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- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。
甲子園常連の強豪・帝徳高校と練習試合をすることになった小手指。無名の都立高校との試合に帝徳側は何の意味も感じておらず、圧のある挨拶で威嚇されてしまいます。怯む小手指ナインでしたが、山田は「よろしくお願いします」と一人大声で挨拶を返します。その際のモノローグがこちらの言葉です。チームメイトに敬意を持つ山田の姿にグッときます。
中学までは捕手だった山田は、高校では要にそのポジションを譲り、一塁手に転向することを決意します。後悔しないか?と訊ねられた山田は、清峰・要バッテリーの活躍を心底期待している胸の内を明かし、こちらの言葉を続けました。その顔はとても晴れやかで、心から彼を応援したくなります。
甲子園出場をかけた西東京大会3回戦に進んだ小手指。相手校の2点リードで迎えた5回裏でツーアウト満塁のチャンスが訪れます。打者の山田はこの日ノーヒットの自分は見くびられているだろうと推測。これまでチームで練習に励んできた日々を回想し、もっとチーム全員で強くなりたいという思いを強くした彼は、甘い球に山を張って思いっきりバットを振り抜き、相手バッテリーの鼻を明かす長打を放ちます。これにより小手指は逆転に成功! 打った後の「うちのヤマちゃんをナメんじゃねェー‼」というチームメイトの言葉にも胸が熱くなるシーンです!
西東京大会4回戦でついに帝徳高校と戦う小手指。名門校は応援の規模も桁違いで、スタンドからはレギュラーに選ばれなかった部員たちの怒号のような声援が響き渡ります。小手指の3年・楠田が強がって「アイツら全員ピエロみたいなもんじゃん!」と口にしたところ、山田は「あそこにいる人たち全員 僕よりずっと野球が上手いですよ」と話し、こちらの言葉を続けたのです。凄まじい声援にエールだけではなく悔しさや葛藤がこもっている事を教えてくれます。
西東京大会4回戦帝徳高校との試合は相手高校1点リードの中、5回裏帝徳高校の攻撃でツーアウト満塁となってしまいます。もうこれ以上得点はあげられない緊迫した雰囲気の中、鋭い打球は藤堂の元へ。素早く捕球した藤堂は、ほんの一瞬の中でワンバンにするか、ノーバンで送球するのか逡巡します。山田は大きな声でそんな彼の名前を呼びかけたのです。結果、藤堂はノーバンで送球しイップスを見事克服。何度読んでも胸が熱くなるシーンです。
清峰たちをスカウトで獲得できなかったことに多大な未練を抱えて、彼らが絡むと取り乱してしまう帝徳高校の監督・岩崎。小手指メンバーとスポーツ用品店で遭遇した際に、氷河高校との練習試合の観戦に誘ったところ千早から、敵に手の内を見せてしまっていいのか、と問われ、返したのがこちらの一言です。普段面白おじさんとして描かれがちな岩崎の監督としての真の姿が垣間見えます。
名門校である帝徳高校は多くの部員が所属しており、その中からレギュラーになれる選手はほんの一握り。3年間一度もレギュラーに選ばれない選手も少なくありません。そんな日の当たらない一部員の過酷な現実を描いたストーリーの中で、岩崎が国都に告げた一言がこちらの言葉です。名も無き球児の人知れない物語の後で放たれる監督の一言が心に重く響きます。
こちらは名門校を長年率いる岩崎の信条ともいえる一言です。大勢の部員を抱える帝徳ですが、岩崎は選手一人一人をきちんと愛しています。しかし、その愛する選手たちの中からレギュラーを選ぶ時、試合で選手を交代させる時、岩崎は感情を入れず実力のみで冷静に判断しています。このポリシーこそが彼が名将と称される所以でしょう。
こちらは藤堂の姉の言葉です。シニア時代に送球ミスで先輩たちの最後の試合に負けてしまったうえに、そのトラウマからイップスを発症してしまった藤堂。名門校からのスカウトも全部蹴り野球を辞めた兄を残念がる幼い妹に対し、姉はこの言葉を言って聞かせます。横暴に見えて弟を優しく見守る姉の姿が印象的です。
甲子園出場をかけた夏の西東京大会の決勝は帝徳vs氷河。先発の1年生投手・巻田は4回裏で帝徳打線につかまり、二死、一・三塁となってしまいます。ピンチの場面でエース・桐島がマウンドに上がり、球場全体がここからの試合展開を注視していました。しかしそんななか、たった3球、たった40秒で桐島はバッターを三振に抑えてしまったのです。そのときに放ったのがこちらの一言。肝の据わった桐島の言葉にエースの風格を感じます。
こちらは清峰・要のシニア時代の後輩・瀧正雪の言葉です。要は誰よりも早く新しい野球の知識を仕入れるほどの勉強家で、シニア時代にはチームメイトを指導することも増えていました。しかし、自分の至らない点を正論で指摘されたチームメイトは素直にその指導を聞き入れずむしろ腹を立てる者ばかり。その様子を見た瀧はこの言葉を零すのでした。
こちらはスポーツ用品店の店長・安藤の言葉です。2年になり主将を務める山田は、チームの主力メンバーが練習に集中できるように雑務を自分が引き受けてチームを支えたいと安藤に話します。それを聞いた安藤は、「みんなヤマちゃんに雑務押しつけたくてキャプテンに選んだわけじゃねェだろ」と言い、この言葉で喝を入れます。山田のファンを公言している安藤店長、私の大好きなキャラクターの1人です。
こちらは瀧と同じく、清峰・要のシニア時代の後輩・陽ノ本照夜の言葉です。彼の兄・陽ノ本当は帝徳の二枚看板と謳われる名投手の一人。2人は幼い頃同じチームでプレーしていましたが、野球の才能とフィジカルに恵まれ、それでいて人格者である兄の存在が、照夜にとって次第にコンプレックスになっていきます。兄と別のチームを選んだシニア時代に要と出会い、そのとんでもない努力を目の当たりにした照夜は、自分が兄から逃げていたことに気付かされることに。以降、照夜は兄に挑戦し続けること、自分自身と戦うことを諦めないと誓い、練習に打ち込むようになるのでした。
これは一年生の頃から帝徳の四番打者を務める国都英一郎の言葉です。彼が二年生の夏の大会で再び公式戦で戦うこととなった小手指と帝徳。しかし、試合の中で急成長を遂げる要のリードを前に、国都は勝てるイメージが全く持てません。自分を見事三振に抑えた要を、国都はこの一言で讃えたのでした。
本稿を作成するにあたり、1巻から最新話まで改めて読み直したのですが、『忘却バッテリー』大好きな筆者としては正直どれも名言に感じられ、取捨選択にとても苦労しました。青春を野球に捧げる彼らの言葉はどれも心に訴えるものがありますね。今回取り上げていない台詞の中にもきっとあなたの心に刺さる名言があるはず。ぜひ原作を読んで自分の好きな言葉を探してみていただきたいと思います。
1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。