
MyGO!!!!!は音楽を通して、誰のこともひとりにしない――青木陽菜さん×林鼓子さんが迷いながら歩んできた“跡”の証。3rd Album『致並跡』ロングインタビュー
“跡”は、歩んできた証。3作目で見せる、大人っぽくて新しいMyGO!!!!!
── では3rd Album『致並跡』についてお伺いできればと思います。『致並跡』には、これまでと同じく“跡”という字が入っています。改めて、この3枚のアルバムに続いている“跡”という言葉を、おふたりはどのように受け止めていますか?
青木:“跡”という字は、すごく愛おしいなと思っています。何かをしたからこそ、跡が残るじゃないですか。それこそ涙の跡だったり、頑張ったことで傷ができて、その傷跡が残ったり。何かをして、歩んできたからこそ、“跡”が生まれるのだと思います。
その“跡”という字が、引き続き3rd Albumにも使われていることから、迷いながらではありますが、着実に歩んできたのだと感じられて、すごくうれしくなりました。
林:3枚目のアルバムが出ること自体も早く感じますし、MyGO!!!!!として活動していると、本当にあっという間なんです。だって、もうすぐ9th LIVEですよ。「ワンマンライブを9回もやっているの?」という感覚で。
── そう考えると、本当にすごいですよね。
林:そうなんです。ツアーなどを除いたうえでの「9th LIVE」ですからね。そう考えると、あまりにもあっという間で、自分が自分に置いていかれるような感覚になることもあります。「もう1年が終わったんですけど……?」みたいな(笑)。
だからこそ、振り返ったとき、そこにきちんと道があって、「私たちはちゃんと積み上げてきたものがあるんだな」と感じられる。そういう意味でも、“跡”という字が使われているのはすごくうれしいですね。私たちが歩んできた証しのように思います。目まぐるしい日々ではあるけれど、「ちゃんとやってきたんだな」と感じられます。
それと、3枚のアルバムで“跡”の位置が変わっているんですよね。(1枚目の)『迷跡波』では真ん中にあって、2枚目の『跡暖空』は最初にあり、そして『致並跡』では最後に来ている。
青木:確かに……!
── 本当だ、迷いながらも進んでる! そこにすぐ気づいたのもさすがですね。
林:まあまあ(笑)。これは絶対に意図があるぞって思いました。気が早いですけど、4枚目はどうなるんだろう?と気になっています。
── 今回の3rd Album『致並跡』は、前2作と比べて、どのような位置にあるアルバムだと感じていますか?
林:今回は、本当にいろいろな楽曲が入っていますよね。比較的しっとりした曲も多いですし、もちろんMyGO!!!!!らしさもあります。2nd Albumは、かなり勢いのある、ロック色の強い楽曲が多かったと思うんです。
その流れで、今回は端的に言うと、MyGO!!!!!の少し大人っぽい一面が表れている気がします。また新しい魅力というか、「MyGO!!!!!には、こんな曲もあるんだ」と思えるような曲が集まっている印象です。
── 林さんが、特にその変化を感じた楽曲はありますか?
林:私は「静降想」がこのアルバムに入ることに、すごく意味があると思っています。アルバムの中で、いいスパイスになっていますよね。楽曲の持つオーラも含めて。
あとは新曲の「羅永線」です。めちゃくちゃ爽やかで、MyGO!!!!!としては珍しいタイプの曲ですが、ある意味ではMyGO!!!!!らしさが強く表れているんですよね。
一方で、「静降想」をはじめ、今回のアルバムは、本当に大人っぽくて、おしゃれなんです。さらに「騒混出」もめちゃくちゃおしゃれなので、「なんかシャレてるな?」と(笑)。
── 本当におしゃれですよね。青木さんはいかがですか?
青木:1st Albumのときは、1枚目ということもあって、「MyGO!!!!!の名刺のようなアルバム」と、いろいろな場所でお話ししていました。2nd Albumの頃にはZEPP TOURなども始まり、ライブで映える楽曲や、ライブバンドとして戦っていけるような楽曲が増えていったと思います。
そこからアニメなど、さまざまな物語を経て、今回は新たなMyGO!!!!!の一面が表れたアルバムになりました。もちろん、これまでのMyGO!!!!!らしさがある楽曲も収録されていますが、「騒混出」や「静降想」などは、今のMyGO!!!!!だからこそ歌える曲だと思います。
歌詞もそうですよね。燈も、“今の燈だからこそ歌える言葉”が、すごく増えてきました。歌える歌詞や、表現できる曲調の幅も広がってきた。今のMyGO!!!!!らしさが、強く表れたアルバムだと思います。
「羅永線」でつながる“僕ら”
── 改めて新曲についても伺えればと思います。「羅永線」は爽やかなパンクナンバーですよね。青木さんは、最初に聴いたとき、どのような印象を持ちましたか?
