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- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。

「週刊少年ジャンプ」にて2021年から2026年にかけて連載された漫画『逃げ上手の若君』(作・松井優征先生)。2024年7月よりアニメ第1期が放送され、この7月から第2期の放送がスタートしました。
本作は、滅亡した鎌倉幕府で1人生き残った北条家の跡継ぎ・北条時行が、“逃げ隠れ”の才能を活かし、北条一族を裏切った足利尊氏から鎌倉を奪還するため厳しい試練と戦いに身を投じていく物語です。
本稿では、毎週の放送に合わせてそのストーリーを振り返りながら、戦の戦況や政治情勢を整理していきます。
※本記事は本編のネタバレ要素が含まれます。
鎌倉幕府が滅亡し、時行が信濃・諏訪に逃げ延びて1年。郎党たちとの何気ない会話から、時行は鎌倉での食事のことを思い出します。海の近い鎌倉では、由比ヶ浜で獲れた新鮮な魚が食膳に上っており、中でも伊豆のワサビと醤油(ひしお)で食べる鯛の刺身が時行の大好物でした。
諏訪の生活にも慣れ、第二の故郷とも感じるようになったものの、第一の故郷・鎌倉への想いは募るばかりで、感傷的になってしまった時行。
寂しそうな主君を見た郎党たちは、馬にまたがり鎌倉へ! 故郷の味を時行のもとへ届けるため一丸となって鯛や伊豆のワサビなど食材を調達し、用事を終えたら一目散に諏訪へ引き返します。
この時代、海の生魚を腐らせずに内陸に運ぶには限界があり、その境界のことを「魚尻線」というのだとか。諏訪はその魚尻線を超えた先に位置しているため、通常の運搬方法だと海魚は腐って食べることができません。
しかし、幼いながら粒ぞろいの逃若党。獲った鯛に適切な処理を施したうえで諏訪への最短ルートを強行突破し、見事に新鮮な鯛を持ち帰ることに成功しました。
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— TVアニメ『逃げ上手の若君』 (@nigewaka_anime) July 18, 2026
#逃げ上手の若君
第十三回 切り抜き
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第十三回「もう一度、食べタイ!」より
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久しぶりに故郷の味は、時行に優しい兄といっしょに食べた思い出を蘇らせ、その目からは大粒の涙が零れ落ちます。穏やかな日々が戻ることのない悲しみ、自分のために郎党たちが尽力してくれたことへの嬉しさなど、様々な感情がこもった涙に胸が締め付けられました。
故郷の味と郎党たちの愛情で元気を取り戻した時行は、郎党たちが鎌倉へ行った目的が鯛だけではないことを知らされます。鎌倉奪還の具体的な計画を練るため、実際の到達時間を測るとともに、現地の様子を偵察してきていたのです。
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— TVアニメ『逃げ上手の若君』 (@nigewaka_anime) July 19, 2026
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第十三回 切り抜き
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第十三回「もう一度、食べタイ!」より
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北条家が滅び、荒廃した鎌倉に赴任したのは足利尊氏の弟・足利直義(あしかがただよし)。類まれなる聡明さを持つ彼は、足利家の郎党の中でも優秀な若者達を集めた「関東庇番(かんとうひさしばん)」を組織し、彼らを手足として街の復興と治安維持を一挙に進めていました。
本話で主に姿を見せた関東庇番衆は、渋川義季(しぶかわよしすえ・CV.増田俊樹)、岩松経家(いわまつつねいえ・CV.林勇)、上杉憲顕(うえすぎのりあき・CV.加瀬康之)、斯波孫二郎(しばまごじろう・CV.村瀬歩)の4人。
真面目で堅物っぽい渋川、チャラ男キャラの岩松、掴みどころのない上杉、ひと際若い孫二郎とどのキャラクターも個性が際立っていましたが、驚くべきはその年齢ではないでしょうか。岩松は年齢不明でしたが、他3人はいずれも30歳にも満たない若者で、孫二郎に至っては13歳という若さでした。
調べてみたところ、当時の平均寿命が成人(およそ15歳)まで育った人で30代半ばらしいので、10~20代で組織の主戦力として起用されることも、そこまで特別なことではないのかもしれませんね。
