音楽
気鋭の歌い手・吉乃のルーツと新作に込めたパーソナルに迫る/インタビュー

話題のアニメ主題歌「ODD NUMBER」「なに笑ろとんねん」を歌う気鋭の歌い手・吉乃さんインタビュー|そのルーツとメジャー1stアルバム『笑止千万』に込めたパーソナルに迫る

気鋭の歌い手、吉乃がメジャー1stアルバム『笑止千万』を1月22日にリリースした。がなりを効かせたエッジーなアプローチから透き通った歌い口まで、楽曲の世界観に合わせた多彩な歌唱表現が魅力の彼女。今回のアルバムには、2024年秋クールのアニメ主題歌として話題を呼んだ「ODD NUMBER」「なに笑ろとんねん」の2曲に加えて、みきとP、カンザキイオリ、獅子志司、香椎モイミ、Guianoら人気ボカロPが提供した楽曲を多数収録している。ボカロだけでなくアニメやアニソンも好きと語る彼女のルーツと本作に込めた想いに迫る。

 

歌、ボカロ、アニメ──吉乃が歌い手になるまでのルーツ

──今回はアニメイトタイムズでの初インタビューということで、まずはアニメにまつわるお話をお聞かせください。アニメはよくご覧になりますか?

吉乃:俗に言うアニメオタクというわけではないのですが、深夜アニメは観ていました。幼い頃はアニマックスやキッズステーション、カートゥーンネットワークをよく観ていて。特に『フルーツバスケット』は大好きになって、父親に原作の漫画を全巻買ってもらいました。一生読み続けようと思っています。

アニメの主題歌も本当に素敵で、EDテーマ(岡崎律子「小さな祈り」)も素敵ですけど、特にOPテーマ(岡崎律子「For フルーツバスケット」)はすごく泣きたくなる曲だと思ったのを覚えています。別に悩みとか全然ない時期なのに(笑)。本当に好きな楽曲の1つです。

──「For フルーツバスケット」は名曲ですよね。深夜アニメはどんな作品をご覧になっていましたか?

吉乃:『WORKING!!』や『黒子のバスケ』が大好きで、当時はそのキャラソンをカラオケで友達みんなと歌ったりしていました。幼馴染の友達がシドさんのファンでよくいろんな曲を歌っていたんですけど、『マギ』のOPテーマだった「V.I.P」とsupercellさんのEDテーマ「The Bravery」もすごく好きで、いまだに定期的に聴いています。あとは『幻影ヲ駆ケル太陽』。

──おお、懐かしい! 『幻影ヲ駆ケル太陽』のOPテーマはLiSAさんの「träumerei」でした。

吉乃:私はそのアニメを観てLiSAさんのことを知りました。「träumerei」が本当にかっこよくて、アニメのタッチもすごく好きでしたけど、その曲目当てで観ていました。それと『〈物語〉シリーズ』。supercellさんやClariSさん、最近ではYOASOBIさんが楽曲提供していて。

──カラオケの話も出ましたが、歌うことは昔から好きだったのですか?

吉乃:はい。両親が音楽好きで、父親はザ・コレクターズ、母親は安部恭弘さんが特に好きなんですけど、家では常に音楽が流れていたし、両親も鼻歌を歌ったりしていたので、私も子供の頃から歌うのは楽しかったですし、「私、めっちゃ歌うまいじゃん!」と思ってたんです(笑)。でもある日、携帯電話で自分のアカペラを録音して聴いてみたら下手過ぎてびっくりして!

 

 

──自分の想像していた歌声と違っていたわけですね

吉乃:そうなんですよ。幼いながらにショックを受けて。そこから、ただ歌うだけではなく、自分からどういう声が出ていて、どんなピッチで歌っているのかを意識して歌うようになりました。音もちゃんと耳で聴いて、メロディーラインを把握して、それを体現することに集中するっていう。

──その頃はどんな曲をよく歌っていたのですか?

