
初レギュラー作品を駆け抜けた心境を語る――『妖怪学校の先生はじめました!』最終回直前!綾坂晴名さん(歌川国子役)インタビュー|国子と連助の過去と未来が描かれた第2クールスペシャルビジュアルは色々と想いを馳せてしまう
田中まい先生が描く、クセ強人間教師・晴明と、個性が大渋滞の妖怪生徒たちによる学園コメディ作品『妖怪学校の先生はじめました!』(月刊「Gファンタジー」連載中)。本作のTVアニメ第2クールの最終回(第24話)がいよいよ迫ってきました。
最終回放送直前に先駆け、アニメイトタイムズでは歌川国子役・綾坂晴名さんにインタビューを実施!
自身が演じる歌川国子のエピソードが色濃く出ていた第23話の振り返りや初レギュラー作品を駆け抜けた心境、さらに国子と連助の過去と未来が描かれた第2クールスペシャルビジュアルについてなどの話題をたっぷりと語っていただきました。
歌川国子のエピソードが色濃く出ていた第23話を振り返り
――いよいよ最終回(第24話)が近づいてきました。
歌川国子役・綾坂晴名さん(以下、綾坂):恐ろしい……!
――前回のインタビューの第1クールの振り返りの際は第12話をあげていましたが、第2クールの中で印象的だったエピソードやシーンを教えてください。
綾坂:やっぱり文化祭が始まってからのエピソードですね。もう涙腺がもたなくて……。入道くん(入道連助)のお母さん(入道蓮華)が登場する場面は本当に感情が揺さぶられました。
綾坂:晴明先生(安倍晴明)が三者面談ができなかったからと、普段の入道くんの話を蓮華さんに伝えるシーンがあるのですが、それが非常に胸アツでして、原作第10巻を読んだ際も涙を流しましたし、アニメになった際もとても感動しました。
(原作漫画第10巻の表紙を見ながら)アニメの第2クールオープニングにこの10巻の表紙の連助たちが出てくるシーンがあって、ニヤニヤしちゃいました(笑)。
――ちょうど第10巻のストーリーが描かれている23話の台本の表紙のイラストは色付きなんですね。
綾坂:そうなんです!しかも、表紙が国子ちゃんなんです!
台本に描かれている絵は普段は線画で、たまに23話の台本のように色が付いていることがあるんですよ。この台本の絵は国子ちゃんということもあり、私はこの台本が大好きで!すごく嬉しかったです。しかも、最終話の前のエピソードなんですよね。
印象的だったシーンはやっぱり、国子ちゃんの過去が明らかになっていくところで、特にたかはし先生(たかはし明)にバッと風穴を開けられた後の回想です。
このシーン以前のエピソードは連助くん視点で描かれていたと思うのですが、19話では、たかはし先生と国子ちゃんの初めての出会いが描かれています。もう、この辺からずっと「どうしよう、どうお芝居しよう」って考えながら演じていました(笑)。
しかも、国子ちゃんが人型ではなく「がしゃどくろ」になっている時で、たかはし先生が命懸けで「何をしたい?教えて」って尋ねると国子ちゃんが「謝りたい」と答えるんですけど、そのやり取りが本当に心に響きます。たかはし先生、めちゃくちゃ良いことしてくれたなって。
綾坂:その後、入道くんの隣に並べるような女の子になるために、国子ちゃんが頑張っていたというシーンも良かったです。
(国子は)元々、小さい頃はずっと病院で過ごしていて、入道くんとはお勉強を教えてもらったことがきっかけで仲良くなっていて、学力的に小学生ぐらいまでしかちゃんとお勉強できていなかったところを、美容を頑張りつつ必死に勉強して入道くんと同じ時期に百鬼学園に入学します。
ほんわかしているように見えて実は芯がとても強い子で、やるときはやる子なんです。それが一番よく表れているシーンだなぁと思って好きですね。
――第2クールのアフレコで意識した点や第1クールと比べて違うなと感じた部分はありましたか?