青木:MyGO!!!!!らしさの中にも、明るさがある曲だと思いました。それに、タイトルが「羅永線」ですよね。今回のアルバムタイトル『致並跡』は“地平線”と読むので、地平線も“線”として見えるものです。
「羅永線」がアルバムの1曲目に置かれていることにも、すごく意味があると感じました。アルバムの中で、軸になるような大切な楽曲なのではないかなと思います。
── ちなみに毎回、MyGO!!!!!の楽曲タイトルは難読ですが、今回の新曲も初見では読めませんでした……。
青木:無理もないと思います(笑)。
林:当てたいですよね(笑)。読み方を当てられたときの気持ちよさがありますから。
青木:SNSを見ていると、当てている方がいましたよね。
林:結構「素寄曲」は当てられている方を見たんですよ。でもやっぱり、「騒混出」は難しかったと思います。考察されている方の中に「のいず」と書かれている人がいて、「ああ、確かに!」と思っていました。
── 「羅永線」は爽やかな楽曲というお話がありましたが、コーラスもすごくかわいらしいですよね。
林:かわいいですよね。普段、立希は低いパートを担当することが多いのですが、「羅永線」では少し高めのパートも歌っています。もちろん低いパートも歌っていますが、細かく振り分けられていて、高いパートのメンバーだけで歌う箇所もあったんですよ。そこも「一緒に歌いましょう」と変更になったパートがあったりして。
曲の始まりから、すごくいいんですよ。もう、本当に青春という感じで。「羅永線」というタイトルもいいですよね。“永遠に続く線”のようでもありますし……なんていうんだろう……人と人がつながっていくことも感じさせる。MyGO!!!!!らしさはありながらも、一歩成長したMyGO!!!!!を感じる曲だと思います。
MyGO!!!!!も、「僕は僕だから、この僕を分かってほしい」というメッセージ性から始まったバンドでもあると思うので。でも今は、音を交わすなかで人とつながっていく。その変化も感じます。
青木:今回は〈僕ら〉だしね。
── 主語が“僕ら”になっているのが良いですよね。
林:そうなんです。それと、ドラムのパターンもたくさん出てきて……この曲、演奏者としてはかなり大変です(笑)。ただ、すごくいい曲なんですけどね。〈青と青を 縫い合わせて〉という歌詞も、本当に夏を感じます。夏だ! 夏が始まる! MyGO!!!!!と言えば、やっぱり青ですしね。それに加えて、〈知りようない わからなさを 生きていくだけだよ〉という歌詞も好きです。
青木:うんうん。MyGO!!!!!でしか歌えない言葉だよね。
林:どうしても私たちは、答えを出そうとしてしまうじゃないですか。
青木:分かろうとしちゃうけど、本当のところは本人にしか分からない。
林:そう! 分からないことすら分からないというか。それがすごくMyGO!!!!!らしいと思いますし、「分からないままでもいいんだよね」「そういうことの繰り返しだよね」と言ってくれているような気がします。すごく刺さる歌詞です。
── 青木さんは、ギタリストとして最初にこの曲を聴いたとき、どのように感じましたか?
