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- まりも
- ゾロとONE PIECEを偏愛するフリーライター。アニメ、推し活、恋愛、結婚、睡眠など、幅広く執筆しています。

海賊王を目指し海へ出た主人公モンキー・D・ルフィとその仲間たちの活躍を描く、週刊少年ジャンプで連載中の漫画『ONE PIECE』(原作:尾田栄一郎氏)。
未知の島の心躍る冒険や強敵との痛快なバトルを通して仲間たちと絆を深め強く成長していく様は、まさにジャンプの三大原則「友情・努力・勝利」のど真ん中。その一方で、消された歴史や差別・奴隷制度などをめぐる世界の闇をも緻密な伏線と壮大な世界観で描き出す本作は、最終章へ突入した連載28年目の現在も怒涛の展開で読者の心を掴んで離しません。
4月27日(月)発売の週刊少年ジャンプに掲載された『ONE PIECE』第1181話“神と悪魔”では、かつてのイムとジョイボーイの意外な関係を示唆する描写が注目を集めました。本記事では、SNSでの反響とともに、最新話のポイントを振り返っていきます。
※本記事には『ONE PIECE』最新話(第1181話)のネタバレを含みます。コミックス派やアニメ派の方等、ジャンプ未読の方はご注意ください。
イムvsロキからスタートした第1181話。イムは「天罰(ネメシス)」という新しい技をお見舞いしますが、ロキも負けじと反撃します。ゾロとサンジがイムへの攻撃を一瞬でいなされていたのと比べると、やはりロキの強さは圧倒的です。
また、イムの「魔気(オーメン)」は軍事力で、万物に潜む力だといいます。“万物”といえば、本作では“万物の声”を聞く力、“万物の呼吸”を感じる力が登場しました。「万物は望まれてこの世に生まれる!!」というベガパンクの言葉もありましたね。つまり、どんな生物や物にも悪魔の力は宿っているということでしょうか。黒転支配(ドミ・リバーシ)が多くの者に効いてしまう理由はそこにあるのかも知れません。
そんな戦いを繰り広げながら、イムは“支配”に関する自論を述べます。「堕落」「契約」「魔気(ちから)」の三位一体で“支配”し、強さを欲する者に“神の力”を与えていると。イムにとっては“神”と“悪魔”に違いはなく、「支配」こそが世の幸福なのだそうです。
なかなかのトンデモ理論ですが、とはいえ人々の欲をうまく操っている点や“神”と“悪魔”に違いはない=表裏一体であるという点を突いているのは鋭いと言わざるを得ないかもしれないですね。
そんな自論を語るさなか、イムはロキの「おれは誰にも支配されねェ!!!」というまるでルフィのような言葉を聞き、脳裏にジョイボーイの姿を浮かべます。思い出していたのは、なんと2人で楽しげに何かを語り合う場面でした。楽しげな姿などほとんど見せないイムが、シルエットとはいえ和やかな雰囲気で談笑している驚きの一コマです。
そんないつかの思い出を反芻したのち、今度はジョイボーイに問いかけるかのようにその名前を虚空に激しく叫ぶイム。ジョイボーイに縋っているようにも、怒っているようにも感じられる、絶妙な表情が印象的です。
イムにとってのジョイボーイは敵対する相手として描かれてきましたが、一連のシーンからかつての彼らはむしろ親密な関係だった可能性が高まりました。現在の脅威や憎しみといった感情とは無縁の、志を同じくする者同士だったように見受けられます。
袂を分つことになる決定的なできごとが起きたのは、やはり空白の100年でしょうか。
今回のイムからは「ジョイボーイのこと大好きだったのに…!」「信じてたのに…!」という激情がひしひし伝わってくるように感じましたが、同じくそう思った読者は多いよう。SNSでは「イム様、実はジョイボーイのことめっちゃ好きじゃん」「親友か兄弟だったのかな?」「裏切られたと思ってそう」「リリィとの三角関係とか…」「目的は同じなのに思想は合わなかったとかなのかなー」「ジョイボーイに対してクソデカ感情があるのはわかった」といった声が多くあがっています。
信頼のおける大切な相手だったからこそ、今でもジョイボーイの名前ひとつでイムの感情がこれほど揺れ動くのかもしれません。かたちは変われど、今もイムがジョイボーイに対して特別大きな感情を抱いていることに変わりはなさそうです。
物語の根幹に迫る2人の過去が明かされる日も近そうですが、本作の過去編は悲しい結末を迎えがち。彼らがすれ違った裏には第三者の思惑があり、それによって生じてしまった誤解やすれ違いによって2人の絆が壊れてしまったのではないか……とも想像してしまいます。そんななかで“支配”に対する考え方も拗れてしまったのかもしれません。マリージョアにあるあの巨大な麦わら帽子の謎も、もうすぐ解けそうですね。
ちなみに、イムの回想では彼らの姿も印象的でした。イムは現在の人型ではなく、これまで登場していたお馴染みのシルエット型。ジョイボーイの横顔はさながらルフィのようでした。イムの本来の姿や本来の思いがわかるころには、『ONE PIECE』という物語の見方も変わってくるかもしれません。
ラストシーンでは、雷竜(ニーズホッグ)を見て「帰ってきたな…」と不敵な笑みを浮かべるイムの姿も注目されました。
第1175話でも雷竜(ニーズホッグ)を見て「そこにいたのか!!!」と発言していたイム。
エルバフに伝わる壁画には、神典(ハーレイ)の第二世界の下あたりに、イムらしき人物と雷竜(ニーズホッグ)らしき竜の姿があります。
その昔、悪魔の実のモデルとなる前の原初の雷竜(ニーズホッグ)もまた、イムの同志だったのかもしれません。
SNSでは、「ジョイボーイを想い、ニーズホッグを懐かしんで、イムはずっと過去を振り返って感傷に浸ってるのか」「イムにとって空白の100年って青春みたいなものなのかも」「エルバフの結末って実はイムの解放?」「イムはラスボスというより、イムを支配してるアクマの実がすべての元凶だったりして」と、イムの心情を慮る声も多々。一気に人間味がでてきたイムのバックボーンがますます気になりますね。
また、ここでイムが放った魔気(オーメン)によってロキが支配されてしまったのではないかという懸念も。意外な展開から目が離せません。
[文/まりも]