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不老不死? 性別は? 能力は? 『ONE PIECE』最大の闇「イム様」の解説・まとめ
主人公モンキー・D・ルフィが仲間とともに海賊王を目指し海を冒険する物語『ONE PIECE』。海賊であるルフィたちとしばしば敵対する大きな勢力が「世界政府」です。
長らくの間、そのトップに君臨するのは最高位の天竜人「五老星」とされてきましたが、近年明かされた裏の王が「イム様」と呼ばれる謎の存在。
本記事では、そんな未知なるイム様についての情報をまとめていきます。
※本記事には『ONE PIECE』コミックスやアニメ未収録話のネタバレを含みます。ジャンプ未読の方はご注意ください。
イム様の基本情報
名前:ネロナ・イム聖(通称:イム様)
一人称:ムー
二人称:ヌシア
年齢:800歳以上?
性別:?
出身:?
悪魔の実:?
住居:マリージョア パンゲア城内・花の部屋
イム様とは
世界最高権力であるはずの五老星すらも跪かせる、真に世界を牛耳っている裏の王。
現在、イム様については年齢・性別・能力などステータスのほとんどが不明。すでにアニメにも登場しておりセリフもあったものの、担当声優についても明かされていません。これまでアニメ化にともない声優の一致から同一人物のキャラクターが明らかになるということもあったが(例:天狗山飛徹=光月スキヤキ)、イム様の声にはエフェクトがかかっておりキャラクターの性別や年代すらも悟られないようにしている徹底ぶり。
床に引きずるほどの長い黒マントを頭から被っているため顔がわからず、ビジュアルの情報は少ないのが現状ですが、時折丸く大きな目元だけが描かれることがあります。その他見た目の特徴といえばマントを被っていても目立つ異様に長い頭(王冠の可能性もあり)、身体のバランスに対して下の方から伸びる腕、華奢(小さい)印象の手指といったところ。
一人称や二人称は性別、年齢、種族などを割り出す手がかりとなりそうなものですが、自身を「ムー」、他者を「ヌシア」と呼ぶなどこれまでのワンピキャラにはない言い回しをするためこちらも未だ不明です。本名には男性天竜人特有の“聖”がついているため男性かと思われますが、実は女性説も根強い。(後述)
イム様の存在が明らかとなった経緯
初登場は世界会議(レヴェリー)編。第906話“聖地マリージョア”(『ONE PIECE』コミックス第90巻収録)で、当時15億ベリーの賞金首であったルフィと誰かの手配書を持ち、マリージョア・パンゲア城の階段を登った先のどこかに保管されている巨大な麦わら帽子を無言で見つめる……という意味深なシーンで登場を果たしました。
そして続く第908話“世界会議開幕”(『ONE PIECE』コミックス第90巻収録)では、イム様が「虚の玉座」に座る姿が描かれます。
「虚の玉座」とは、<各国の王達は皆“平等”であり 独裁の欲は持たない><世界の中心に位置し 誰も座らない事が平和の証><世界最高の権力者が天竜人の最高位「五老星」であるように この世界にたった一人の“王”などいない>(『ONE PIECE』コミックス第90巻より引用)ことを象徴する特別な玉座。たとえ誰であっても、そこに座ることを許されていません。
これは現在の世界を創造した“最初の20人※”の王が決めたことで、800年の間続いているルールとなっています。
欲をかいたゴア王国のステリー王が「虚の玉座」に座ってもよいかと尋ねると、冗談でも言ってはならないことだと咎められるほど、絶対的な禁忌のようです。
イム様はそんな「虚の玉座」に腰掛け、世界の最高権力であるはずの五老星を見下ろします。五老星はマントのような羽織りを着て正装し、揃ってイム様に跪くのでした。
※最初の20人とは:800年前に「20の国の連合軍」を率いた20人の王達のこと。「ある巨大な王国」を滅ぼし、天竜人(世界貴族)となって現在の「世界政府」を樹立した。この20の王家には現アラバスタ王国を治めるネフェルタリ家もいたが、天竜人になる道を捨て現在に至る。その他現時点で判明している20の王家はネロナ家・イーザンバロン家・ジェイガルシア家・シェパード家・トップマン家・マーカス家・フィガーランド家・ロズワード家・ドンキホーテ家。現在のイム様、五老星、神の騎士団といった天竜人の中でもさらに位が高いポジションについている家系もあるため、世界政府樹立当時より権威順があった可能性も?
イム様の役割
五老星をも跪かせるイム様の主な役割は「消すこと」だと考えられます。
五老星がイム様に「歴史より消すべき“灯”がまたお決まりでしょうか?」(『ONE PIECE』コミックス第90巻より引用)とお伺いをたてていたように、世界政府にとって都合の悪い人・物・国を消すかどうかはイム様の一存によって決められているようです。
第1060話“ルフィの夢”(『ONE PIECE』コミックス第105巻収録)でルルシア王国を跡形もなく消し去ってしまったのもイム様の指示が発端でした。世界政府にとって都合が悪いというわけではなくとも、イム様がマザーフレイムを使ってみたいと思えば(物理的に)近いという理由のみで、地図上にバツをつけさえすれば実際に国が吹き飛ぶ……その権力はあまりに強大です。
その他、ジョイボーイ(ルフィ)を始末できなかった五老星・サターン聖の処分(粛清)もイム様が行いました。新たな五老星・ガーリング聖の配属を決めたのもイム様のようなので、自分の直属の部下についてもイム様自身が決めているのかもしれません。
こう見ると、世界政府にとっての都合よりもイム様自身の都合が優先されている気がしなくもないですが、世界最高権力のさらなる上に立つ存在してはならないはずの王なので、独裁もやむなしでしょうか。
不老不死確定? 800年以上生き続ける世界の創造主
さらに第1086話“五老星”ではマーズ聖がイム様からルルシア王国を消すよう命じられ「世界は創造主の思い通りゆえ…」と語っています。
イワンコフによると、イム様は今の世界政府が樹立した最初の20人の中にも名前があり(ネロナ家のイム聖)、800年前当時から生き続けている可能性が高い。それが悪魔の実(オペオペの実)の不老不死によるものか、特別な種族などの理由があるのかは定かではありませんが、この世には“不老”の能力があり、この世界のどこかに死なずに生きている者がいることは確定しているのだといいます。1085話“ネフェルタリ・コブラ死す”(『ONE PIECE』コミックス第107巻収録)では、コブラ王もイム様の名が最初の20人の中にあったことを言いたげでした。
それから独裁を続けているのは、単に最初の20人の中でただ一人存命だからなのか、当時から現在のようにイム様のみが権力を持つ裏の王的存在だったのかは謎に包まれています。
ちなみに、ルルシアの一件ではウォーキュリー聖が「ずいぶん人がいます」とそこで生きる人々を気にかけるそぶりも。やはり五老星は最初の20人の末裔に過ぎず、実際の“創造主”にはどうしても逆らえないだけであって、ここまでやりたい放題の悪政ぶりは五老星にとって本意ではない……という可能性も微レ存か。