綾坂:国子ちゃんは後半になるにつれて、どんどんフォーカスされていったので、「最初の台詞の量とは比べ物にならないくらいたくさんしゃべるぞ!」と思う時がありました。
私は本当に歌川国子ちゃんのことが大好きなんです。だから23話は国子ちゃんらしさが詰まっているからその国子ちゃんの良さを、「初めてのレギュラーで緊張もするし、こんな長台詞もしゃべったこともないし…!」という状態の中でどう演じようかなと。国子ちゃんの魅力を伝えられたら良いなと考えながらずっと練習していました。
あと個人的に好きなのは、たかはし先生にブチギレたりと、たかはし先生に対する国子ちゃんの態度が少し強めになっているところです(笑)。
今までそういった台詞はなかったので、「今まで国子ちゃん、ブチギレたことないのに!」と、キャラクターの感情の幅が見えてきたりもして。怒るからには私も全力でやらないといけないし、みたいな感じでした。
アフレコの時も、蒼井さん(たかはし先生役)が話す台詞に対して、「なんで?! なんで風穴開けるの?!」って全力で気持ちをぶつけました。
――アフレコは蒼井さんと一緒だったんですね。
綾坂:私がよくしゃべる話数には大体たかはし先生がいらっしゃって、蒼井さんとは結構ご一緒することが多かったです。
入学した時の「自分が瑠莉だって言えなかった」というシーンを踏まえた上で、最後のシーンでは蒼井さんと「切ないですね……」と、しみじみとした空気の中、お話ししたりもしました。
基本的にアフレコ中はワイワイした雰囲気なのですが、Aパートを録り終わり間の休憩を挟んでシリアスなパートにいくと、みんなが「ふぅ」と一呼吸置くような、作品にのまれて切なくなってしまう瞬間がありました。特に後半はそういう空気感をたくさん感じましたし、私自身もシリアスに引っ張られちゃっていたと思います。
――やはり1クール目と比べてキャスト陣の団結力も上がりましたか?
綾坂:上がった気がします!
第1クールの頃は体育祭や林間学校があって、アフレコブースも大人数なことが多く、教室のような賑やかな雰囲気がありました。でも、後半になるにつれキャラクター1人ひとりにフォーカスが当たり、収録人数も少なくなることも増えていきました。
少人数ということもあり、今までよりも作品について深く話す機会が増えて、「このシーンすごかったね」といったアフレコの感想を自然と1対1で話すようにもなって。
私はあまり行けなかったのですが、みなさんでアフレコ終わりにご飯に行かれていて、「あ、仲良くなっている…!」と思いました(笑)。
――最終話が近くなるとやっぱり寂しく感じられたり。
綾坂:最終話の収録で最後の台詞を言い終わった後に、「はい、これで最後の台詞です。お疲れ様でした!」という言葉を聞いた瞬間、「これで終わりなんだ。切ない」「みなさんと、もう来週から会えないんですか……」とすごく寂しくなりました。
でも、また同じ作品で共演したいな、という気持ちもすごく強くなりましたね。
――連助役の高野洸さんとは、掛け合いをしていく上でなにかお話はされましたか?
綾坂:あまりお話していないかもしれません……(笑)。
一番最初にお会いしたのは、第1クールの2、3話あたりで妖術のテストのシーンでした。国子ちゃんと入道くんがペアになって人間を驚かせるシーンを録る際に初めてお会いしました。
そのシーンの収録では、音響監督の藤本たかひろさんから「2人で目を合わせて台詞を言ってみて」と言われて、実際に『イエーイ!』って台詞をいったことがあって、それがすごく印象に残っていますね。
基本的に台詞上でお話しすることが多かったので、それ以外ではあまりお話してはいませんでしたが、役を通じて勝手に信頼を置いていた節がありました。