アニメ
冬アニメ『マジック・メイカー』潘めぐみ×古賀一臣が明かす作品に込めた想いと現場の裏話

冬アニメ『マジック・メイカー』潘めぐみさん(シオン役)×古賀一臣さん(監督)インタビュー|魔法はこの作品のもうひとりの主人公!

MFブックスより刊行されている鏑木カヅキ先生の小説を原作としたTVアニメ『マジック・メイカー ~異世界魔法の作り方~』。

2025年1月8日(水)からテレビ東京ほかで放送開始となった本作ですが、アニメイトタイムズではその直前のタイミングで行われた1話&2話の先行上映会後に、シオン役・潘めぐみさん&古賀一臣監督へのインタビューを実施しました。

先行上映会の感想はもちろん、序盤のみどころやヒロイン・マリーの視点で描かれる1話の構成についてなど、気になる内容を中心に伺っています。また、収録現場に存在していたという“ドレスコード”についての話題も必読です。

ぜひ1話の視聴前後にご一読いただければと思います。

 

関連記事
マジック・メイカー ~異世界魔法の作り方~
リスティア国の片田舎の領地を治める下級貴族、オーンスタイン家。そこには、二人の姉弟がいた。姉のマリーは、父から剣術の稽古を受けるのが大好きな活発な女の子。弟のシオンは、部屋に籠もって本を読むのが大好きな内気な男の子。性格は正反対の二人だが、優しい両親に見守られながら、仲睦まじく暮らしていた。そんなある日、シオンは『まほう』というものがこの世界に存在するか、父に尋ねる。しかし、貴族としてそれなりの教養がある父でも、『まほう』という言葉自体を知らなかった。ましてや、シオンが言う「火とか水とか風とか光とか、何もないところからいろんなものを出したりする」現象など、この世には存在するはずもなく……。その日から、シオンは目に見えて落ち込んでしまう。シオンを励ましたいと、幼馴染みで農家の娘のローズに話すマリー。すると、湖で不思議な現象を目の当たりにして――作品名マジック・メイカー ~異世界魔法の作り方~放送形態TVアニメスケジュール2025年1月8日(水)~テレビ東京・BS日テレほかキャストシオン:潘めぐみマリー:加隈亜衣ローズ:雨宮天ラフィーナ:芹澤優ブリジット:古賀葵コール:宮瀬尚也ガウェイン:宮本充エマ:豊口めぐみグラスト:赤...

 

『マジック・メイカー』は努力と信念の物語

──先ほどまで1話と2話の先行上映が行われました。本放送も近づいていますので、まずは今の心境をお願いします。

潘めぐみさん(以下、潘):アフレコも終了して全話完成しているそうなので、後は座して待つのみです。今日行われた先行上映会では、観客のみなさんの表情から楽しんでくださったことが伝わってきて。これから先の展開やその反響も楽しみだし、注ぎ込めるものは全て作品に込めました。後は、みなさんにどう受け取ってもらえるのか期待しながらも、ちょっとそわそわした気持ちがありますね。

古賀一臣監督(以下、古賀):全話納品済みなので、後はもう視聴者のみなさんのものだと思っています。何か巣立った後の子供を見送るような気持ちですが、楽しんでいただければ嬉しいです。上映会に訪れてくださった方々はノリが良くリアクションもしてくれたので、とても良い雰囲気だったと思います。

 

 

──ここから作品やキャラクターについて伺っていきます。まずは潘さんに、シオン役を演じるまでの経緯を伺いたいです。

潘:シオン役のオーディションを受けて欲しいという指名の形でした。スタジオオーディションはなくテープオーディションのみだったと思います。演じ終わったあとに手応えはあったものの、やっぱり異世界転生ものの作品は私以上に若い方がチャンスを掴めるものだと思っているので、選んでいただけるとは驚きでした。任せていただいて光栄です。

──監督はぜひ、潘さんにお願いする決め手をお聞かせ下さい。

古賀:潘さんだけではなく、潘さん以外にも少年役で知られる役者さんたちがオーディションを受けてくださったので、最後まで激戦でした。本当に誰になってもおかしくなかったのですが、シオンのイメージにより近かったのが潘さんだったのかなって思っています。

潘:役に決まるまでのことって直接監督に伺えるものではないので、今日は本当に貴重な機会になりました。最近だと見た目がおじさんで中身が女の子だったり、見た目が女の子で中身がおじさんみたいな転生する主人公が出てきたりもしていますが、本当に少年役として異世界転生主人公を任せていただけるのは貴重な機会だなと改めて感じています。

──おふたりが原作や台本、シナリオをチェックした時に感じた本作の第一印象は?

