冬アニメ『全修。』スタッフ連載インタビュー第二回:脚本担当・うえのきみこさん|コンテで登場人物さえも変わって全く違う話になっていたということならあります
脚本は作品を作るにあたっての設計図
──ここからはうえのさん自身のことについても質問させてください。まず、いつ頃からアニメ業界へ進むことを考えていましたか?
うえの:最初は映画監督を目指していましたが、根性も決断力もコミュニケーション能力も持ち合わせてなかったので秒で無理だと悟り、脚本家を目指してコンクールに応募していました。
そこでたまたま、私の書くものを面白いと思ってくださったプロデューサーがアニメを作ることになって声をかけていただきまして、アニメ業界に何とか辿り着くことができたという感じです。
──業界に足を踏み入れて実際に仕事をし始めたとき、自身がイメージした通りの世界だと感じましたか?
うえの:あまり「アニメ業界はこういうイメージ!」というものがなかったので、想像と違ったというものはないのですが、昔と比べるとオフィスもスタッフの方々もオシャレになっている気がします。
──うえのさんは数々のアニメ作品で脚本を担当されていますが、脚本担当とはどういうお仕事なのか改めて教えていただければと思います。
うえの:原作があるものとオリジナルではだいぶ違うのですが、オリジナルだと、まずはどんな物語にするかネタ出しから始まります。方向性が決まったら全体の構成、登場人物のキャラクター、物語の舞台となる設定を作ります。『全修。』で言うと『滅びゆく物語』の大まかなストーリーを書いてます。それから話の流れを考えるプロットを書き、それを監督、プロデューサーたちと話し合って、みんなが納得するまで修正します。そして、プロットがOKになったら脚本を書きます。
いざ脚本を書いてみると、プロット通りにならないこともあるんですよ。それを元にまたみんなで話しあって修正をしてゆきます。3稿くらいですんなり決まることもあれば、十何稿も修正を重ねることもありますね。脚本は作品を作るにあたっての設計図といったところでしょうか。
──最後に、今後の見どころを教えてください!
うえの:3話で『滅びゆく物語』のヒロイン・デステニーが出てきます。登場人物もさらに増えてくるので、楽しみにしてもらえると嬉しいです。
[構成 M.TOKU]
作品概要