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『ゴジュウジャー』 松浦大悟が明かす「ナンバーワン戦隊」誕生の記録【インタビュー】

スーパー戦隊とはどういう番組なのか、今一度とらえ直すーー『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』チーフプロデューサー・松浦大悟さんインタビュー

タイトル候補には「超世紀全戦隊」「戦隊天下一決定戦」も!?

ーー『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』という戦隊名が決まるまでの経緯をお聞かせください。

松浦:実は最初、僕から白倉さんに、『Power Rangers ◯◯』みたいに、「今後の戦隊の冠は全部『スーパー戦隊◯◯』にするというのはどうでしょう?」と提案してみたんです。シリーズのブランディングの枠組みを分かりやすくするという意味で。ただ、話し合う中で、「それではワンオブゼム(大勢の中のひとつ)になってしまう」となりまして。

他社のシリーズになりますが、白倉さんには『機動戦士ガンダム 水星の魔女』というタイトルがすごく響いたらしくて。ガンダムシリーズを作る時に「『水星の魔女」はなかなか出てこない、ビビるよね。『水星の魔女』て!」って。そんなシリーズを並べた時に抜きん出る冠。『水星の魔女』のように、シリーズの幅を広げるネーミングにしようという方向性になりました。

『ゴジュウジャー』はかなり早い段階で決まっていたんです。同時期に「最強戦隊」という案も出ていたのですが、少し地味だなと。あとは「戦隊最強伝説」「戦隊天下一決定戦」とか、昔使われていた「超世紀全戦隊」みたいなネーミングまで引っ張り出し……色々な戦隊冠を考え、最後は「ええい!カタカナにしちゃえ!」と(笑)。あの『暴太郎(あばたろう)』ですら漢字なので、カタカナになれば、否が応でも目を引くと思ったんです。遠目で一覧を見ても「ひとつだけ長いぞ!?」みたいな。

ちなみに白倉さんが気に入っていたのは、僕が冗談で出した「ぼっち・ざ・せんたい」という案でした(笑)。はぐれものの戦隊なので、あながち間違ってはいないのですが、本当に歴史の闇に埋もれてくれてよかった……(笑)。

ーー(笑)。「ナンバーワン戦隊」もかなり斬新なアイデアだと思いますが、反対意見はなかったのでしょうか?

松浦:「はあ?」みたいな声は勿論ありましたが、やったもん勝ちだと思っています。この番組に関わる人たちはなんだかんだ楽しいことが好きなので、保守的だとしても最後は分かってくれる人の方が多いです。

ーー今年は久々にグリーンの戦士も登場していますよね。メンバーの配色やデザインについてはどのように決めていくのですか?

松浦: グリーン登場はバンダイさんからの提案でした。『王様戦隊キングオージャー』のように、毎回グリーンバックを使って撮影する番組ではないので、久々に出てきてもらうのもいいかなと。ただ、青と緑が同時にいると撮影が大変なんですよ。その分、グリーンファンの皆様には楽しんでいただきたいです、手間は倍かかっていますので……(笑)。

デザインについては、白倉さんとの対談でも話した通り、「単体で仮面ライダーに勝てる」デザインをプレックスさんにお願いしました。

やっぱりスーパー戦隊に必須なものって、形・シルエットではなく『色』分けだと思うんです。たとえば最近だと、『仮面ライダーセイバー』が「戦隊っぽい」と言われていた理由は、そこにあったりするのかなと。『機界戦隊ゼンカイジャー』の経験上、どんな形でも「色さえ分かれていれば戦隊になる」という確信がありました。デザイナーの皆様にはご苦労をおかけしましたが、素晴らしいデザインになったと思います。

ーースーツの黒い部分などに従来とは異なる素材が使われていて、スタイリッシュな印象です。

松浦: 僕の中に仮面ライダーゼロワンのデザインを見た時の衝撃がずっと残っているんです。それこそゼロワンを赤・青・黄~の5色で作ったら、戦隊に見えそうじゃないですか? そういう意味でも戦隊の特異性を考えて、突き詰めたデザインになっています。



ーー悪の組織・ブライダンについては、いかがでしょうか?

