声優
声優・大西亜玖璃が参加「幼児教育実践プロジェクト第2弾」

声優の“表現力”は子どもの集中力や感情をどう変えるのか? 大西亜玖璃さん参加の幼児教育実践プロジェクト第2弾を実施

アニメやゲームのキャラクターに声を生命を与える声優。その活躍は、ナレーション、舞台、歌手活動、イベント出演など多方面で活躍していますが、そうした中の一つに挙げられる朗読は、声だけで様々なことを表現します。

そんな声優の表現を活かした絵本読み聞かせ・紙芝居実践プロジェクトが2025年に始動。第2弾に、大西亜玖璃さんが参加しました。

<以下、公式発表の内容を引用して掲載しています>

 

声優という「声の表現者」と教育の接続

アニメやゲームにおいてキャラクターに生命を与える存在として、声優は現代日本のポップカルチャーを支える重要な存在です。キャラクターに命を吹き込む「声の表現者」として、多くの人々に親しまれています。その豊かな表現力は、いま教育現場でも新たな可能性として注目され始めています。

高千穂大学 渡辺賢治研究室と常磐大学 佐藤賢一郎研究室では、声優の表現力を保育実践に導入するプロジェクトとして「声優の表現を活かした絵本読み聞かせ・紙芝居実践プロジェクト」を展開中です。2025年9月に実施した第1弾では、手探りながらもプロ声優による抑揚やリズムが子どもたちの反応や没入感にどのような影響を与えるのかを観察・検証する取り組みとしてスタートしました。

そして、第2弾となるプロジェクトが2026年2月に行われました。今回は声優・大西亜玖璃さんをお迎えし、絵本と紙芝居の実演を通して、声がどのように物語空間を生成し、受け手の認識や感情に作用するのか、第1弾の考察内容を踏まえながら実演を行いました。 

今回も認可保育園 東雲キャナルコートNURSERY SCHOOL(東京都江東区)にて実施されました。対象は5歳児17名で、同園の保育士に加え、渡辺賢治氏(高千穂大学 人間科学部教授)、佐藤賢一郎氏(常磐大学 人間科学部准教授)も同席しました。

園児たちの反応や集中力、感情表現などを観察・記録し、「声による物語体験」の可能性を検証しました。また、声優キャスティングにおいても前回同様、株式会社オブジェクト(代表:吉村尚紀)の協力のもと進められました。

今回の使用作品は、絵本『まっしろしろくま』(柴田ケイコ 作・絵、PHP研究所 2023年)と紙芝居『オオカミおとこはかわいそう』(菊池俊 作、田中秀幸 絵、教育画劇 1991年)の2作品です。いずれも、視点の転換や価値の反転を内包する構造を持ち、「声による再解釈」を通して、子どもたちに豊かな感性や想像力を刺激する作品です。

デジタルコンテンツ視聴が日常化する一方で、「声を通して物語を体験する時間」は減少しつつあります。本プロジェクトでは、声による想像力体験や感情共有の価値にも着目しています。

▲園児たちと楽しく絵本『まっしろしろくま』の読み聞かせを行う声優・大西亜玖璃さん

▲園児たちと楽しく絵本『まっしろしろくま』の読み聞かせを行う声優・大西亜玖璃さん

 

声が空間を変え、感情を動かす物語体験

まず、『まっしろしろくま』の読み聞かせが始まると、大西さんの穏やかで透明感のある声が教室に広がりました。子どもたちは物語世界に出てくる様々な物に強い興味を示し、それぞれが思い思いの言葉で反応を返すなど、非常に活発なやり取りが生まれていました。

ページが進むごとに、「これ、なにに見えるかな?」という問いかけに対して、子どもたちは「アイス!」「くも!」「ごはん!」――と次々に声を上げ、教室全体が物語の世界へ包み込まれていくような空間へと変化していきました。非常に熱量も高く、担任の保育者が場を整えながら進行を支える場面や、園児同士で「静かにして聞こうよ」と声をかけ合う様子も見られ、物語への関心の高さが自然に表れていました。

絵本の読み聞かせでは、静かに聞くという一方向の体験にとどまらず、子どもたちの主体的な関与によって、場全体で物語を共有するダイナミックな時間となっていた点が特徴的でした。

続く紙芝居『オオカミおとこはかわいそう』では、空気が大きく変化します。大西さんは登場人物それぞれの声色や話し方を巧みに使い分け、物語の展開に明確な輪郭を与えていきました。その表現に引き込まれるように、先ほどまで元気に声を上げていた子どもたちも、次第に大西さんの語りへ集中し、教室は静かな緊張感に包まれていきました。

物語が進むにつれて、「こわい」という印象から、「かわいそう」へと変化する様子も垣間見られ、子どもたちは声の表現を通して物語の意味を深く受け取っているようでした。クライマックスでは、強い没入感が生まれており、読み終えた瞬間には子どもたちから安堵とともに拍手が広がりました。

このように、絵本では子どもたちの活発な関与が引き出され、紙芝居では声の表現によって集中が形成されるなど、大西さんの語りは状況に応じて異なるかたちで物語体験を生み出していました。

▲絵本に続き、紙芝居『オオカミおとこはかわいそう』の実演を行う大西さん

▲絵本に続き、紙芝居『オオカミおとこはかわいそう』の実演を行う大西さん

 

