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- まりも
- ゾロとONE PIECEを偏愛するフリーライター。アニメ、推し活、恋愛、結婚、睡眠など、幅広く執筆しています。

海賊王を目指し海へ出た主人公モンキー・D・ルフィとその仲間たちの活躍を描く、週刊少年ジャンプで連載中の漫画『ONE PIECE』(原作:尾田栄一郎氏)。
未知の島の心躍る冒険や強敵との痛快なバトルを通して仲間たちと絆を深め強く成長していく様は、まさにジャンプの三大原則「友情・努力・勝利」のど真ん中。その一方で、消された歴史や差別・奴隷制度などをめぐる世界の闇をも緻密な伏線と壮大な世界観で描き出す本作は、最終章へ突入した連載28年目の現在も怒涛の展開で読者の心を掴んで離しません。
6月1日(月)発売の週刊少年ジャンプに掲載された『ONE PIECE』第1184話“みんな死んだら骨だけ”では、ブルックの幼少期から恩人との出会いまでが描かれ、はじめて明かされる生い立ちの重みに注目が集まっています。本記事では、SNSでの反響とともに、最新話のポイントを振り返っていきます。
※本記事には『ONE PIECE』最新話(第1184話)のネタバレを含みます。コミックス派やアニメ派の方等、ジャンプ未読の方はご注意ください。
前話から続くブルックの過去編。第1184話では、ブルックが11歳のころまで遡り、衝撃的な子ども時代が描かれました。
まず驚くべきことに、孤児だったブルック少年が暮らしていたのはエスペリア王国のゴミ処理場。その様子は“ゴミ山”と呼ばれるゴア王国の“不確かな物の終着駅(グレイ・ターミナル)”を彷彿とさせます。学校で音楽を学ぶことに憧れているブルックは、そこでゴミから作ったバイオリンを奏でて歌い、盗んだカレー粉で味をごまかしたバッタやカエルで飢えをしのぐ生活を送っていたのです。
歌う内容も衝撃的で、「オーノセ〜♪(王のせい)」「オーガワリ〜♪(王が悪い)」「父ちゃん母ちゃん弟も♫おなかすかせてガシガシ〜♪(餓死餓死)」「おれはどうして生きてんのかな〜♫」と、楽しげに歌う様子とミスマッチな歌詞はまさに“魂”の叫びのよう。11歳が経験するにはあまりにヘビーな人生を際立たせます。
そんななかで出会ったのが、当時はまだ王子だったルーヴェンだったのです。彼との出会いがあったから、ブルックは音楽を学び、剣技と教養を身につけ、現在のような紳士に成長したということでしょう。
じつは、かつて本作のコミックス第45巻のSBS(質問コーナー)で公開されたブルックの好物は「カレー」。さらに、「ブルックはカレーが大好きなんですが、食べ方が汚いので、サンジはあまり食べさせたがりません。」(『ONE PIECE』第86巻SBSより)というエピソードが明かされたこともあります。
この過去編で、ブルックがなぜカレー好きなのか、その背景がわかった気がしますよね。
また、“食べ方が汚い”というのも、きっと一人称が“おれ”だった孤児時代の名残りなのでしょう。どこかあっけらかんとして、暗さを見せない性格も当時から変わっていないようです。つらいときでも音楽を鳴らし続けたからこそ培われた朗らかさなのかもしれません。
麦わらの一味は、明かされているだけでもほとんどのメンバーがつらい過去を経験しています。例に漏れず、ブルックの子ども時代もなかなかの凄まじさ。SNSでは、「よくぞ生き続けてくれた……!!」「ブルックの人生、何回つらいターンがあるんだ」「ブルックの好物にこんな激重エピソードがあったなんて…」「食事に執着してるっぽい場面があったり、マナーがなってなかったりするのが全部幼少期の経験からきてるって思うとしんどい」「ブルックの死生観の原点を見た気がする。重い…」など、多くのコメントが寄せられています。11歳の少年から「いっしゅんだ 歌ってればしぬことなんて」という言葉が出るのは、あまりに心苦しいですね。
さらにこれから恩人を失い、仲間の全滅や50年の孤独を経験するのだと思うと目を背けたくなりますが、ひとまずここでルーヴェンに出会えて良かった……!
今回、冒頭には27歳のブルックと14歳のシュリ(軍子)の姿も。シュリはすっかりブルックに惚れてしまっているようです。
一方でブルックは、恩人・ルーヴェンと憧れの女性・キャンデルの娘だからというのもあってか、シュリに対しては徹底して紳士な対応を貫いています。シュリからのアピールを「やめなさい はしたない」とたしなめる姿もあり、好意になびくことはなかったようです。
しかしその直後、見知らぬ女性には「パンツ見せて貰ってよろしいですか?」とひざまずくブルック。
どうやらブルックお馴染みの“パンツ見せて”発言は、このころから絶えずしているようです。
一見すると本作らしいギャグシーンですが、読者の間では「自分に惚れてるシュリ姫に嫌われようとしてわざとやってる?」なんて声も。そのほかにも、「好意が嬉しくても恩人の娘と結ばれるなんてできないもんな…」「孤児だった自分と釣り合うわけないと思ってそう」「あんな誰にでもパンツ見せてもらいたがるのに、シュリには絶対しないの、むしろ特別な感情を抱いてるからこそでしょ」といった意見もみられます。
初登場時、驚きのボトムレススタイルで注目を集めた軍子。少しずつブルックとの関係が明かされるにつれ、ブルックに気付いてもらうためにあえてこの格好をしているのではないかという考察も囁かれていました。
あらゆる女性にパンツを見せてと声をかけるブルックに心から惚れていた軍子は、本当に彼に振り向いてもらうべく現在もパンツ姿を貫いているのかもしれませんね。
そんな背景を思うと、70年のときを越えてふたたび出会った不老のシュリと不死のブルックが無事和解し、いい関係になってほしいと願うばかりです。
ブルックの少年時代が描かれたことで、彼の麦わらの一味加入時に歌われて以降、本作で重要な楽曲として何度も登場する「ビンクスの酒」の作詞・作曲者が、じつはブルック自身なのではないかという考察が注目を集めています。
今回の回想には、ブルックが「みんな死んだら骨だけ」という死生観を当時から持っていたことがわかるシーンや、「ヨホホ」という笑い方を“珍しい笑い方”として指摘されるシーンがありました。たしかに、これは「ビンクスの酒」の「どうせ誰でもいつかはホネよ」という歌詞や「ヨホホホ〜」という歌い出しと重なり、ブルックが作った曲と考えても不自然ではありません。11歳のブルックが「ビンクスの酒」を歌う様子は描かれていませんでしたが、20歳のブルックはすでに同曲を口ずさんでいたため、学校に通いはじめて音楽を学んでから作った可能性も考えられそうです。
これまで、歌詞全体の内容から「ビンクスの酒」は「空白の100年」に作られた曲であり、ジョイボーイの一団が海賊として海を渡る際に歌っていたのをきっかけに広まったとする説が有力でしたが、真相はいかに。
また、今回SNSでは、ブルックの11歳当時の容姿がマーシャル・D・ティーチ(黒ひげ)の赤ん坊のころに、ルーヴェンの容姿がロックスに似ているという声も多くありました。年代を考えると、それぞれ関わりがあった可能性も考えられますね。ここからエスペリアに何が起きるのか、どんな過去が明かされるのか、ますます楽しみです。
[文/まりも]