
恋太郎ファミリー加入の洗礼とは? 『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』第2期:原賀胡桃役・進藤あまねさん×須藤 育役・高橋李依さんインタビュー|胡桃・育の魅力&収録現場の愛のマイクワーク
「原作から声がする」ってすごくいい表現だと思っていて、それを目指しているんです
──それぞれのキャラクターの話をお聞かせください。まず、進藤さん演じる原賀胡桃について教えてください。
進藤:原賀胡桃ちゃんは、腹ペコ女子です(笑)。運動部にいるような腹ペコ系の子かと思いきや、ただ消化が早くてお腹がすぐに空いてイライラしちゃう子なんです。でも、イライラしつつ、後輩らしいかわいさもあって、そこは演じるときに意識しているところです。私もすぐにお腹が空くし、キャストの中では私が一番後輩だったので、そこは似ているなぁって思いました。
──演じるときは、どんなところを意識しましたか?
進藤:最初のアフレコでは低めの声で役を作ってきていたのですが、音響監督の土屋雅紀さんから「(進藤の)地声は低めだけど、その中に高い要素もあって、そこにかわいさがあるので、あまり考えすぎずに」と言っていただいて、そこを意識しました。
──進藤さんご自身の地声が胡桃のイメージに近かったんですね。
進藤:そうなんです。後日打ち上げで、土屋さんや佐藤光監督から、テープ審査のときの「響、進藤あまねです」の自己紹介が胡桃だったよ、と言われて驚きました。声が公開されるまですごく不安だったのですが、アニメのPVが流れたとき、胡桃ちゃんを好きな皆さんが「想像通り」と言ってくださっているのを見て、良かったなぁって安心しました。
──彼女の魅力というと?
進藤:やっぱり美味しそうに食べてくれるところがかわいいですよね。食べたあとのほわほわした顔が本当にいいなと思います! あと、裏で薬膳楠莉(CV. 朝井彩加)が投げたお饅頭を取りに行く、みたいな細かいアドリブもあったりしたので、腹ペコ要素が細かく入っているのも、すごく好きです。
──高橋さんは、進藤さんが演じる胡桃を見ていかがでしたか?
高橋:腹ペコ系も魅力なんですけど、実はツッコミもやってくれるんです!
進藤:ありがとうございますっ!
高橋:この作品、ツッコミ担当が本当に少なくて、唐音と胡桃くらいなんです。ガッと前に出ていくツッコミと、引いたところで「おいっ!」って感じのツッコミ、2つの手札がある状態になってさらにパワーアップしたなと感じました。
──育はボケでしかないですからね……。
高橋:私は自由にやらせてもらっているので、ツッコミチームは本当に大変だろうなと。ツッコんでもらわないと、自分のボケが成立しないから「いつもありがとう」の気持ちを持ってやっています(笑)。
さっき、居残りの話もありましたけど、最初のお当番回でしっかり役を固めていったからこそ、私が入ったときにはもう完成された胡桃だったので、すごく頼もしい存在でしたよ!
──胡桃は食べているシーンが多いかと思うのですが、そのあたりで意識したことはありますか?
進藤:第14話(「開幕! 激闘! 決着! フードファイトフェスティバル」) では毎回、「美味しい~」とリアクションをするんですけど、毎回同じではダメだし、かといってただ大きくすると、さっき食べたものより美味しいのかな?ってなってしまうので、そこは考えました。胡桃ちゃんとしては、すべてが平等に美味しいと思うので。
あと、「食感がどんな感じなのかを考えてみて」とディレクションもあって、その点も意識しながら私自身も収録中にファイトしている感覚でした。
──食べながらしゃべるって、技術の話でもありますよね。
進藤:そうですね。この回はほかのキャラクターも食べながらしゃべっていたので、すごく勉強になりました。
──続いて、高橋さん演じる須藤 育について教えてください。
高橋:お名前の通りストイックな少女で、9番目の彼女が野球部というのも覚えやすいですよね。野球に対する思いはオンエアを見ていただければわかったと思うんですけど、「どうしてその選択をしたんだ?」っていうのがいつもある子ですかね。ストイックさと彼女の喜び方(?)が、すごくやりがいのあるキャラクターでした(笑)。
──よく「キッツ…ッ♡」と言っている印象があります(笑)。
高橋:胡桃の話を聞いていて私もそうだなって思ったのは、育の「キッツ…ッ♡」も毎回違うようにしていたんですよね(笑)。
進藤:あはははは(笑)。
高橋:これはどんなキツさなのかな?っていうのを考えながらやっていたので、同じ言い方にならないようにと意識して演じていました。
あと、第17話の失恋のキツさにゾクゾクしているシーンでは、育の声を3つ同時に重ねているんですけど、育のモノローグと「キツい♡」のセリフで台本が3段に仕切られていて…。こんな台本初めて見たかもと思いつつも、私もストイックになって育についていかないと置いてかれてしまうと思ったので、エネルギッシュに食らいついていきました。
──進藤さんは、育を見ていてどうでしたか?
進藤:本当にお話ししていた通り、ストイックだなぁって思いましたし、りえりーさん(高橋さんのこと)のストイックさも感じました。
──高橋さんはストイックな印象がありますよね(笑)キャストが発表されたときの納得感がすごかったです。
高橋:嬉しいです。富田美憂ちゃんからも「りえりーだと思ってた!」と言ってもらえて、そんな名誉なことある?って思いました。
よく我々オタクが使う「原作の声がする」ってすごく素敵な表現だと思っていて、声優の自分としてもそれを目指しているんですけど、『100カノ』を読んでいて本当にキャスト陣の声で再生されているから、みんなぴったりだ……って感動しています。
進藤:読んでいて声が再生されるの、すごい分かります!!
