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冬アニメ『花修羅』瑞希役・島袋美由利があらためて感じた“声の力”のすごさ【インタビュー連載03】

受けるのに覚悟が必要だった『花修羅』のオーディション。作品を通して、あらためて“声の力”が持つすごさを実感|『花は咲く、修羅の如く』薄頼瑞希役・島袋美由利さんインタビュー【連載第3回】

2025年1月7日(火)より日本テレビ・BS日テレほかにて放送中のTVアニメ『花は咲く、修羅の如く』(以下、『花修羅』)。

本作は、人口600人の小さな島・十鳴島に住む少女・春山花奈が、高校で放送部に入り、仲間と共に大好きな「朗読」に向き合う物語。『響け!ユーフォニアム』などで知られる武田綾乃先生がつむぐ高校生の心の成長を、新鋭作家・むっしゅ先生が繊細な筆致で描く青春ストーリーとなっています。

アニメイトタイムズでは、各キャラクターにスポットが当たるエピソードの収録後にキャストインタビューを実施。

今回お話を伺うのは、花奈の先輩・薄頼瑞希を演じる島袋美由利さん。覚悟が必要だったという『花修羅』のオーディションのお話や、瑞希というキャラクターについて、第1話~第3話の中で印象に残ったシーンなどを伺いました。また、本取材の様子を見学していた花奈役・藤寺美徳さんのお芝居の印象も語っていただきました。

 

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2025年1月7日(火)より日本テレビ・BS日テレほかにて放送中のTVアニメ『花は咲く、修羅の如く』。本作は、人口600人の小さな島・十鳴島に住む少女・春山花奈が、高校で放送部に入り、仲間と共に大好きな「朗読」に向き合う物語。『響け!ユーフォニアム』などで知られる武田綾乃先生がつむぐ高校生の心の成長を、新鋭作家・むっしゅ先生が繊細な筆致で描く青春ストーリーとなっています。アニメイトタイムズでは、各キャラクターにスポットが当たるエピソードの収録後にキャストインタビューを実施。第2話収録後は、第1話に引き続き、花奈役の藤寺美徳さんにインタビュー。冬賀萩大、夏江杏といった放送部員たちの印象や、第2話で披露した『やまなし』『銀河鉄道の夜』の朗読シーンで意識したことなどを伺いました。  前回はこちら 冬賀と杏、どちらの考え方もカッコいい──第2話のアフレコを終えた、今の心境はいかがですか?藤寺美徳さん(以下、藤寺):第1話のときは本当に緊張していましたが、第2話でキャストの皆様がたくさん話しかけてくださって、いろいろなお話ができました。すごく温かい気持ちになりました。──今日も制服で来ていますよね?藤寺:はい。今(収録時)は夏休みなので学...

 

受けるのに覚悟が必要だった『花修羅』のオーディション

──『花は咲く、修羅の如く』の原作を読まれたときの印象をお聞かせください。

島袋美由利さん(以下、島袋):私、放送部に入っていたことがあるんです。ただ、部活をしていた当時、いい思い出がそこまでなくて……。なので、原作を読んだときに過去の記憶がぶわ~っと出てきてしまって、話の世界観に浸るどころではなくなってしまったんです。それほどまでに、武田(綾乃)先生は取材を重ねて、リアルに物語を描こうとされていたんだなと思いました。

それがよく伝わってきたのが杏ちゃんのアナウンス原稿でした。あまりにも(リアルで)聞いたことがある感じで、「絶対、これ大会で聞いたよな」と思うほどの完成度だったんです。なのでオーディションを受けるときは、覚悟しなければいけない……と思いました。

 

 

──自分の過去とも向き合わなければいけなかったんですね。

島袋:今(第3話の収録を終えて)、ようやく(春山)花奈ちゃんのこととか、(薄頼)瑞希のことに落ち着いて触れられるようになりました(笑)。「部活もの」ってたくさんあると思いますが、放送部を描いた作品に初めて出会いました。私の学校の放送部は、どちらかと言うと気楽な部活ではあったんですが、それでも本当に当時の感覚がよみがえってきました。

──Nコン(NHK杯全国高校放送コンテスト)も目指していたのですか?

