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- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。
マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」で連載中の遠藤達哉先生による漫画『SPY×FAMILY』。スパイの父・ロイド、殺し屋の母・ヨル、人の心が読める娘・アーニャが互いに正体を隠しながら疑似家族として暮らす日常を描いた大人気作品です。
本作は、疑似家族として暮らす彼らのドタバタで温かい日常と薄氷の上に築かれた各国間の平和を守るためにそれぞれが奮闘するシリアスな物語のギャップが多くの読者を惹きつけ、アニメもSeason3(3期)の制作が決定しています。
更新日である月曜日、2月17日に最新112話前編が公開されました。アーニャのママの姿が描かれ、読者が騒然とした前話とは打って変わって、本話ではイーデン校の新学期の様子に多くの読者がほっこりしているようです。本稿ではSNSに寄せられた反響や感想とともに、112話前編の内容や今後の展開について考察していきたいと思います。
※本稿には、112話前編のネタバレが含まれますのでご注意ください。
長期休みが終わり、久しぶりに学校へ行ったアーニャの様子が描かれた今回はとにかく賑やかな子供たちのやりとりにほっこりする回となりました。今学期からは教科別に学力で分けられたクラスで授業を受ける一年生。アーニャは仲良しのベッキーとは別々のクラスに。
このことをきっかけに新しいキャラクターがたくさん登場しているのですが、どの子も個性的でユニーク! まず気になったのは、大人しそうな見た目の眼鏡女子・コニー。元からアーニャと同じクラスだそうですが、名前を覚えていないところはとてもアーニャらしかったですね。優等生風の見た目の彼女ですが、自分にぶつかって謝りもしない生徒に対し「呪ってやる」「地獄に堕ちろ」と心の中で呪詛を吐く苛烈な一面を見せています。「メガネの子、前から気になってたから登場嬉しい!」「コニー可愛いしおもろいwアーニャと仲良くなってほしい」と読者からも注目されている様子。
また、テルティウスという名の北方の小国セプテヴィアの王子も登場。イーデン校には海外のセレブが留学してくることも珍しくないのだそうですが、彼もまた強インパクト。王冠のような独特な髪型に、一人称が「余」。読者からも「髪型個性的すぎるやろw」「一人称が余の小1は笑う」「テルくん傲慢な態度なのかと思ったら中身可愛いな」とツッコミの嵐。
そして事件はそのテルティウスを中心に巻き起こります。女子たちに囲まれる彼を遠くから見やる一人の男子。アーニャは彼の焦った心の声を読み取ります。「あいつの顔 セクシーな泣きぼくろ そう思われてる ちがう あれは… オレのハナクソ…!!」わざとではないものの、彼がたまたまポイと投げ捨てたハナクソが王子様の顔についてしまったというのです。
男子はどうにか自然な流れで取り除こうと接触するも、見事に交わすテルティウス。澄ました顔で虚勢を張っていますが、虚弱体質なテルティウスは急に顔に手を伸ばされて内心では戦々恐々。それでも「セプテヴィア王国の威信を背負ってここにいる!」と自分を鼓舞し、相手と戦う意思を見せます。一方の男子は、「やばいこのままじゃ東国(オスタニア)の印象も最悪でガイコー問題だ!!」と何やら壮大な展開を想像している様子。
「こうやってすれ違って戦争が起きるんだなあ……(遠い目)」「いやハナクソw」「男子っぽくていいと思います」とのコメントの他、久しぶりのギャグ満載回に「平和が一番!」との声も。
男子2人の勝負の行方は後編に続くようです。果たして東国とセプテヴィアの戦争は回避できるのでしょうか…!?
物語冒頭、長期休み明けのアーニャは、冬の寒さも手伝ってなかなか起きることができません。ロイドに布団をはがされて叩き起こされるも、学校に行かなくていい仮病を次々に口にします。
娘の言い訳を「嘘はよくないぞ!」と一蹴するロイドに対し、ヨルは本当に心配し「とりあえずお熱を計りましょう」と体温計を取りに走ります。それを聞いたロイドも「休みたい本当の理由があるかもしれんし無理強いすれば心の傷が…」とアーニャに寄り添う姿勢を見せます。もちろん学校に行きたくないための嘘だったため、アーニャは真に受ける両親を前に恥ずかしくなってしまい、観念して学校に行くことにしたようでした。
「ロイドもヨルもいい親やん……」「マジで心配されると恥ずかしくなるのあるあるw」「寒いよね…起きたくないよねわかるよ…」「がっこういくって言えてえらいぞアーニャ!」「私も仕事行くがんばる~」と癒される読者や学生時代を思い出したという読者の声も上がっています。まだまだ寒い冬の朝、我々もアーニャを見習って頑張りましょう……。
「この学校の子みんなキャラ濃すぎない?」という声が散見されるほど個性的なキャラクターが続々登場した今回。前回までが物語の核心に迫る内容だっただけに、ここからの続きがとても気になりますね。
そもそも本作で東国と西国(ウェスタリス)以外の国の名前が出てきたのは初めてのこと。北方の小国ということですが、この国がアーニャの出身国なのでは? と予想する声もあるようです。ここからアーニャの出自の秘密が紐解かれていくのでしょうか……。
112話がギャグ回であることは間違いありませんが、ギャグ回からシリアスな展開に繋がることも多い本作なので油断できません。個人的には今まで限定的だったアーニャの交友関係が広がるのもとても楽しみです。イーデン校の個性的な友達との賑やかな学校生活をもっと見せてほしいと思います。
[112話 前編]SPY×FAMILY - 遠藤達哉 | 少年ジャンプ+
1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。