予定

『メダリスト』とは?

漫画『メダリスト』は昨年、「次にくるマンガ大賞2022」にてコミックス部門1位の受賞をはじめ、第68回(2022年度)「小学館漫画賞」一般向け部門、さらには漫画のキャラクターを讃える漫画アワード「マガデミ―賞2022」主演女優賞を主人公・結束いのりが受賞する等、著者デビュー作にして数々の賞を受賞している話題作。

イントロダクション

スケーターとして挫折した青年・明浦路司が出会ったのは、フィギュアスケートの世界に憧れを抱く少女・結束いのり。

リンクへの執念を秘めたいのりに突き動かされ、司は自らコーチを引き受ける。

才能を開花させていくいのりと、指導者として成長していく司。

タッグを組んだ二人は栄光の“メダリスト”を目指す――!

STAFF

原作:つるまいかだ(講談社「アフタヌーン」連載)
監督:山本靖貴
シリーズ構成・脚本:花田十輝
キャラクターデザイン:亀山千夏
総作画監督:亀山千夏、伊藤陽祐
フィギュアスケート振付:鈴木明子
フィギュアスケート監督・3DCGディレクター:こうじ
3DCGビジュアルディレクター:戸田貴之
3DCGアニメーションスーパーバイザー:堀正太郎
3DCGプロデューサー:飯島哲
色彩設計:山上愛子
美術監督:中尾陽子
美術設定:比留間崇、小野寺里恵
撮影監督:米屋真一
編集:長坂智樹
音楽:林ゆうき
音響監督:今泉雄一
音響効果:小山健二
アニメーションプロデューサー:神戸幸輝
アニメーション制作:ENGI

オープニング主題歌:米津玄師「BOW AND ARROW」
エンディング主題歌:ねぐせ。「アタシのドレス」

CAST

結束いのり:春瀬なつみ
明浦路司:大塚剛央
狼嵜光:市ノ瀬加那
夜鷹純:内田雄馬
鴗鳥理凰:小市眞琴
鴗鳥慎一郎:坂泰斗
三家田涼佳:木野日菜
那智鞠緒:戸田めぐみ
大和絵馬:小岩井ことり
蛇崩遊大:三宅貴大
鹿本すず:伊藤彩沙
高峰瞳:加藤英美里

公式サイト
公式X(@medalist_PR)

原作情報

『メダリスト』
第1巻~第11巻好評発売中!

(C)つるまいかだ/講談社

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