松浦:指輪がアイテムになるのは先に決まっていた中で、「劇中で敵味方問わず、みんながその指輪を欲している設定にしたい」という話になりました。なので、ブライダンは基本的に「指輪」を求めて侵略を仕掛けてきます。「指輪」からの発想で「結婚」というモチーフを出してくれたのは亜樹子さんでしたね。「悪の組織」なのに「結婚」という祝福のモチーフをあてがう辺りが、亜樹子さんのハイセンスな部分だと思います。

「ナンバーワン怪人」に関しては、例えば、そこまで「指輪」を重視するなら、『ルパンレンジャーvsパトレンジャー』のギャングラーみたいに「怪人に指輪が埋め込まれている」という設定にもできると思うんですけど、それだとヒーロー側が『自分の報酬のため』に怪人を倒す人たちになってしまう。我欲で「動き過ぎる」人たちになっちゃうよね、という危惧があったんです。基本的には癖が強く、まとまらず、はぐれものでいい。だけど人々を脅かす怪人に対しては結束するし、一方で指輪=自分の目的のためにひた走る。つまり「ゴジュウジャー」の5人にとって、怪人と戦うことは本来の目的ではないんです。それでも、人を守らずにはいられない。そういうヒーローって、良いんじゃないかなと思ったんです。

あとは「ナンバーワン戦隊」からの連想で、毎回何かの「ナンバーワン」が決まるのは絶対に楽しいだろうなと。「『快傑ズバット』じゃん!」という突っ込みもありますが、どちらかというと『ビーロボ カブタック』です(笑)。

ーー 『ナンバーワン戦隊』が発表されてから、SNSでは『快傑ズバット』の話題も上がっていました。

松浦:個人的にも「あれくらいぶっ飛ばないとな」って。急に早川健(『快傑ズバット』の主人公)がギター弾きながら、ブルドーザーに乗って来るんですよ(第8話「哀しみのプロパン爆破」)。で、子どもたちが「早川さんだー!」って普通に進行する(笑)。ブルドーザーには誰もツッコまない(笑)。『ズバット』をやりたい訳ではないですけど、素晴らしい先達だとは思っています。

加えて、白倉さんや田﨑監督は「クライシス帝国」(『仮面ライダーBLACK RX』)の「オレは怪魔獣人大隊最強の戦士!」という決めセリフが好きみたいでして。そんな話し合いもあって、「俺はノーワンワールド〇〇ナンバーワン!(自称)」と毎回のたまう「ナンバーワン怪人」の設定は決まっていきました。亜樹子さんは終始ポカンとしていましたが(笑)。



ーー脚本を井上亜樹子さんにオファーしたのは、どんな狙いがあったのでしょうか?

松浦:スーパー戦隊の歴史とか、特撮の既存知識とか、そういう重い荷物はこちらで引き受けるので、「とにかく良い〝キャラクター〟と良い〝台詞〟を書ける人がいいな」と。『ガッチャード』でご一緒して、非常に力のある方だと思ったので、お願いさせていただきました。そうしたら、亜樹子さんから珍しく「父には内緒で伝えたい」とおっしゃって。

ーー『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』などを書かれた井上敏樹さんですね。

松浦:亜樹子さんと僕と『ガッチャード』で一緒だった湊さん(湊陽祐プロデューサー)、敏樹大先生で「ガッチャードではありがとうございました回」というテイで食事会を開き、サプライズで「新戦隊のメインを亜樹子さんにお願いします」ということをお伝えしました。本来そんな義理はないんですけど、「娘さんを僕にください!」って(笑)。大先生もすごく喜んでくださったので、『ドンブラザーズ』と『ガッチャード』、3年続いた縁が収束した気がして、こちらとしても非常に嬉しかったです。 

ただ、亜樹子さんは放っておいても、そのうち何かのメイン脚本をやっていたと思いますよ。たまたま僕が先に目をつけたというだけで、やっぱり実力がある人は抜擢も早いんだと思います。

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