
あたりまえにある奇跡を決して忘れはしないように。『きみが死ぬまで恋をしたい』との特別な縁から生まれた1枚「Amore」に込めた、さまざまな愛の形──ReoNaさんロングインタビュー
AT-X、TOKYO MX、WOWOWほかにて放送中のTVアニメ『きみが死ぬまで恋をしたい』。そのオープニング主題歌「Amore(アモーレ)」を表題曲としたReoNaさんのニューシングルが好評発売中です。
ReoNaさんにとって『きみが死ぬまで恋をしたい』は、FM802『802 Palette』の企画を通して出会い、長く大切にしてきた作品でもあります。
その特別な作品に寄り添った本作には「Amore」のほか、愛しい人やものと出会えた奇跡をたたえる「それは魔法でした」、聴く人それぞれの痛みに寄り添う「心痛」、さらに故郷への想いを綴った「結々の唄」と、異なる角度から“愛”を見つめた楽曲が収録されています。
インタビューでは、作品との出会いを振り返りながら、今だからこそ向き合うことのできた“愛”、各楽曲の制作やレコーディング、ミュージックビデオ、そして今後のライブについて語ってもらいました。
失うとしても、出会わなければよかったわけじゃない
──『きみが死ぬまで恋をしたい』は、FM802のラジオ番組『802 Palette』(ハチパレ)のコーナーでの出会いをきっかけに、作者のあおのなち先生との交流も生まれていた作品です。今回、あらためて正式に主題歌を担当することになったとき、どんな思いがありましたか?
ReoNaさん(以下、ReoNa):当時、準レギュラーを務めていたラジオ番組『802 Palette』で、まだアニメ化されていないけれど、アニメ化してほしい作品に、さまざまなアーティストの楽曲を当てはめる企画がありました。そこで『きみが死ぬまで恋をしたい』が取り上げられた際に、2019年にリリースした「Lotus」を番組側に選んでいただきました。
まず表紙を見たとき、こんなにかわいらしい女の子たちが描かれているのに、なぜタイトルに「きみが死ぬまで」という言葉が入っているのだろうと思ったんです。また、当時のReoNaのお歌の中から、なぜ「Lotus」を選んで下さったのだろうということも、すごく気になっていたのですが、その時点で刊行されていた3巻までを一気に読んで、いろいろなことが腑に落ちました。そこから、私にとってもすごく大切で、大好きな作品になりました。
──『きみが死ぬまで恋をしたい』の、どのようなところに惹かれていきましたか?
ReoNa:『きみが死ぬまで恋をしたい』は、ともすれば、ファンタジーの世界観でもあるんですよね。魔法も出てくるし、身寄りをなくした少年少女たちが、寄宿学校のような場所で育てられながら、国を守るための戦いに参加させられ、人間兵器になっていく……。
自分がいつ戦地へ送られるのか、大切な人がいつ連れていかれるのかわからなくて、「いってらっしゃい」と見送っても、二度と「おかえり」と言えるかどうかもわからないような、過酷な世界です。それでも、そこで生きている子たちはすごく等身大で。描かれている日々の暮らしに、必要以上の悲壮感がないことが、逆にすごく悲しくて……。
──確かに。
ReoNa:あの世界では、クラスメイトが一人ひとり欠けていくことが当たり前になっています。痛みに慣れることは、きっと難しいと思いますが、みんなが傷つきながら、それを自分の中で噛み砕きながら、何度も傷つくことを繰り返していくうちに、傷の癒し方や隠し方が上手になったり、目をそらす方法がわかるようになったりして。それでも大切な人ができてしまう。
出会ってしまった以上、相手の存在に気づいてしまった以上、いつか失うかもしれないとわかっていても、恋や愛という感情は生まれてしまうもので……。でも、失うと知っているなら、最初から何も持たなければいいのかといえば、そうではなくて。失ったあとも続いていく自分の時間の中には、誰かと過ごした時間や、誰かと交わした言葉が残っていく。
ファンタジーのように見えながら、とても繊細な心の動きや日々がふんだんに詰まった作品だと思います。今回は、そうした作品の端々から感じられる愛を、楽曲の大きなテーマにさせていただきました。
──当時、その企画の中で「Lotus」が選ばれたのは、なぜだと思いますか?
ReoNa:答え合わせをしたわけではありませんが、いくつか理由があるのかなと思っています。まず、『きみが死ぬまで恋をしたい』では、花が象徴的に描かれていて。今回もガーベラが印象的ですし、マリーゴールドなど、いろいろな花が登場します。花言葉には、両面性を持つものが多くて、情熱の裏に嫉妬があったり、誰かを思う気持ちの裏に復讐があったり。
その中で、蓮の花を意味する「Lotus」は、どれだけ汚れた場所で育っても美しい花を咲かせるけれど、きれいな水の中では花を開かず、泥の中だからこそ咲くことができるもので。痛みの中でつぼみを抱え、いつか花を咲かせるために、泥や痛みの中で過ごした時間があって。
そして「Lotus」は、傷や痛みを養分として受け止めてくれるお歌です。花というモチーフと痛みと、そして柔らかなメロディーの中で「あなたに届けたいお歌」という一つの形になり、花を咲かせていく。その両方の側面が、選んでいただいた理由なのではないかと思っています。




