吉乃:合唱曲やボーカロイドを聴いていて、特にHoneyWorksさんの楽曲を歌っていましたね。それこそアニメの歌もたくさん歌っていましたし。

──吉乃さんのYouTubeチャンネルを拝見するとボカロ曲の歌ってみた動画が多いですが、やはり一番のルーツはボカロ音楽になるのでしょうか。

吉乃:そうですね。初めて自ら望んでインターネットで調べて、しっかり聴き込んだジャンルがボーカロイドだったので。

──ボカロ音楽との出会いのきっかけは?

吉乃:学校の廊下で友達がアカペラで歌っていたので「何を歌ってるの?」って聞いたら、それがボーカロイドの楽曲で、その時にボーカロイドの存在を知りました。ただ、当時から私は機械音痴で、パソコンとか嫌いで本当に触りたくなかったんですよ。だから友達に家に来てもらって、パソコンでYouTubeの見方を教わって。

最初はロボットみたいな歌声に抵抗があったんですけど、ボカロの曲は好きだったので、歌い手さんが歌っている動画を追っていくうちに、私自身もボーカロイドの発声に慣れてきて。ボーカロイドによって声色が違うし、同じボーカロイドでもボカロPさんによって調声が全然違うことに魅力を感じるようになって、がっつり聴き始めるようになりました。

──当時、特に惹かれたボカロPや歌い手さんがいれば聞いてみたいです。

吉乃:歌い手さんだと、ヲタみんさんは声がすごく綺麗でよく聴いていました。それとなゆごろうさん。あとは鎖那さんも好きでいろいろ聴いていました。

──吉乃さんは2019年から歌ってみたの動画投稿を始めたとのことですが、歌い手に憧れて活動を始めたのですか?

 

 
吉乃:いいえ、憧れとかでは全然なくて。実は歌手になりたいという思いは小学生の頃からあったんです。卒業文集にも「自分には夢があります。それになれるように頑張ります」みたいなことを書いていて。

あとで人が見返した時に、その夢が叶っていなかったら恥ずかしかったので、「歌手になりたい」とは書けなかったんですけど。ただ、年齢を重ねていくうちに「普通にないよね、無理でしょ!」という気持ちになっていって、オーディションを受ける気にもならなかったし、 自分の中で自然と音楽をやるっていう選択肢が消えていったんです。

なので、中高生の時は将来普通に働くんだろうなって思っていたんですけど、途中で「ちょっと自分は普通に生きられないかもしれない!」と思って(笑)。

──何があったんですか(笑)。

吉乃:性格的に、みんなが当たり前にできることができないんですよね。例えば、宿題を提出するとか、時間を守るとか。

だから自分が社会に出て生きていくイメージがまったく持てなくて、「ヤバい!どうしよう?」と思い始めたタイミングで、歌い手出身の方々がどんどんメジャーデビューされているのを見て、「自分も頑張ってみたいかも」と思って力を入れるようになりました。

その前から歌自体はYouTubeやTwitterに投稿していたんですけど、とりあえず音楽をやりたかったので、自分のやれる範囲で自分の歌いたい曲を歌うとなったら、歌い手が最適解だったという感じですね。

──カバー動画で活動の転機になったものを挙げるとすれば?

吉乃:いくつかありますけど、パッと浮かぶのは柊キライさんの「ボッカデラベリタ」ですね。それまではバラードをメインで歌っていて、がなるような歌い方はしていなかったんですけど、試しにやってみたらそれがウケて、当時はその動画が一番聴いてもらえたんです。それをきっかけにアップテンポで激しめな曲を歌い始めたので、私のがなりは柊さんの楽曲が引き出してくれたと思っています。

 

 

──今やがなる歌い方は吉乃さんの大きな特徴のひとつになっていますものね。では、ご自身のストロングポイントについてはどのように自己分析していますか?

吉乃:これは喋っている時もそうなんですけど、声がよく通ることですね。人からも「声が響きますね」とよく言われるので、「声が大きくてすみません」っていつも思うんですけど(笑)。あとはガラスみたいに鋭利な声とか、包丁や刀みたいにまっすぐ突き刺さる声と言われたりもするんですけど、自分でも確かにそうだなって思います。

 

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