冬アニメ『もめんたりー・リリィ』久野美咲さん(吉野さざんか役)×島袋美由利さん(咲耶あやめ役)インタビュー|6人だけの世界で描かれる“心地よいカオス”とは?
キャラクターの心情などは映像に引っ張ってもらっていた
──第1話をご覧になっていかがでしたか?
久野:この段階では、まだ完成されたものは見られていないんですけど、アフレコの時からフルカラーのほぼ完成された映像だったんです。女の子たちが6人しかいなくて寂しさを感じたのですが、背景美術も美しすぎて。「寂しいけど美しい」という不思議な感覚で、一気に惹き込まれてしまいました。
なので、この世界観に声を乗せられることに、すごくワクワクしましたね。6人でしゃべっている日常シーンの空気感と、戦闘になって危機迫るシーンの空気感が、画からまず違っていたんです。同じ作品のはずなのに、色も違って見えるような、そういう映像にすでになっていたので、私たちも、画に合わせて空気感を変えていけたんですね。だから画にお芝居をすごく引っ張っていただけた印象がありました。美由利ちゃんは、第1話どうだった?
島袋:久野さんが言っていたように、画から、そのシーンそのシーンの色がはっきり出ていたので、私もすごいなと思っていました。それと同時に、6人でしゃべって、歩いて通り去ったあとの景色に誰もいない。この子たち以外誰もいない世界なんだっていうのを、画から突きつけられているような感じがして、切なさも感じました。早く誰か来てくれ〜、どこかで生きてるんだろ〜?って思っていました(笑)。
久野:そう思っちゃうよね。先の展開がなかなか読めないもんね。
島袋:あと、武器の説明に関しては、このあと出てくると思います。今、皆さん知らない状態でしょうけど。
久野:今回はオリジナル作品なので、スタッフさん方が、設定をものすごく細かく作り上げてくださっていたんです。だから私たちは、スタッフさん方のイメージを共有していただき、その上でお芝居を一緒に作り上げていきました。アフレコをしていても、スタッフさん方の作品とキャラクターへの愛がものすごい伝わってきて、本当に感動したんです。
──アフレコまでに、ものすごい時間をかけて育て上げてきたキャラクターですからね。キャストとしても、それに応えたいという気持ちだったのですね。
久野:そうなんです! このキャラはこういうキャラクターでっていうのを、すごく丁寧に、一人ひとり教えてくださったので。
島袋:一人称とかも、資料に全部書いてありましたよね。
久野:そうそう! ほかのキャラクターを呼ぶ時は、こういう呼び方をしますという設定も全部決まっていたんだよね。
島袋:私たちも途中から呼び方が変わるんですけど、それも資料には書いてあったので。
久野:**関係性がどんな風に変わっていくのか想像もふくらんで。
島袋:そういうワクワクはありました。
──「割烹」シーンはどうでしたか?
久野:料理シーンが出てくるんだ!ってまずびっくりしましたね。作品の設定とか、世界観からは想像もできないほど、和やかになれるシーンでした(笑)。
島袋:心にゆとりを持てるシーンでしたね(笑)。アフレコ当時に見ていた感想とはズレちゃうんですけど、冒頭にお話しした、お料理を再現する番組収録で、みんなで作って、みんなで食べたら、それが美味しくて、心に沁みたんです。
でも彼女たちは、もっともっと厳しい中で食べているんですよね。れんげちゃんがいなかったときは、お腹が空いても、美味しいものは食べられなくて、適当に保存食を食べていたと思うんです。そんな状況で、あのお料理を食べていたんだと思うと、本当にあの時間が、みんな大好きだったんだろうなって思いました。
久野:みんなで一緒に作ることにも意味があるなと思っていて、「割烹」も、一緒に過ごせる数少ない、かけがえのない時間のうちのひとつなんですよね。その時間が、彼女たちの心の支えにもなっていたと思うし、絆を深める時間でもあったと思います。
──ありがとうございます。では最後に、ファンへメッセージをお願いします。
島袋:いろんな知らない用語がいっぱい出てきたと思いますが、ちゃんと第2話で説明がありますので、待っていてください。本当に絵もきれいだし、音楽もカッコよくてド派手だったので、観ていて圧倒されることが多い作品でした。
どこを観たらいいんだろうって思ってしまうくらい、いろんな要素が詰まっていますが、この作品の世界観に存分に溺れていただいて、混沌を楽しんでいただければと思います。その先に、彼女たちの生き方だったり、それぞれの絆みたいなものに触れることができるシーンがたくさん待っていると思うので、それを楽しみにしていただけると大変ありがたいです。ちゃんと2話で説明いたします!
久野:私もオンエアが楽しみで仕方がないのですが、第1話だけだと、まだ世界観のことだったり、キャラクターのことだったり、わからないことも多いのかなと思うんです。
でも、観ていけば観ていくほど、これってこういうことだったんだとか、あのシーンっててここに繋がっていたんだって、色々な発見もあって。話数を重ねれば重ねるほど、もう一度前の話数を見返してみようと思えるような、そんな楽しみ方ができる作品になっています。
画が美しいし、表情のひとつひとつ、髪の毛の1本1本の表現もすごくこだわって作ってくださっています。キャラクターの心情を、私たちも声のお芝居で表現させていただいたんですけど、それを凌駕するような画で、それこそ髪の動きでもキャラクターの気持ちがわかるようになっているんです。
アニメーションの表現に、私自身も感動しながらお芝居していたので、みなさんにも一緒に感動を味わっていただけたら嬉しいです。オリジナルアニメなので、お話もぜひ最後まで楽しんでくださいね。
[文&写真・塚越淳一]
作品概要