
「これから一緒に歩んでいけるんだなと感じて、とても嬉しかったです」East Of Eden 1stアルバム「The First Eden - Seeds Of Hope」Ayasaさん×湊あかねさん×MIZUKIさん×MINAさんが語る新たな一歩
メンバーが語る、お気に入り収録楽曲とは。
──さきほどAyasaさんが「Darkside Lotus」がお気に入り、とおっしゃっていましたが、みなさんのお気に入りの楽曲についてもお聞きしたいです!
湊あかね:私は「IKIZAMA」ですね! 最初にデモを聴いたときに、鳥肌が立ったんです。
「聴いて鳥肌が立つ曲」って、今まであまりなかったのですが、この曲は最初から「すごい!」と思いました。カッコいい曲です。男性バンドが演奏していても違和感がないくらい、パワフルな印象を受けました。
──「IKIZAMA」は、どのようなニュアンスを意識して歌われましたか?
湊あかね:まず、歌詞がすごく力強くて、「後ろ指をさされながらも進んでいく」という内容が印象的でした。ほとんどの曲の歌詞が、打ちのめされているニュアンスが強いのですが……(笑)。
自分たちの歩んできた道や過去を振り返りながら、いろいろ言われたりしながらも、「見てろよ!」っていう気持ちで歌いました。全部、ぶつけました。
──まさに、自分たちの“生き様”だ、と。そしてこの曲は、本アルバム発売時のフォーカストラックにもなっているとお伺いしています。
湊あかね:特に、特別な一曲です。大好きな曲です。
Ayasa:最初にリード曲を決めるときに、「Shooting Star」と「IKIZAMA」のどちらを押し出すか、とても悩んだんです。
「Shooting Star」はメンバーそれぞれの個性が光る楽曲で、「こういうメンバーがいますよ!」と紹介するような曲。一方で、「IKIZAMA」は「私たちはこういうバンドです!」という強い意志が込められている。
一発目のMVで「Shooting Star」を発表してメンバーを知っていただいて、「そんな我らが集まっているのがEast Of Edenです」と「IKIZAMA」で見ていただく。アニメのオープニングのような流れですね。キャラクターの紹介から入って、集合絵で終わる、みたいな。
MINA:「IKIZAMA」、カッコいいですよね……! 特にサビの〈今 この場で息絶えてしまったとしても〉のフレーズのハマり方がとても好きなんです。絶妙に言葉を詰めながら、攻撃力の高いエネルギーが詰まっている感じがカッコよくて。
あかねさんの歌声は、どんな音色にも馴染むのですが、「IKIZAMA」のようなパワフルな曲では芯から突き刺さるような感じがするので、バンドとしても戦闘力の高い一曲になっているのではないかなと思いました。
──3月に控えているZepp公演での披露を楽しみにされているファンも多いかと思います。
MIZUKI:みんなで「オー、オー」って言いたいですよね。今まさに、リハーサルで作り込んでいるのですが、ぜひ声を出してほしい曲です。
ただ、結構フェイントが多いので、しっかりと聴いてきてほしいなと思っています(笑)。
湊あかね:そうそう。みんな頑張って覚えてきてほしいね(笑)。
MIZUKI:そうだね。「IKIZAMA」は、ライブを重ねるごとに成長していきそうな一曲ですね。お客さんが入ることで、さらに楽曲の持つパワーが大きくなるのではないかと思います。
「Shooting Star」と比べるとテクニカルな要素は抑えめで、シンプルで王道ラウドロックの雰囲気がありますから、どのように成長していくのかが楽しみです。
──次に、MINAさんのお気に入り楽曲についてもお聞かせください。
MINA:たくさんあるんだよなぁ……! アニメイトタイムズさんのインタビューなので、やっぱりアニメっぽい楽曲を選びたいなと思うんですけど……「Red Line」でしょうか!
BPMが速く、イントロのギターがかっこよく決まる楽曲です。オープニング曲みたいな印象もあるので、選びました。
ベースラインにはタッピングとノイキャン(ノイズキャンセリング)を入れているんです。特にこの部分は頑張ったので、ぜひ意識して、たくさん聴いてほしいですね!
──湊さんは、「Red Line」をどのように歌い上げたのですか?
湊あかね:この曲は歌いやすかったんですよね。肌馴染みがよくて、「知ってるな、この感じ!」って思いながら歌っていました(笑)。
ただ、ちょっと変えた部分もあって。〈宿命を、限界を超えて〉というフレーズなのですが、最初はもう少しステイな発声だったんです。ただ、私の歌い方のクセ的に自然と上に上がっていく感じになって……最終的にはそのほうが良いよねと、調整しながらレコーディングしました。
Ayasa:この曲はデモの時点でほぼ完成してたよね。
湊あかね:そうそう。だからレコーディングもすごく早く終わったんです。
MIZUKI:私も一発で終わった記憶があるなぁ。
── 一発録り!
MIZUKI:もともとアニソン系のサポートをやっていたこともあって、この手の楽曲は得意なんです!
録り直しを何回もやると、疲れてしまって逆に良いテイクが取れなくなることがあるので、新鮮な一発目をそのまま収めました。
──その勢いが楽曲のエネルギーになっているんですね。Ayasaさんは「Red Line」についてどう思われますか?