あと育ちゃんを見ていて、私自身が野球好きで、しかもドM属性もあるので、「わかる!キツいよね!」っていろいろ共感していました。
高橋:あはははは(笑)。
ひとりに割ける愛の量が決まっているのならば、恋太郎自身の愛を大きくすればいい
──ちなみに恋太郎というキャラクターはどう思いますか?
進藤:大好きです!! 普段ラブコメの作品の中でも主人公の男の子を好きになることが多いんですけど、恋太郎は特に好きです。愛し合わないと死んでしまうという事情があるとはいえ、言ってしまえば浮気者なんですけど、平等に愛を伝えられるって素晴らしいなと思ったので、私も恋太郎の彼女になりたいです!
高橋:これだけ愛してくれるのなら「いっか、彼女が100人いても」ってなるかもね。
進藤:それでいてウブなところもあるし。ちゃんと照れるから、そこもかわいらしい。
──脳内が全部「愛」でできていますからね、彼は。
高橋:人間の目指すべきところって、それかもしれないですよね。それこそ、私もお仕事をやらせていただきながら、ひと作品に割ける時間ってどのくらいだろう……でもどの作品も大好きなんだよなって考えたことがあるんです。そんなときに「そうか、私の持っている愛がそもそも大きければ、どの作品にも100億%で愛情を注げるわ!」って、自分がまず大きくなろうって思ったんですよね。恋太郎も、割ける愛の総量が決まっているのならば、そもそもを大きくすればいい。多分そういう思考回路だと感じたので、共感します。
進藤:話が脱線しちゃうんですが、恋太郎が目でクッキーを食べるシーン(第15話)があるんですけど、あれが私、大好きで(笑)。
高橋:もう、意味がわからないけどね(笑)。
進藤:やるたびに笑ってしまいそうになるので、ブースから出ようかなと思ったくらいなんですよ。本当に、どう出しているんだろう?ってレベルの音を出していたし、ディレクションで「もうちょっと目で食べている感じでできますか?」と言われていて……。周りのキャストはハテナなんですけど、加藤さんは「わかりました」と言ってるから、「わかりました?????」ってなりました(笑)。
高橋:第1期のときから、相当な修業を積んできたんでしょうね……。
──では、推しの「彼女」を挙げるとしたら誰ですか?
高橋:本当にみんなかわいいから推しが増えていくんですよ! スマホゲームだったら、全員完凸したいなって思うくらい、マジで可愛いから悩みますね……。
進藤:悩むなぁ。
高橋:そしたら今日の私は、オトナ(18歳)楠莉(薬膳楠莉/CV.朝井彩加)推しかなぁ。研究者タイプのビジュがもともと好きで、見透かしているような瞳にそそられるんですけど、おもらししているっていうギャップがヤバすぎて、知れば知るほど大好きですね。
進藤:私は、羽々里さんが好きです。頭のネジのハズレ具合が好きで。
高橋:ずっとわけがわからないことを言ってるもんね。
進藤:それを演じている上坂すみれさんもすごく好きなんです。
高橋:最高です!
進藤:それに、まだアニメに出ていない彼女たちも好きなんです!!
──全員出るまでアニメ化してもらいましょう(笑)。お二人は第2期のOPテーマ「ありがと、大好きになってくれて」、そしてEDテーマ「Unme i?」を歌っていますよね。注目ポイントなどありますか?
高橋:OPテーマの1番サビのラストに、育から胡桃につながる激エモメロディのバトンパスがあるんです! ぜひそこを注目して聴いてほしいです!
進藤:私はタイトルも好きで、第1期が「大大大大大好きな君へ♡」で、第2期が「ありがと、大好きになってくれて」なので、お手紙みたい~って思いました。
──EDテーマの方はいかがでしょうか?
高橋・進藤:エンディングの映像がめちゃめちゃかわいいです!!
高橋:グッズ出して~って思いました。
進藤:もう、目が追いつかなかったですよね。
高橋:だから細部まで何度も見てほしい。
進藤:大きなハートの風船のところで、胡桃が風船を食べていたり、育が一番キツそうな場所にいたり…冒頭からめっちゃ好きです(笑)。
高橋:育、あれは多分自分から行ったよね。
──では最後に、今後の見どころを教えてください。
進藤:次回の第18話(「君のホームランに誓う」)の野球回もすごく面白かったです! 私、野球アニメに出ることが夢だったので、ここで叶えてもらえました。
高橋:こ、これでいいの?
進藤:もちろんです! まさかここで野球ができると思っていなかったので、育ちゃんに感謝です。途中から、野球をしているのか、何のバトルをしているのかわからなかったけど、最後に弾けるところの声も育ちゃんだな~って思ったので、ぜひ楽しみにしていてください。
高橋:この作品は、どのエピソードもヤバいんですけど、このあとにくるカラオケ回も本当にヤバいです!
進藤:ぶっ飛んでましたね。
高橋:音楽チームも頭が恋太郎なんですよね。愛が深い!
進藤:どの曲も良い曲でした!
高橋:楽しみにしていてください。
[文&写真・塚越淳一]
作品概要

あらすじ
キャスト
(C)中村力斗・野澤ゆき子/集英社・君のことが大大大大大好きな製作委員会