潘:魔法が使えると思ったのに、転生先がそもそも魔法の無い世界だったのでゼロどころかマイナスから作り上げなきゃならないし、挑んでいかなきゃならない。しかも身体は赤ちゃんからなので行動範囲も狭まり、自分で動けるようになるまで機を待つ必要がある。王道なのに転生しても無敵じゃないので、そこから作り出されるものは気になりますよね。

現実世界でも何かの第一人者になるのはとても勇気が必要なことで、どうしたって憧れだけでは済まない。そんな状況の中でも、色々な人たちがシオンの真っ直ぐさに影響を受けていくんです。そうやって家族や仲間との絆で一丸となって進んでいけるところに王道らしさがあると思うし、それが作品の良さだとも思います。そんな作品の雰囲気が私たちをそうしてくれたのかなって思うくらい、現場の雰囲気もとても良かったです。

 

 
古賀:第一印象は“努力と信念の物語”です。シオンは、前世でも魔法という目標に向かっていたけれど叶わなかった。転生した後はひたむきな努力や信念が報われるかもしれないけれど確証はない。それでも頑張りたいと行動していくところに共感しました。目標に向かって一途に頑張れるって実は凄い才能だし、多くの人が共感できるんじゃないかなと。

──そうやって転生したシオンですが、1話ではマリーの視点で転生した後の世界との最初の関わりが描かれています。原作とは違った展開とのことですが、物語のスタートをマリーの視点から描こうと考えた意図はなんだったのでしょうか?

古賀:小説家になろうに掲載された異世界転生ものを原作とするアニメは数多くある中で、毛色を変えて視聴者の興味を引きたかったところがあったんです。また、原作では前世以上にシオンとして転生してからの人生に重きを置いていたので、そこを集中して描こうと考えました。

メインヒロインのマリーの視点から描くことで、周囲がシオンにどんな想いを向けているのか、今後シオンがマリーをどれだけ強く想うのか。それを描くためにこういった構成でやらせてほしいと相談したところ、無事快諾されてこの形になったんです。

こういった機会をもらえること自体中々ないのですが、本格的な本読みに入る前に構成を原作から少し変更するということで、鏑木先生を交えた場で「こういう理由でここを変えたい」とプレゼンさせてもらいました。

真摯に説明を重ねたことで最終的にご納得いただけたのですが、他に特に要望などはなかったので、こちらの提案をご理解くださったことに感謝しかありません。鏑木先生は、かなりこちらを信用してくださっているなと感じていましたね。

 

 

──1話のマリーは可愛さが際立っていましたね。

潘:シオンは両親以上にマリーと一緒にいる時間が多く、それこそ竹馬の友かのように育っていきます。そんな一番身近な存在に生まれた瞬間から見守ってもらえる、愛情を注いでもらえるなんてシオンにとっても転生前の彼にとっても幸せなことじゃないかなって。だから、この先たとえ魔法が認められないような展開になったとしても、幸せには生きていけるだろうなっていう確信があるんです。

きっと前世で家族の愛情の中で育ってきたのなら、おそらくああはなっていない。前世では得られなかったものを、赤ちゃんの時からもらっているんだよって見せてもらえた感じがしています。だからこそシオンはマリーへの想いが強いのだろうなと。

──あそこで驚いたのが、赤ちゃんのシオンの演技です。中身が30歳の男性とは思えない赤ちゃんぶりでした。

潘:ありがとうございます! 転生した人はどんな感覚なのかを考えた時に、やっぱり前世の記憶は持っているけれど、肉体に魂が落ちた瞬間から思考や感覚は徐々に肉体のほうに寄っていくのではないだろうかと思いました。

だからなのか、シオンは過去の自分が今まで生きた人生を誰かのために活かしていくようになります。だから過去を細かく作り上げるのではなく、ここからシオンとしてこの世界で生きていくという感覚で演じました。

古賀:この作品はシオンが異世界で魔法を作りたいっていう夢を叶えていく物語です。潘さんの解釈は間違いないと思いますし、そうやって演じてくださってありがたかったです。

──赤ちゃんから成長した後のシオンを演じる時はどんなことを意識されていましたか?