青木:ギターが担うメインのメロディーが、すごくまっすぐなんです。大きな青空の下で聴いたら気持ちいいだろうなと思うような、素直で伸びやかなメロディーラインが素敵だと感じました。演奏するときも、のびのびと弾きたいなと思っています。
コーラスもいいですよね。最後に、みんなで同じメロディーを歌うところが特に好きです。MyGO!!!!!には“La la la”と歌うコーラスの曲も多いですが、この曲もライブを重ねて成長していくにつれて、お客さんが一緒に歌ってくれるようになるのかな、一緒にペンライトを振ってくれたりするのかな、とか。そんなライブの景色が広がっていくようなコーラスだと感じました。
── ライブでの光景が思い浮かびますよね。〈青と青を縫い合わせて〉という歌詞のように、ステージとフロアもつないでくれる曲なのかなと思いました。
林:早くライブでやりたいです! 感動したい(笑)。この曲は、ライブで演奏したら絶対に感動すると思います。
── 林さんはドラムの位置から、メンバー全員の姿が見える立場じゃないですか。
林:そうなんですよね。ステージ上でメンバーとの距離が少し遠く感じるときもありますが、ライブの最後の曲などで、みんなの姿を見ながら演奏していると、すごく気持ちいいんです。やっぱりメンバーの姿が見えるというのは良いなって。
── 林さんから見て、ライブ中の青木さんはどのように映っていますか?
林:楽しそうです。本当に、すごく楽しそう(笑)。見ていて「おお、良いね良いね!」っていうか。ギターソロのとき、ドラムは特別なフィルを入れているところでなければ、周りを見る余裕もあるので「良いじゃん!」って(笑)。
リハーサルで少し苦戦していた箇所を、本番でうまく弾いているのを見ると、「めちゃくちゃ良いじゃん!」と思いますね。
青木:そこも見守ってくれていたんだ!(笑)
林:たまに私のところまでお散歩しに来てくれるんです。「こんにちは」という感じで(笑)。立希だったら、「まずはちゃんと弾いて!」と思いそうですけど、私は「来たな」と思いながら見ています。目が合う瞬間もあるんですけど、一般通過猫みたいな感じです(笑)。
青木:気まぐれな猫ですから。
── 青木さんから見て、林さんはライブ中、どのように映っていますか?
青木:バンドのバランサーだと思います。私はリズム隊ではないので、演奏が走ってしまうこともあるんです。そういうとき、リハーサル後に「今日は少し走りがちかもしれない」とみんなに伝えて、「じゃあ、少し落ち着いて演奏しよう」と冷静に判断してくれます。周りの状況をよく見てくれているので、すごく助かっています。
林:ありがとうございます(笑)。
── いい意味で、全体を俯瞰して見ているんですね。
青木:本当に冷静なので、助かっています。私は緊張しやすく、心配性なところもあるのですが、鼓子ちゃんはステージ経験も多いので、「大丈夫、大丈夫」と声を掛けてくれるんです。何が起きても動じず、受け止めてくれます。
── 林さんから見た、ほかのメンバーの印象も気になります。
林:青木はさっきの通り、とにかく楽しそうです。本当にずっと楽しそう(笑)。「楽しいよね、楽しいね。よしよし」って感じ。
青木:(笑)
林:羊宮(妃那)ちゃんは……彼女の雰囲気によって、その日のMyGO!!!!!が決まるような感覚があります。やっぱり彼女がバンドの真ん中にいるんだな、と。その日の羊宮ちゃんの表現によって、同じ曲でもまた違って聴こえるという印象があります。
(立石)凛ちゃんは、意外と冷静なタイプです。リズム感もすごくいいので、演奏面でも頼りにしています。ただ、たまに目が合うと、お互いにニヤニヤしてしまうんですよ(笑)。でも私は立希という立場なので、ライブ中の振る舞いがすごく難しくて。
立希としては、愛音のことを意図的にあまり見ないようにしています。たとえば少しミスをしたときに気にするなど、細かいお芝居を入れることはあるのですが、とはいえ、凛ちゃんはミスらないので、基本的にはあまり目を合わせないんです(笑)。野良猫(青木)の場合は、「大丈夫かな」「また何かやっているぞ」といった反応ができますけど(笑)。
みかんちゃん(小日向美香)は、本当に練習熱心です。練習の鬼のような子で、少し心配性なところもありますが、ステージ上で化ける瞬間があるんですよ。基本的には、練習してきたことをきちんと届けようとするタイプですが、スイッチが入った瞬間に、「今までと何かが違う」「今、グルーヴに入ったな」と分かるので。
ずっと一緒にリズム隊として演奏しているからこそ分かるのかもしれませんが、そういう瞬間を見るのがすごく面白いですね。
── 林さんからは、そのように見えているんですね。
林:みんな、ライブになると興奮しがちなんです(笑)。だから、たまに「こっちも見てね」と思いながら演奏しています。








































