映画
『劇場版モノノ怪 第三章 蛇神』中村健治総監督インタビュー

大奥には人の数だけ情念がある。「合成の誤謬」の集大成を描く最終章――『劇場版モノノ怪 第三章 蛇神』中村健治総監督インタビュー

5月29日(金)より『劇場版モノノ怪 第三章 蛇神』が全国公開!

2つの大事件を経て、ようやく平穏が訪れたかに見えた大奥。しかし、天子の正室・幸子を襲った悲劇をきっかけに、大奥の負の歴史そのものといえるモノノ怪「蛇神」が姿を現します。150年前の大奥誕生に隠された、決して語られることのなかった衝撃の真実とは? そして、最大の危機に直面した薬売りの運命は――。

アニメイトタイムズでは、中村健治総監督にインタビューを実施! 『劇場版モノノ怪』の集大成に込めた想いを語っていただきました。

 

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劇場版モノノ怪 第三章 蛇神
退魔の剣を携えた薬売り(神谷浩史)と唐傘による死闘、その後に巻き起こった火鼠との決戦というモノノ怪が絡んだ2つの大事件を経て、遂に平穏が訪れたように思われた大奥。だが、薬売りは未だ消えない“何か”の気配を感じ取り、警戒を続けていた。そんな折、世を統べる天子(入野自由)の正室である御台所・幸子(種﨑敦美)が待望の男児を授かるも喜びは束の間、周囲の期待と祈りは届かず亡くなってしまう。世継ぎを産むことで天子との形だけの夫婦関係を変えたいと望んでいた幸子は、どん底のなか大奥の存在を覆す恐るべき謀略に巻き込まれてゆく。取り返しのつかない犠牲がまるで報われない無念と行き場をなくした怒りは、やがて怨念へと脱皮し始め――。大奥内の信仰“御水様”の司祭・溝呂木北斗(津田健次郎)は、事の成り行きを神妙な面持ちで見つめていた。時を同じくして、不自然な地揺るぎ(地震)が大奥内で頻発。まるで巨大な生き物が這いずるかのような不気味な胎動とどこからか舞い落ちる三角の鱗、それを皮切りに女中が身体をねじり潰され、絞め殺される怪事件が発生。駆け付けた薬売りの前に姿を現したのは、大蛇の形を宿したモノノ怪・蛇神だった。にらみ合いの末に一時は御札で撃退するも、【形...

 

道なき道を探して作った『劇場版モノノ怪』

──完結編となる第三章の公開を控えた今、『劇場版モノノ怪』をここまで作ってこられた感想をお聞かせください。

総監督・中村健治さん(以下、中村):不思議な気持ちですね。『劇場版モノノ怪』を作り始めてから、毎日必ず隣にいたので、ポッカリ穴が開いたような喪失感が強いかもしれません。嬉しさや辛さというより「あれ、ないな?」みたいな。それくらい当たり前でした。

──劇場版は第一章と第二章、第二章と第三章の制作時期が少しずつ重なっているとおっしゃっていたので、まったく切れ間がない状態だったんですよね。

中村:そうなんです。本当に大変でした(笑)。

──作っていく中で最初の構想から変わったところはありましたか?

中村:三章立ての公開は最初から決まっていました。そのうえで、作りながら探していた感じに近いので、「こうなってほしい」ではなく、「どうするべきなんだろう?」と。ただ、最初から最後まで、イメージがズレることはありませんでした。逆に言えば道なき道をひたすら歩き続けていたのかもしれません。

──第一章、第二章でインタビューさせていただいた際、テーマとして「合成の誤謬」(経済用語で、個々として合理的な行動でも、全体的には悪い結果をもたらしてしまうこと)を挙げていましたね。

中村:作品としても物語としても、「合成の誤謬」をどう描くのが的確なのだろうかと。自分の外側で模索していたので、細かい思考実験を繰り返しながら、周りの人にも話を聞きながら、踏み固めながら道を作っていきました。

──第一章から作品を観ていくことで、観ている側も「合成の誤謬」に対する解像度が上がった気がします。

中村:そもそも「合成の誤謬」を体感的に理解してもらうのは難しいとは感じていたんです。「合成の誤謬」を初めて聞いた方に言葉で説明すると、ふわっと理解したような、し切れていないような感じになります。そういう意味で、作品を通して、体感として「似たような現象や事象があるんだよ」ということが描けたのかなと。「理解してもらえないかも」という不安を抱えながら作っていたので、個人的には「よしよし」という感じでしょうか(笑)。

 

大奥には人の数だけ情念がある

──三章立てでありながら、それぞれ単体でも物語が成立する構成になっています。

中村:最初は「大奥だけで3本作ったらお客さんが飽きてしまうかも?」という懸念もありましたが、実際は切り口がたくさんありました。

第一章では新人女中のアサ(CV.黒沢ともよ)とカメ(CV.悠木 碧)、第二章では御中﨟(おちゅうろう)のフキ(CV.日笠陽子)と総取締役のボタン(CV.戸松 遥)。章ごとに目線が変わっていくことを考えた時、大奥という舞台が面白いと思ったんです。

大奥には人の数だけ情念がありますし、嫉妬や争い、策謀などが起きやすいですから。舞台の華やかさも格別なので、大奥でよかったなと改めて思います。

──今回の第三章は、第一章や第二章と比べて、冒頭から展開が速いですね。

中村:そう感じましたか? 一応「何分でこんなことが起きる」と時間を計りながら作っていますが、途中で計ったら「あれ? まだ40分しか経ってない!?」と驚きました。純粋に第一章や第二章よりも情報量が増えているので、その分、頭からギュッとしている印象があるかもしれません。

「この前に何かあったんだろうな?」という感覚は、『モノノ怪』の前身である『怪~ayakashi~』のエピソード「化猫」に近いですね。「1本目ではないよね?」と思わせておいて、「すみません。1本目です」みたいな(笑)。オマージュしたのではなく、「前に何かあったけど、分からなくても大丈夫!」という前提で、それぞれ1本で完結するように意識しました。

──第一章のアサや第二章のフキとボタンに加え、第三章から登場するキャラクターもいて、最終章にふさわしい豪華さです。

中村:そうですね。何回もチェックのために映像を観ていますが、「わ~っ!」って言っている間に終わってしまうほど、終始キャラクターの迫力に圧倒されると思います。

──人数が多いため、第一章と第二章を観ていた自分でも人間関係を頭の中で整理するのは大変でした。

中村:上映が始まるまでにパンフレットや公式サイトなどで人間相関図を頭に入れておくことをオススメします(笑)。基本的なことになりますが、第一章と第二章を観ておくメリットは、キャラクターを覚えられることです。

 

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