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『ガンバレ!中村くん!!』アニメのゴールを決定づけるような春泥先生からの提案とは

春アニメ『ガンバレ!中村くん!!』梅木葵監督インタビュー|中村くんだけから向いていた矢印が、最後は広瀬くんからもちょっと向くというのが、アニメの結末としてはいいんじゃないか

内気な男子高校生・中村くんの同級生・広瀬への“片想いをめぐる妄想と暴走”を、どこか懐かしい80~90'sタッチでコミカルに表現した「ガンバレ!中村くん!!」。本作のTVアニメーションが、2026年4月1日(水)より放送・配信されました。

アニメイトタイムズでは、アニメーションのスタッフに制作秘話をお聞きするインタビュー連載を実施。連載の最後は梅木 葵監督にお話を聞きました。第13話、そしてアニメのゴールを決定づけるような春泥先生からの提案とは。

 

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「どうしよう、好きだ、大好きだ…!」主人公・中村男久斗はどこにでもいる内気な男子高校生。友人ゼロの彼の前に現れたのは、クラスメイトの広瀬愛貴。何だこの気持ちは…!?まだ会話もしたことがないのに、広瀬をみると毎日ドキドキがとまらない…!!内気な男子高校生・中村くんの広瀬への“片想いをめぐる妄想と暴走”をどこか懐かしい80~90'sタッチでコミカルに表現し、高い人気を博す、春泥による王道BLラブコメディ「ガンバレ!中村くん!!」のTVアニメーション化が決定!作品名ガンバレ!中村くん!!放送形態TVアニメスケジュール2026年4月1日(水)~2026年6月24日(水)TOKYOMX・BS11ほか話数全13話キャスト中村男久斗:小林千晃広瀬愛貴:榊原優希乙切想:江口拓也川村ひふみ:ファイルーズあい武内剛太:野津山幸宏向井亮:田丸篤志浜岡ゆうか:小市眞琴奥田マサコ:舞原ゆめ大森司:笹翼幕の内:山口勝平宅:竹内順子青木山麗子:大地葉仁王馨:武内駿輔田村亜乱堂:千葉翔也スタッフ原作:春泥『ガンバレ!中村くん!!』(ヒーローズ刊)監督・脚本・キャラクターデザイン:梅木葵監督補佐:吉邉尚希シリーズ構成・脚本:蒼樹靖子(スタジオモナド)コンセプトディレクター:畳谷哲也...

 

絵の線がシンプルな分、選択を少しでも誤ると雰囲気が変わってしまう

──今回の連載インタビューで色々な方から梅木監督の作品愛がすさまじかったというお話を聞きました。改めて、原作を最初に読んだときの感想を教えてください。

梅木 葵監督(以下、梅木):もともと春泥先生の絵が大好きだったんです。漫画を読んだときは「こういう表情やデフォルメも描けるんだ」と感動しました。原作を読んだとき、表情の豊かさや絵の魅力のインパクトがまずは残りましたね。とにかく、キャラクター全員が魅力的だと思いました。

──梅木監督から見て、先生の絵の魅力は?

梅木:春泥先生の絵は、デッサンもスケッチもアカデミックなことを押さえたうえで、自分のオリジナリティを落とし込んでいるのかなと感じました。それってすごいことなんですよね。その境地に達するのって、単純な画力だけではなく、生来持って生まれたセンスが必要だと思っています。アニメ放送後の反響を見ていたら、作品を知らなくても、広瀬くんに惹かれている人がけっこういらっしゃって。そういうパッと見て惹かれるキャラクターや絵は誰でも描けるものじゃない。春泥先生の絵は男女問わず好きな人も多いだろうし、魅力的だと感じています。

──梅木監督は本作でキャラクターデザインも担当されています。もともと先生のイラストが大好きだったということですが、デザイン面でどんなことを意識していましたか?

梅木:とにかく先生の絵の魅力を反映させたいというのが大前提でした。原作はフォルムが特徴的ですし、絵の線がシンプルな分、選択を少しでも誤ると雰囲気が変わってしまうんですよね。なので、原作を何度も繰り返し見ながらデザインをしました。あと、アニメでは色々な角度からキャラクターを映すことになるので、どの角度から見てもそのキャラクターとして成立するよう、さまざまな角度のデザインを描き起こしています。

──シンプルが故に、ごまかせない部分があったというか。

梅木:そうですね。線が少なければ少ないほど難しいということを、本作で痛感しました。

 

実は春泥先生と「今回のゴールって何でしょうね」と相談したんです

──続いて、シナリオ面についてお話を聞かせてください。本作は全13話で描かれましたが、構成はどのように考えていきましたか?

梅木:まず結末については、原作が未完なので、中村くんと広瀬くんとの関係のゴールみたいなものはアニメで決められないと思ったんです。アニメで結論を出すのは、原作ファンの方に対しても、まだ続いている原作の物語に対しても、あまり好ましくないんじゃないかって。とはいえ、アニメでの結末はやはり描かないといけない。中村くんと広瀬くんとの関係値のゴールを決定づけない形での結末を考えるにあたっては、実は春泥先生と「今回のゴールって何でしょうね」と相談したんです。

──そうだったんですね! 先生は何とおっしゃられたんですか?

梅木:広瀬くんの友達のスロットのなかに中村くんが入る、というのがアニメでのゴールじゃないかという話がまずはありました。そして、もうひとつは“中村くんだけから向いていた矢印が、最後は広瀬君からちょっと向くというのが、今回の結末としてはいいんじゃないか”ということ。その話を受けて、第13話の脚本を書きました。一度先生に見ていただいたのですが、そのとき「俺の魅力ってなに?」っていうセリフを加えるのはどうかと提案いただいたんです。

──先生から!

梅木:そのセリフが第13話を構成するうえで非常に重要でした。ある種のキラーパスというか。アニメの現場の独断だけではそういったセリフを採用することは難しいですから、シンプルで素朴だけどパンチのあるセリフをいただけてより良くなったと思います。

──全13話を通して、ふたりの関係性や関係値の変化も描かれてきた。

梅木:そうですね。中村くんは空回りで終わることも多かったですが、第12話・第13話で、もう一回がんばるんです。彼なりにがんばって、「いっしょに帰らない?」って言葉を出す。元気がない人に「話を聞こうか?」って声をかけるのって、それなりに勇気がいることだと思うんですよ。自分がそれに足る人間なのかとか色々と逡巡しちゃいますから。それでも、広瀬くんがちょっと悲しそうだと感じた中村くんが、そういう自意識を押し殺して、広瀬くんを慰めたい、励ましたいと思って声をかけるんです。あの瞬間、中村くんが広瀬くんに向けていた矢印の結果がちょっとだけ実を結びました。

──中村くんの成長も感じました。

梅木:第1話の中村くんは独りよがりだし、広瀬くんのことしか見ていないし、わりと自己完結の世界に生きています。それが、第13話までくるとちょっとだけ世界が広がっていたり、ちょっとだけ他者とのコミュニケーションが成立していたり、人間としてちょっとだけ成長しているんです。そういう微細な変化を13話を通してつけたいよねという話も、シナリオ会議でしていました。

 

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