島袋:はい。朗読を選んで出ていました。なので、花奈ちゃんが朗読で読むところを選ぶシーンは、「わかるわかる! セリフから始まるのはリスキーだよね」って共感と震えみたいな気持ちがありました(笑)。

高校生だからこそ、ここで折れちゃうよなぁ、とか、ここで悔しさを感じるよね、とか。感情を揺さぶられる子もいれば、冬賀くんの音作りのように、プライドを持っている子もいる。それぞれが個性を発揮していて、部活だけどチーム戦ではない、みたいなところが面白いなって……やっと思えるようになりました。

──「自分の経験は活かせるし、知っていることだからオーディションをやりたい!」と前のめりになったわけではなかったのですね。

島袋:正直、怖かったんです。これまで言ってこなかった過去でもあるので。過去を思い出すのが得意ではないし、ひとつひとつ記憶を開けていくことができないから、覚悟が必要でした。

 

 
オーディションは、花奈ちゃんと瑞希と(西園寺)修羅を受けたんですが、あらためて「朗読」について考えたら、「何だろう?」となってしまって。動画を検索して出てくるのも朗読だし、Nコンで、ある程度規定の中で表現するのも朗読ですし。「じゃあ、修羅はどうやって読むんだろう?」とか、いろいろ考えてしまったので、「よっしゃ、やってやるぞ!」というよりは、「どうしよう……」と、限界まで悩んで悩んで、持っていった記憶があります。

 

瑞希は共感100%で寄り添わない、いい意味で気を遣わない優しさを持った子

──その中で瑞希に選ばれたわけですが、普段の島袋さんの雰囲気とは違う役柄なのかな?と思いました。

島袋:選ばれたときに「どうして私が瑞希なんだろう」という戸惑いはありました。ボーイッシュで、周りを引っ張っていくような子は何度か演じたことがあるんですが、瑞希は、言葉に嘘はないけれど、周りのことも見えているんですよね。その2つの要素がある子は初めてだったので、今もまだ、掴みあぐねているところです。

──よく、1クール目の終盤で、やっと演じている子のことがわかってくると聞きます。

島袋:私は割とそのタイプかも知れないです。なので今は「持ってきたものをやるしかないもんな!」って、開き直ってマイク前に立っています(笑)。で、悶々としながらお家に帰って、また次の収録で「持ってきたものをやるしかないよな!」って思いながら演じています。

──ディレクションはあったのですか?

島袋:「(普段のセリフは)なるべく生っぽく、朗読との落差を出したい」とおっしゃられていたので、あまり抑揚をつけずに、普通にしゃべる+αの気持ちでやっていたんですが、瑞希の場合は、「もっと元気に」「もっと圧を強く」というディレクションもありました。その中で、「ウザ絡み」という言葉も出てきて。じゃあ“生っぽさ”って、感情の起伏とかのことなのかなって考えてしまって……。

 

 
あと、冬賀役の千葉翔也さんからも「花奈ちゃんの視点でこの作品を捉えたほうがわかりやすいんじゃないか」という助言をいただいて。今、生っぽさと「花奈ちゃん視点の演出」というところで、指標にしたいものが2つある感じなので、まだまだ、瑞希の背中が完全には見えていないです。

──花奈視点から見ると、確かに「ウザ絡み」しているのかもしれないですね(笑)。

島袋:そうですね(笑)。感情に気づいて、あえて無視しているパターンか、寄り添っているパターンか。瑞希はその時々で使い分けている感じがします。

──確かに、それは感じますね。勢いだけで行っているわけではないなと。

島袋:誰かが落ち込んでいると「大丈夫?」って寄り添いたくなりますが、瑞希ってそうではないんですよね。気を遣わない優しさってあるなぁと思いました。

──「そのほうが、この子のためになる」というところまで考えていますよね。

島袋:「花奈ちゃんが落ち込んでいるから、私も落ち込んじゃう、悲しい」ではなく、あくまで瑞希という人格があって、彼女なりの寄り添い方をしているんだと思います。

──ヒントをあげたり、背中を押したりする寄り添い方ですよね。

島袋:そうですね。「好きなことをやる」というスタンスがはっきりしていて、「みんなもそうしたらいいのにな」っていう在り方なので、花奈ちゃんにも、そういう導き方をしているんだろうなと思っています。

 

 

──自分との共通点みたいなものはありましたか?

島袋:「インスピレーションでやっていくぜ!」みたいなところは似ていると思います(笑)。もちろん、「どうやったら上手く読めるかな?」といったことは考えますが、最初に「好きだから」があって、「じゃあ何で好きなの?」という問いに対しては、「ピンときたから」みたいな。そういう動物的な部分が強い子なのかなって、今の段階では思っています。そこは自分に近いところかなと。

逆に、第3話の最後で、花奈ちゃんに「じゃ、ダメな奴と思わせないよう頑張ればいい」とか、口に出すからには絶対にそれを目指す、みたいなことを言うところは私にはないものだなぁって思いました。絶対に手を抜かないところがかっこいいです。

──瑞希みたいな、グイグイ引っ張ってくれる先輩がいたらいいですよね。

島袋:いたら嬉しいかもしれないですが、私は、もし同じ部活にいたら「怖いよ~」ってなっちゃうかもしれないです(笑)。

 

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