潘:2話に登場する転生前を逢坂良太さんが演じてくださったのですが、そこは感覚として引き継ぎたいと考えました。だから、現場で逢坂さんのお芝居を受け取る形でキャラクターを作っていきました。そこから先はシオンとしての人生がどんどん進むので、子供の身体という制限の中でシオンとして生きていけたんじゃないかなと。

やっぱり肉体に精神は引っ張られる。そういう部分がちょっとでも伝わればと思いつつ、マリーやローズ、家族との掛け合いから生まれるものがほぼこの作品の主軸なので、みなさんのお芝居をきっちり受け取ることを意識しました。

 

 

──魔法についてわかっているのがシオンのみなので、説明台詞もかなり多そうな印象がありました。

潘:「これから科学の授業です!」みたいな感じで始まって、見ている皆さんにわかるように伝えないといけないので大変でした。自分の語りが視聴者にとって退屈な時間にならないように、どこを強調するのかだったり、どこで拍子を付けるのかだったりはこだわりました。ただ、アニメーションなのでやっぱり絵や音楽の力には救われましたね。

古賀:放送時間帯は深夜ではあるものの、このあたりは子供が見ても面白いと感じるものを目指しています。今日も先行上映に小さなお子さんがいらしてくれましたが、そのくらいの子たちが見てもこの作品はストーリーがわかりやすいだろうなって思うし、自分が子供の頃にみていたアニメのニュアンスを入れ込めているかなと。

──シオンが作り上げていく魔法も物語の主軸のひとつかと思います。本作における魔法の描写はどんな部分にこだわっていますか?

古賀:本作における魔法はもうひとりの主人公という位置付けなので、そこはしっかりと描かなきゃならない。だから、いつもあてにしている知己のアニメーターの小澤和則というエフェクトの上手い奴に、魔法監修という立ち位置で座組に入ってもらい「今までにない魔法を描いてほしい」と無茶振りをしたんです。

だから作中ではあまり見たことがないような魔法のエフェクトが見られますし、見応えも充分だと思います。かなりきっちり全部の魔法に手を入れてもらっているので、もうひとりの主人公として魔法をしっかり描けたと思っています。物語が進むと色々な魔法が登場しますので、ぜひ楽しみにしていてほしいなと思います。

潘:本当に綺麗ですよね。キービジュアルでもシオンが魔法を使うところが描かれているんですけど、やっぱり綺麗で見たことがないようなエフェクトになっている。火、水、風によってまったく違う表情を見せてくれますし、想像していたものの、そのらしさはありつつ斬新さもある。アフレコ時は魔法の色が無い状態でしたが、光と色が付くとここまで変わるのかと驚きました。

 

 

──ちなみに、気に入っている属性の魔法はありますか?

潘:どれも綺麗で好きなのですが、やっぱり分かりやすいところだと火になるかもしれません。最初に発揮できる魔法だったこともありますし、火が出来たからこそ他の属性も使えるという気がしています。

古賀:火は割と便利に扱われるんですよね。

潘:そうなんです。火力が高めなのもカッコいいなと思っています!(笑)。

──発動時の台詞もかなり気合が入っていますよね。

潘:おそらく戦闘すること自体は初めてなんだけど、前世であれだけ言ってきたので口にだすと自然と決まってしまう……そうなるように意識していました。きっと転生もしていない、知識もない子供が同じようにやっても、ああはならないと思ったんです。

だから、自分が見てきた好きなものに憧れていた少年が、初めてあんな魔法を放てたらああなるんだろうなみたいなところで演じています。私自身ヒーローが大好きで技の名前とかを小さいころはずっと言っていたくらいなので、重なるんですよね……。

──シオンに共感する人は多いはずですよね。

潘:絶対多いと思います! 今日の上映会では(「魔法や転生に憧れたことのある人〜!」と聞いても)手を上げてくれる方は少なかったですけど……(笑)。

一同:(笑)。

──転生前のシオンが呪文を詠唱しようとするシーンでは、わかる人がみたらグッとくるポーズがいくつかあったように思います。

古賀:おそらくご想像の通りだと思います。魔法を扱った作品は多々ありますが、「やっぱりみんな真似するよね」というところからああいった芝居をさせました。

 

おすすめタグ
あわせて読みたい

マジック・メイカー ~異世界魔法の作り方~の関連画像集

おすすめ特集

今期アニメ曜日別一覧
2025年冬アニメ一覧 1月放送開始
2024年秋アニメ一覧 10月放送開始
2025年春アニメ一覧 4月放送開始
2025年夏アニメ一覧 7月放送開始
2025冬アニメ何観る
2025冬アニメ最速放送日
2025冬アニメも声優で観る!
アニメ化決定一覧
声優さんお誕生日記念みんなの考える代表作を紹介!
平成アニメランキング