Ayasa:Elements Gardenさんの曲は、『バンドリ!』でずっと演奏させていただいているのですが、Elements Gardenさんは楽曲の資料もとても丁寧にご準備くださるので、曲全体のイメージができやすい状態でお渡しくださるんです。今回も、スムーズに作り上げることができました。
あと、個人的に藤永(龍太郎)先生の楽曲が以前から大好きなんです。「Morfonica」の楽曲も手掛けていただいているのですが、それ以外のバンドに向けた楽曲も大好きで。East Of Edenでも、いつか藤永先生の楽曲を演奏したいなと思っていました。
先ほどおっしゃられた通り、MIZUKIさんもアニソンの現場を多く経験されていますし、MINAちゃんもアニメが大好きで、彼女自身も「弾いてみた」をやっている。さらに、あかね氏もYouTubeにアニソンの「歌ってみた」を投稿していたりして、みんなアニソンとの親和性が高いんです。
加えて、藤永先生ご自身がギタリストなので、Yukiさんとのシンクロ率も高いという確信がありました。そんな要素がすべて揃った今こそ「藤永先生にお願いするしかない!」と思って、楽曲制作を依頼しました。
──念願叶っての一曲だったのですね。
Ayasa:そうですね。あかね氏のボーカルで藤永先生の曲が聴けるのも、今までとは違う雰囲気があって良いなと思いました。(藤永先生は)アニソンが好きな方に刺さる楽曲を書いてくださるという、絶対的な信頼がありますね。
……あと、藤永先生ってこんな歌詞を書くんだ……とも思いました。
湊あかね:えっ!? これ藤永先生が(歌詞も)書いてるの? すごいなぁ……。
Ayasa:そうなのよ……!
湊あかね:発注に対する対応力がすごいのかな。歌詞の方向性とか、私たちにピッタリだし、見てくださっているってことかな。この曲でもやっぱり打ちのめされているけど……(笑)。
MIZUKI:……たしかに、「ハッピー! イエーイ!」みたいな歌詞の曲、ないね。
湊あかね:果実が実ったときに明るい歌詞の曲が出てくるんじゃない?
Ayasa:「ハッピー! イエーイ!」って?(笑)
MIZUKI:そうそう(笑)。「収穫して食べようぜ!」みたいな。
──良い意味で、ファンを裏切る一曲になりそうですね(笑)。それでは、MIZUKIさんのお気に入りの楽曲を教えてください。
MIZUKI:バラードの「I don't say goodbye」ですね。ドラムとしては休みが多いのですが、(ドラムの入りが)キメから入るんです。これがすごく気持ち良くて……!
そのまま曲が流れていって、2番のサビ前に入るあかねっちの〈Come again〉……これがたまらないですね。拍が一拍増えて、そこがもう最高なんです!
バラードは二拍四拍のハマりが気持ち良くて、叩いていて楽しいし気持ち良いんです。この曲の最後に入る「ドカドカドコドコドコドコ」という畳みかけるようなフレーズも、めちゃくちゃお気に入りです。
──湊さんはボーカルとしてこの曲はどのようなイメージで歌いましたか?
湊あかね:これは「人が死んでしまった曲」だなと思っていたので……ちょっと、脳内で悲しい気持ちになりながら……とにかく感情のままに歌った曲ですね。
MIZUKI:ハモリもいっぱい入ってるよね。グッとくるんだよなぁ……!
湊あかね:そうそう。MEG(MEGMETAL)さんの曲って、コーラスが厚く入ることが多いのですが、上にも下にも声が入っていて安心感があるんです。自分の声に支えられている感覚です。
MIZUKI:私、Queenの曲のように、たくさんコーラス入っているのが好きなんです。それも相まって、刺さりましたね……良い曲です。
──湊さんのコーラスがたくさん存在すればするほど、喜ぶ人が多そうですよね。
MINA:(大きく頷いて)
湊あかね:じゃあもっとたくさん入れようかな(笑)。
MINA:この曲は聴けば聴くほど、どんどん好きになる曲で……もう大変です。めっちゃ好きになっちゃってて(笑)。
この楽曲でしか得ることができない「心の揺れ」を感じることができて、リハーサルでも「好き……!」って思いながら演奏していました。今でも「好きバロメーター」が上がり続けています(笑)。
MIZUKIのドラムと合わせるのが気持ちいい一曲でもあるんです。Aパートのフレーズを合わせる際、MIZUKIさんの方を見ながらピッタリと合わせていくのが音楽ゲームみたいで。
Ayasa:視覚的な気持ちよさもあるのね(笑)。
East Of Edenとしては、バラードってあまり演奏していなくて。会場限定で演奏してきたバラードはあったのですが、その曲も途中でプログレ(プログレッシブ・ロック)っぽくなる箇所があったり、変拍子が入ったり、様子が変わっていくんですよね。
そうでない、王道かつスタンダードのバラードが手に入ったのが嬉しいです。ライブをする上でもバラードは絶対に必要ですから。(ライブでは)照明などにもこだわって、みなさまにお届けできたらいいなと思っています。