![劇場アニメ『ベルサイユのばら』豊永利行、加藤和樹インタビュー](https://img2.animatetimes.com/2025/01/ef9e432776bed4a2365264d94b3f78bd678da62ff24776_76194800_9144c5bea93025cfd4d3953329ec7c6fc476b653.jpg)
劇場アニメ『ベルサイユのばら』豊永利行さん、加藤和樹さんが感じる作品の魅力「心は自由であるべきだ」というメッセージは、いつの世も人々を突き動かす」
1月31日(金)、劇場アニメ『ベルサイユのばら』が全国ロードショー! 『ベルサイユのばら』は、1972年より「週刊マーガレット」(集英社)にて連載された池田理代子さんによる漫画。革命期のフランスで懸命に生きる人々の愛と人生を描いた物語です。
現在累計発行部数は2000万部を突破。連載中から読者の熱狂的な支持を集めた本作は、その後、宝塚歌劇団による舞台化やTVアニメ化もされ、日本中で社会現象となりました。
不自由な時代の中で、身分や性別を乗り越え、自身の手で人生を選びとり、フランス革命へと飛び込んでいく美しいオスカルの生き様は、少女たちの共感、そして憧れを一身に集めました。そんな不朽の名作『ベルサイユのばら』が、50年以上の時を経て劇場アニメ化。フランス革命という激動の時代の中で、それぞれの人生を懸命に生き抜いた「愛と運命の物語」です。
アニメイトタイムズでは、劇場アニメ『ベルサイユのばら』の公開を記念して、キャストにインタビュー。今回はアンドレ・グランディエ役の豊永利行さん、ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン役の加藤和樹さんです。同じ年でデビュー当時からお互いをよく知るお二人に、今作におけるキャラクターの魅力、アフレコからお二人の関係まで、いろいろとお話をお聞きしました。
豊永さん、加藤さんが感じる『ベルサイユのばら』のイメージ
──『ベルサイユのばら』という作品の印象をお聞かせください。
ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン役・加藤和樹さん(以下、加藤):もちろん原作やTVアニメも知っていました。原作は姉の影響で小さい頃に読んだ記憶があります。
宝塚歌劇団の舞台の印象も強いですね。フランス革命の中のオスカルとアンドレが中心になったお話で、実際に美しい世界と革命という史実的には痛ましい出来事もある中で、美しくも儚いイメージがありました。
──今作の出演が決定した時はどのように思いましたか。
加藤:「俺が『ベルばら』に?」と思いました(笑)。
アンドレ・グランディエ役・豊永利行さん(以下、豊永):いや、ピッタリだと思う。
加藤:(過去、演じていた役で)フランス革命に身を投じていましたけど、平民側だったので……。(加藤さんはフレンチ・ロック・ミュージカル『1789 ―バスティーユの恋人たち―』で、主人公・ロナン役として出演)
「あぁ、貴族側か」という気持ちはありましたね。あまり自分の中で、フェルゼンというイメージが実はなくて、ちょっとビックリしました。
──豊永さんはいかがですか。
豊永:僕も作品は知っていましたけど、深く内容を知ったのはオーディションのお話をいただいてからでした。そういう意味で新参者ではあるんですが、親たちが当時のTVアニメを見ていたので、『ベルサイユのばら』のOP曲(「薔薇は美しく散る」を歌いながら)「バラはバラは~、気高く咲いて~」という歌が印象に残っていました。
当時歌っていたOP曲の気高い感じやリアルな史実、貧困や階級格差などのフランス革命時代の社会における問題も含まれながら、その中でも気丈に生き抜いた人たちの物語で、見た目が美しいだけではない作品だったと改めて知ることができました。
歌唱シーンのレコーディング秘話
──今作は歌唱シーンが見どころのひとつでもあるかと思いますが、歌唱シーンについてお聞かせください。
豊永:アフレコが始まる1年ぐらい前に、楽曲だけ先にそれぞれ別で収録したんです。自分たちのキャラクターの芝居の構成を決める前に収録しているので大変でしたね。レコーディングの段階で、それぞれが担当する役柄というのをある程度自分の中で落とし込んでおかないといけないと思いながら、歌わせてもらっていました。
この作品は20年のできごとを約2時間の尺で表現しているので、歌の収録前はOPシーンの楽曲も「いつの(時代の)アンドレで歌えばいいんだろう?」と迷っていたんですが、レコーディングの時に監督もいらして、「どこの時代でもなく、心情だけ持ってきてもらえば大丈夫です」と言っていただきました。
年齢感はどこにも当てはまらなくてもいい広さで歌えたし、オスカル(・フランソワ・ド・ジャルジェ)とのデュエットのシーンでは監督からシーンの説明もいただいて、自分でも「あのシーンで使われるんだから、年齢感的にはこの時代だな」とイメージしながら歌った記憶があります。
──先にレコーディングをして、後からアフレコをするというのは珍しいことですか。
豊永:珍しいですね。なので、キャラクターについてしっかり考えて組み立てていかないと、破綻するなと思いながらやっていました。
──加藤さんはいかがですか。
加藤:僕も同じで「歌を先に録るんだ」と思いました。自分の中でのフェルゼン像みたいなものは、ミュージカル作品でフランス革命の中で生きた経験が活きたかなという感じもあります。
とはいえ作品が違うので、フェルゼンの(マリー・)アントワネットに対しての思いは、新たに見出さないといけないと。デュエットの曲に関しては「フェルゼンのアントワネットへの思いを存分に出していこう」と考えながら収録しましたし、アントワネット役の平野綾さんとはミュージカルでも共演させていただいていたので、ハーモニー的なものは想像できたりしていました。
ただ、キーの問題というのもレコーディングする前はありましたね。4人で歌う曲に関しては、みんなのバランスのいいところをチョイスさせていただいて、調整しました。フェルゼンというキャラクターから離れない中での発声の仕方と感情の入れ方のバランスは、なかなか難しいレコーディングではありましたね。
できあがった曲を聞いた時は、4人の声の混ざり合いが絶妙で、映像と組み合わさるのが楽しみな気持ちになりました。