『STEINS;GATE』15周年にあわせて15年分歳を重ねた当時18歳が作品の思い出を語ってみる……33歳にもなって何をやってるんだろうね!?
2009年10月にXbox 360で発売された科学アドベンチャーシリーズのひとつ『STEINS;GATE』が、昨年(2024年)10月をもって15周年を迎えました。
Xbox 360やPS3、PSP、PS Vitaといったハードをリアルタイムで体験してきた世代にとっては、『STEINS;GATE』はつい最近のゲームという印象があると思います。筆者もそうです。ですが一切そんなことはなく、ゲームと共に当時のプレイヤーも15年分歳を重ねてしまっているのです。
発売当時18歳だった筆者も気づけば33歳。このまま20周年もあっと言う間に来るのだろうなと思いつつ、ふと目を逸らしていた現実が見えてきました。
そんな時にふと15年後の自分に「33歳にもなって何をやっているんだ」と主人公・岡部倫太郎がツッコミを入れていたことを思い出し、編集さんに何か書いてみたいとお願いしてみたらやっていいとのことだったので、今回はこの場をお借りして自分が『STEINS;GATE』に触れてからの15年を思い出しつつ色々語っていけたらなと思います。
流石に15年経ってるので記憶が曖昧な部分もあるため、その点は多めに見つつご覧いただければ幸いです。また、一度もアニメやゲームで『STEINS;GATE』に触れたことがない方は、本編のネタバレなどが出る可能性がありますのでご注意ください。
発売した当時を知る作品がもう15年も経ったことに驚きと恐怖を感じざるを得ない
レトロゲームと聞くと代表的なのはスーパーファミコンやファミリーコンピュータなど、あの世代のハードで遊べるものだと思っていました。自分が青春時代を共にした作品がもうそうやって呼ばれることがあるのかと思うと、時の流れがあまりにも早く感じてしまいます。
あの頃、昔は良かったと言っていた方々を少し冷めた目で見ている部分があったのですが、もしかしたらこういう気持ちだったのでしょうか。時間経過を現実として突きつけられるとショックを受けてしまうのですが、それだけ長い間忘れることなく常に自分と共にあった作品ともなると、物凄く身近な存在なのでその現実が信じられなくなってしまうんですよね。
これからいわゆる懐古厨みたいなことを書いていくので思わず話が逸れてしまいましたが、現在進行形で最近の作品を楽しんでいる方もすぐそうなります。ふとした時に自分の好きな作品が10周年だの15周年だの20周年だのを迎えていることに気づくと、間違いなく心に大きな傷を負います。今のうちから覚悟しておくと良いかもしれませんよ。
本題に入ります。筆者が『STEINS;GATE』に出会ったきっかけは、単純にシリーズの前作である『CHAOS;HEAD』をプレイしていたから。吉野裕行さんの怪演で表現された主人公・西條拓巳のあまりのキャラクターの濃さや、妄想を具現化して戦うという中二病患者にはドストライクな要素が個人的に刺さり過ぎてしまい、PC版だけでなくXbox 360で『CHAOS;HEAD NOAH』も遊んだくらいでした。
そのままXbox 360を所持し続けられればよかったのですが、他にも色々遊びたい作品がある割に苦しい懐事情の10代の身には、某正義を貫き通すRPGと『CHAOS;HEAD NOAH』を遊んだ後、殆ど起動することのなくなったゲーム機を維持できず……某正義を貫き通すRPGのPS3移植を聞きつけた段階でPS3に買い換えてしまったんですよね……。
某正義を貫き通すRPGのPS3移植があまりにも早かったことも個人的には影響していて、当時はそういったハード関係の事情に今以上に疎く、『STEINS;GATE』も同じようにすぐPS3に移植されるだろうと勝手に思い込んでしまったところもありました。
そんな理由で『STEINS;GATE』を発売当時に遊べなかったなんて、まさに痛恨の極み。頑張ってバイトを増やしてXbox 360もPS3も維持するべきでした(もしかして、筆者と同じような経験をした方がいたりしないでしょうか?)。
筆者が初めて『STEINS;GATE』をプレイしたのは、2010年の夏頃に発売されたPC版。その影響からいとうかなこさんの歌う『STEINS;GATE』関連楽曲の中でも、個人的にはPC版のイメージソング的な位置付けの「A.R.」が一番印象に残っていたり。もちろん「スカイクラッドの観測者」やアニメ版の主題歌「Hacking to the Gate」も好きですけれども。
あの夏から後半年くらいで15年と考えると、時の流れが恐ろしい。本当につい最近のことのように思い出せます。主人公の岡部倫太郎をはじめとするあの魅力的で一度知ったら忘れられないようなキャラクターたちに加え、そんなキャラクターたちの紡ぐストーリーに夢中になり、寝る間も惜しんでプレイしましたね(おそらく今はそんなことは出来ない。この歳で徹夜なんかすると翌日に影響が出るため不可能)。
出演声優陣も宮野真守さん、花澤香菜さん、関智一さん、今井麻美さんと今なお色々な作品でお声を耳にする方ばかりなので、本当に本当にもう15年も経っていることが信じられない……。
そんな感じだったので、筆者はPC版が発売されるまでXbox 360版を先にプレイした方たちの評判を見るしかできなかったのですが、あまりにも高評価が多いため逆に「本当か?」と不安になったこともありました。結局そんな心配は杞憂だった訳ですが。結局、その経験のおかげで33歳にもなって『STEINS;GATE』がどうのと言っているいい大人のひとりになってしまいました。
作品の主な舞台である秋葉原もこの15年で大きくその様相を変えましたが、キャラクターや物語の魅力は不変。とはいえ、作中の秋葉原の光景が残っていないところがあることにはちょっとした寂しさも(ラジオ会館の建て替えなどが一番大きいか)。
加えてまだスマートフォンが普及しておらず、作中ではガラケーが使われていることも中々懐かしい描写ですよね(岡部の携帯の着信音がやたらと耳に残っていたり)。その当時を思い出すためにも、なんだかまた『STEINS;GATE』をプレイしたくなってしまいました。