しかし、あえて若者を起用したのには直義の狙いがありました。疲弊した鎌倉の民の心を若武者の新しい風と勢いで一気に掌握する算段なのです。直義の思惑通り、民衆は北条から受けた恩もすっかり忘れて、北条を滅ぼした足利と庇番衆に熱狂しており、鎌倉はすっかり足利一色。
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— TVアニメ『逃げ上手の若君』 (@nigewaka_anime) July 20, 2026
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第十三回 切り抜き
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第十三回「もう一度、食べタイ!」より
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「鎌倉の民よ!諸君の平和は足利と庇番衆が必ず守る!」https://t.co/6twv3ufQPH#逃げ若 pic.twitter.com/jSVcsqZlAZ
とはいえ、北条家に仕えていた郎党の中には足利への復讐心を持つ者もおり、熱狂する民衆の中からそんな武士たちが直義や庇番衆に斬りかかります。
ところが、そんな奇襲に全く動じず、庇番衆は襲ってきた武士たちを次々に斬殺。軍略に優れた孫二郎があらかじめ用意していた策も作用し、敵を難なく一掃してしまいます。庇番衆が実力者揃いであることを知らしめました。
強者たちをまとめる直義は、乱闘を前に平然と政務を片付け、庇番衆が敵を掃討したところで仕事を片付け終え、彼らを従えてその場を去っていきます。それも全て計算済みの行いなのだとか……どんな頭脳をしてるんでしょうね……。
そんな直義の辣腕によって、北条の鎌倉は足利の鎌倉へ変貌を遂げようとしていたのでした。
一方、足利尊氏のいる京では、後醍醐天皇の改革政治「建武の新政」が綻び始めていました。帝に気に入られた一部の公家や武家だけが手厚く優遇され、大半の武士は冷遇、あるいは放置されていたため、民は急速に失望し、全国に不満が渦巻いていたのです。
足利家の執事・高師直(こうのもろなお)とその一族はそんな情勢を冷静に分析。現実に即していた鎌倉幕府の統治方法と帝による先進的な政策の長所だけを合わせて、新たな時代の統治法の構築を目論んでいました。
足利の世が着実に形成されつつある中、尊氏最大の抵抗勢力である後醍醐天皇の皇子(息子)である護良親王(もりよししんのう)は、謀反の罪をでっち上げられ、実の父である後醍醐天皇がそれを信じてしまったために、捕縛されてしまいました。
捕まった本人は絶望の表情でしたが、色っぽいイケメンの捕縛シーンは眼福ものでした……ありがたや……。
そんな親王は父譲りの利発聡明さと求心力を備え、武芸や兵法も極めた異色かつ有能な皇子。鎌倉幕府討伐時は尊氏と協力していたものの、その危険性にいち早く気づき、幾度も尊氏を排除しようと試みるもすべて失敗。
父は、才能ある実の息子よりも足利を重用するようになっていたため、捏造された謀反の罪も信じてしまったのでしょう。捕らえられたその身柄は、宿敵・尊氏の手に委ねられることになってしまいました。
尊氏の本性を見抜いている親王は、幕府を滅亡させた後、自分が幕府を継ぐのではなく、一旦後醍醐天皇に統治を任せ、それにより生まれた不満を後醍醐天皇と共に一掃することで、全てを自分の手中に収めようとしているのではないか、と尊氏を問い詰めます。
すると、尊氏の魔物のような恐ろしい素顔「欲しがりの鬼」が出現。しかも、まさかの実写が採用された演出に、恐ろしさは増し増し。親王が腰を抜かすのも無理はありません。
悍ましい姿に反して、「尊氏の忠義に偽りは無く 大乱さえ起こらなければ帝の忠臣として一生を終えましょう」と、その口調は終始丁寧。しかし、目は口程に物を言うもので、その目は大乱が起きることを確信しています。
後醍醐天皇の統治下でいずれ起きる大乱を見据え、尊氏はその腹の中に恐ろしい化物を潜ませているのです。
鎌倉と京が足利家によってその様相を変えようとしていた頃、信濃守護・小笠原貞宗は時行を強く訝しんでいました。
信濃守護として、信濃に潜む北条の残党を探し出すことを任務として与えられている貞宗は、幕府滅亡後に諏訪大社に入った時行が不自然なほど重要な場に姿を見せていることや立ち居振る舞いに品格があることから、北条家の関係者だと推測。
その正体を暴くべく小笠原家に呼んで尋問しようとしているようです。鋭い観察眼を持った貞宗から時行は逃げきることができるのでしょうか。
第2期もその可愛さは健在だった時行。愛らしさと凛々しさを兼ね備えた若様の活躍が楽しみです!