相互作用としての語り、共同生成される物語

今回の実践において特徴的であったのは、子どもたちの活発な反応と、静かに引き込まれていく集中体験が交差していた点です。

大西さんは、子どもたちの反応を丁寧に受け取りながら、語りのテンポや間を調整していきました。その結果、あらかじめ完成された物語が提示されるのではなく、その場の関係性の中で物語が変化していくプロセスが生まれていました。

特に、紙芝居をめくる前の「間」は印象的でした。その短い静けさの中で、子どもたちは次の展開を予測し、互いに視線を交わします。この時間は、物語を個人の内面に閉じるのではなく、共有される経験へと開く役割を果たしていました。

また、読み終えた後の対話では、「こわい」「かわいそう」といった、異なる感情が同時に語られ、物語の意味が単一ではないことが示されていました。ここにおいて、物語は「読むもの」から「共に生み出すもの」へと変化していたと言えるでしょう。

▲大西さんから発せられる豊かで巧みな表現に夢中で聞き入る園児たち

▲大西さんから発せられる豊かで巧みな表現に夢中で聞き入る園児たち

 

声優の表現と教育実践の交差点へ

本プロジェクトは、教育実践であると同時に、声優という存在が持つ文化的可能性を新たなかたちで示す試みでもあります。

今後は、声の抑揚や間、視点誘導といった表現技法と、子どもたちの認知や感情、言語活動との関係を分析し、教育現場に還元可能なモデルとして整理していく予定です。

同時に、声優の表現が教育や地域と結びつくことで、新たな文化的広がりが生まれることも期待されます。本プロジェクトは、その接続点の一つとして位置づけられるでしょう。

声は単なる音ではなく、物語を生み出し、人と人とをつなぐ力を持っています。その力がいま、教育や地域、文化をつなぐ新たな可能性として、今後さらに注目されていくことが期待されます。

本実践を通じ、声優の高度な表現技法が、子どもの集中力や感情移入、対話参加を促進する可能性が確認されました。
 
なお、今回の大西さんの絵本読み聞かせ・紙芝居実演の様子ならびに終了後に行ったインタビュー動画を、渡辺研究室、佐藤研究室それぞれのYouTubeチャンネルにて配信しています(3カ月間の限定公開)。

  
渡辺研究室(本編)

 
渡辺研究室(インタビュー)

 
佐藤研究室(本編)

 
佐藤研究室(インタビュー)

 

▲実演後、園児一人一人に優しく接する大西さん

▲実演後、園児一人一人に優しく接する大西さん

プロジェクト概要

声優の表現を生かした絵本読み聞かせ・紙芝居実践プロジェクト―保育現場における子どもの心を育てる声と物語―

実施場所:認可保育園 東雲キャナルコートNURSERY SCHOOL(東京都江東区東雲1-9-51)
実施内容:声優による絵本の読み聞かせ及び紙芝居の実演
対象:5歳児 17名(保育士・研究者同席)
出演者(敬称略):大西亜玖璃

 
主催:高千穂大学 渡辺賢治研究室、常磐大学 佐藤賢一郎研究室
協力:株式会社オブジェクト

 

プロジェクトの主旨

現代の子どもたちにとって、物語を「声で聴く」体験は、想像力・共感力・情緒等の育成に大きな役割を果たしています。一方で、保育現場では保育士の表現力の課題も認められます。そこで、多くの人々に親しまれ、愛されてきた「声のプロ(=声優)」の表現力を保育の世界でも活かすべく、接触機会の多い絵本や紙芝居を通して、「声優の表現力×保育」という新たな可能性や役割について、学術領域から実証的検証を重ね、実装化に向けて展開していきます。

 

プロジェクト研究者

(研究代表者)
・渡辺賢治(高千穂大学 人間科学部 教授)
〒168-8508 東京都杉並区大宮2-19-1 学校法人 高千穂学園
※研究者情報・詳細 https://researchmap.jp/kenji-watanabe6120
※関連業績「幼保小における読み聞かせや朗読の力―国語教育へのステップ―」(2023年11月『解釈学』第99輯)、「声優の表現力を活かした教育の可能性―保育現場における「声」と「物語」の実証的研究―」(2026年2月『高千穂論叢』第60巻3・4号)
https://researchmap.jp/kenji-watanabe6120/published_papers
※YouTubeチャンネル(高千穂大学 渡辺賢治研究室YouTubeチャンネル)
https://www.youtube.com/channel/UC6NyWrSOPyHYZ_F6HUs-iBg
※研究室HP http://k-w22laboratorio.com/
※コピーライト © KENJI WATANABE.LABO

(共同研究者)
・佐藤賢一郎(常磐大学 人間科学部 教育学科 准教授)
〒310-8585 茨城県水戸市見和1-430-1 学校法人 常磐大学
※研究者情報・詳細 https://researchmap.jp/kenichirosato
※関連業績『理論と実践の往還で紡ぐ保育・幼児教育学』(「第9章 磨かれた感性と表現する力を身につけることは、生活を彩り豊かにします」)(2025年3月 朝倉書店)
※YouTubeチャンネル(けんいちろう准教授)
https://www.youtube.com/@kenichiro_0918

〈プロジェクト協力〉
・株式会社オブジェクト
代表取締役 吉村尚紀
〒150-0046 東京都渋谷区松濤1-3-5-103
※オブジェクトHP:https://object-co.jp/
※問い合わせ先:https://object-co.jp/contact/

 

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