
『ゲゲゲの鬼太郎 私の愛した歴代ゲゲゲ』4月〜6月期エンディングテーマ「Party of Monsters」は、氷川きよしさん×小室哲哉さんによる豪華タッグ! 楽曲に込めた遊び心とリスペクト、氷川さんが開いた新境地とは?【インタビュー】
2025年4月6日(日)朝9時からフジテレビほかにて、各界の著名人がセレクトした傑作選『ゲゲゲの鬼太郎 私の愛したゲゲゲ』が放送スタート!
そして、本番組の4〜6月期のエンディングテーマに氷川きよしさんの新曲「Party of Monsters」が決定しました。楽曲プロデュースを担当したのは、なんと小室哲哉さん! 異例のタッグによる、全く新しい“鬼太郎ソング”が番組を盛り上げます。
「Party of Monsters」はテクノ色の強いダンスチューンでありながら、テンポが速いラップ、氷川さんならではの“歌い方”など、遊び心と作品へのリスペクトが感じられる楽曲となっています。
本稿では、氷川さんと小室さんにタッグを組むことになった経緯や、「Party of Monsters」の聴きどころ、アニメソングへの想いなど語っていただきました。
『ゲゲゲの鬼太郎』は初タッグにピッタリな作品
ーー今回、氷川さんと小室さんのタッグで『ゲゲゲの鬼太郎 私の愛した歴代ゲゲゲ』の4月〜6月期のエンディングテーマを担当されることになった感想をお聞かせください。
氷川きよしさん(以下、氷川):憧れの小室哲哉さんの曲を歌わせていただくことができて、すごく感動しています。小室さんの曲が、青春時代の自分に生きる力を与えてくださったように、今度は歌い手として小室さんの曲を歌うことで、これからの皆さんの力になりたいです。
そして大好きなアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』の楽曲を歌うのはアニメ第6期の主題歌を入れて、3度目になりますので、より沢山の方に届くといいなと願っています。
ーー今回の豪華タッグは、どのような経緯で実現したのでしょうか?
小室哲哉さん(以下、小室):以前から楽曲の依頼はいただいていましたし、TM NETWORKの木根さん(木根尚登)とKIINA.(氷川さん)は交流があることも知っていました。そして去年、コンサートを観覧させていただいて。
氷川:あの時はありがとうございました。
小室:TM NETWORKの「SEVEN DAYS WAR」をカバーしてくれたり、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」を日本語訳でやったりして、幅広く歌われているんだなと。「何でも歌えそう」「色々な可能性がある」と思っていたんです。
個人的にも近年はアニメづいていて、ガンダムの映画の曲を作ったり(映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』主題歌「FREEDOM」)、Netflixの映画(『シティーハンター』ED曲「Get Wild Continual」)をやったりしました。
そんな中で「KIINA.と一緒にやるなら、アニメのタイアップがいいんですよね」とお願いしていたら、今回『ゲゲゲの鬼太郎』というバッチリなタイアップをさせていただけることになったんです。
楽曲イメージはマイケル・ジャクソンの「スリラー」。氷川さんはMVで激しいダンスも!?
ーー「Party of Monsters」の制作過程について、お聞かせください。
小室:去年の11月にお話しをいただきましたが、パッと浮かんだ訳ではなく、「どうしようかな?」と1カ月くらい考えていました。
「僕っぽいけど今っぽくもある、その中間を狙えば、KIINA.に合っているんじゃないかな」と。あとは、ラップも混ぜられたらいいなって思って作りました。僕の頭の中では、マイケル・ジャクソンの「スリラー」をイメージしていたので、KIINA.があんな感じで頑張ってくれたらなって(笑)。
氷川:実は先日、MVも制作しましたが、思い切り踊っています。フルコーラス踊ったら動悸がしました(笑)。でも、それくらいが丁度良いのかなと、
小室:『ゲゲゲの鬼太郎』自体、振り付けを楽しめる題材だと思いますし、セットが作りやすそうですよね。
ーー氷川さんにとっては、復帰後初の新曲でもありますね。
氷川:約2年ぶりになりますが、子供の頃から観ていたアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』の3度目の主題歌で再出発できることはすごく光栄ですし、鬼太郎が背中を押してくれているような感覚もありました。小室さんのお力を借りてまた新しいスタートを切れたらいいな、この曲で自分の歌の世界が広がったらいいなと思っています。
世間の皆さんは、去年の紅白(『第75回NHK紅白歌合戦』)で歌った「白雲の城」のイメージで止まっていて、「新曲はきっと演歌だろう」と思っているかもしれませんが、それを良い意味で裏切っていくというか。これからも色々な曲を歌っていきたいので、良いスタートが切れそうでワクワクしています。
ーー小室さんからデモが届いた時の感想も伺いたいです。
氷川:今までにない感じの曲なので、「かなりの挑戦になる」という感覚がありました。レコーディングでは小室さんも長時間お付き合いしてくださったので、自分もその熱意にお応えしたいという想いがあって。心のキャッチボールと言いますか、自分自身のエネルギーにもなりました。
「限界突破×サバイバー」(『ドラゴンボール超』主題歌)の時も「この曲は歌えないかも」と言っていましたが、実際に歌ってみると手応えを感じましたし、皆さんからも好評の声をいただいて。「無理と思った曲のほうが良い曲になる」という新しいジンクスが生まれた気がしています。挑戦することって、何歳になっても大事なんだなと。
ーー小室さんにも伺いたいのですが、氷川さんとのレコーディングはいかがでしたか?
小室:演歌の長い音符に慣れていると思いますが、この曲は短い音符……具体的に言えば16分音符がざっと羅列するので、KIINA.が何十年も掛けて習得してきたプロの技が使えないところがあって。
氷川:ありました(笑)。
小室:そのギャップをどう埋めようかなと。どうすればKIINA.らしさは消さずに、新しい歌い方ができるのか。その辺りを模索していました。
実は曲のバージョンを2つ作っていて、KIINA.が歌として歌える、ラップ調ではないバージョンもあったんです。ただ、ラップ調のほうがインパクトがあるので、こちらを選びました。
氷川:レコーディングの日まで四六時中、寝る時も起きた時もデモを聴いて、呪文のように唱えていました。それこそお経のように(笑)。当日も「どう歌えばよくなるのか」「氷川きよし、KIINA.である意味があるのか」など、考えながら歌っていましたし、意見や提案も出させていただいて。その度に愛情もどんどん湧いてきて、自分にとって大切な楽曲になりました。
小室:元々パフォーマー、シンガーとしては堂々としたプロの方ですから、そこを追求するのは良いことだと思ったので、僕もとことんお付き合いしました。
氷川:ありがとうございます。