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- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。

月刊「少年ガンガン」で大好評連載中の幻怪ファンタジー『黄泉のツガイ』。『鋼の錬金術師』や『銀の匙』などで知られる荒川弘先生の最新作で、シリーズ累計600万部を突破。この4月からアニメの放送もスタートした注目の作品です。
日本を舞台にしたバトルファンタジー漫画である本作。“夜と昼を別つ双子”の兄・ユルと妹・アサを中心に、妖怪のような、幽霊のような、“ツガイ”と呼ばれる「ふたつでひとつの対なる存在」を使役するツガイ使いたちの戦いが描かれます。
8月12日(水)発売の「少年ガンガン9月号」に掲載された最新第56話「ニライカナイと黄泉の国」では、祖母の家に歩いて向かう双子に新たな敵が忍び寄る不穏な展開となりました。
※本稿にはネタバレ要素が含まれます。
一般人を危険に巻き込まないため、祖母の家までの約80kmを歩いて移動することにしたユル達。しかしながら、夏の沖縄は想像以上の暑さで、じりじりと照り付ける陽ざしに双子はヘロヘロです。
疲労からか兄妹喧嘩してばかりの2人を左右様は「十年分の兄妹喧嘩をとりもどしているところじゃい」とにこやかに見守っており、ほっこりしました。
休憩して日焼け止めを塗り直すため眼帯を外したアサ。しかし、「解」が宿る右目は見た限り特に怪我や変わったところはありません。それに気づいたユルは「右目どうにかなってるから眼帯してたんじゃなかったのか?」と訊ねます。
「ああこれね」とアサが実際に目の前で解の力を使ってみせると、一瞬にして解の気配で満ちる右目。「てな感じで解の力を使う時に気配が丸見えになるから特殊な眼帯で抑え込んでる」のだそう。力を使い終わった後もまだ解の気配を帯びており、その力の強さが感じられます。
ユルは「俺ももし封を手に入れたら…対だから左目がそうなるのか?」と軽くたずねると、「だめ」「死んじゃだめ」「こんなもの手に入れちゃだめ」とアサは鋭い眼光で兄を制止。アサがどんな思いで「解」を手に入れたのかが窺えました。
ピリッとした緊張が双子の間に走るなか、周囲も何だかざわついている様子。気配に敏感な左右様はアサに右目をしまうよう指示。駄々漏れになった解の気配に魔物(マジムン)がざわついているのです。
周辺の様子が描かれたコマには草木の影に何者かの両目らしきものも描かれており、非常に不気味……。やはり解の力は只者ではありません。
ちなみに、この特殊な眼帯を作ってくれたのは、黒谷姉弟の祖母・黒谷カナエ。アサ曰く天狗の羽根とか鵺の毛とかが編み込まれているのだとか。どちらも架空の生き物ですが、これらもツガイだったりするのでしょうか。天狗や鵺のツガイも見てみたいですね。
日が暮れる前に宿を確保した一行。男子組、女子組で分かれ、クーラーの効いた部屋で一日の疲れを癒します。岩製の左さんの輻射熱がじりじりするシーンはユニークでしたね。冷やすために水風呂に入れられた左さんからは湯気まで出ていました。
その晩のこと。ユルは周囲のざわついた気配に落ち着いて眠ることができません。「夜の山の中で獣に遠巻きに取り囲まれてるみたいな気配だ」と。右さんや宇宙人ツガイも感じているらしく、右さんは「沖縄に入ってからずっと気配はしていたがだんだん濃くなってくる」と話していました。
するとその時、部屋をノックする音が。時刻は午前2時。誰かが訪ねてくるような時間ではありません。
不審なノックの後に聞こえてきたのは「開けてユル 母様よ」「ナギサよ 返事して」という声。同じ頃、女子部屋には「アサ そこにいるんだろう? 父様だ」「ミネだ 返事してくれ」と父の声で何者かが訪ねてきていました。
ミネの声を知っているアサも左さんも、その声に聞き覚えがあることを認識しつつも、同時に人間のものとは似ても似つかない気配を感じています。
ユルとアサは部屋の電話で連絡を取り合い、互いの部屋に両親を装った何者かが来ていることを確認。右さんも左さん同様に声では本人と区別できないものの、人の気配でないことは確か。
しかし、声を真似できるということは本人の声を聞いたことがあるということ。ユルは捕まえて情報を搾り取ることに。一般の宿泊客もいるため、慎重に動こうとした矢先、女子部屋では左さんが派手に部屋のドアを蹴破ってしまいました……さすが戦闘狂……!
ところが、扉の外には何もおらず、既に逃げてしまった様子。宿にまで刺客が現れ、しかも両親の真似でおびき出そうとするなんて……またも不穏な空気が漂います。
昨晩の一件のせいで寝不足のまま翌日を迎えた双子。照り付ける陽ざしは相変わらず容赦がなく、両親を装った卑劣な手口に気分も最悪です。
げっそりしながら足を進める中、ユルが見つけたのは誰も人がいない海岸。まるで貸し切りビーチのようだと驚き、目を輝かせるアサの目の前で、ユルはさっそく服を脱いで海の中へ。一行はちょっと休憩することにしたようです。
アサは母から聞いた沖縄に伝わるニライカナイの伝説について話して聞かせます。海のかなたにあるとされる世界で、命はそこで生まれてそこに還って行くと言われているそうです。
そんな他愛もない話をしていると、左右様は何かの気配を察知したようで、双子に海から上がるよう指示。砂浜に戻ろうとしたところで、「おいユル!」と右さんから声をかけられ、「なんだい右さん」と返したユル。しかし、右さんはユルのことを呼んでいませんでした。
「返事をしたなユル」
何者かの声がした途端、ユルは海の上に波紋だけを残してその場で姿を消してしまいました。
一瞬のことで周囲が焦る中、今度は「アサ」とユルの声で呼ばれ、思わず返事をしかけたアサを宇宙人ツガイが制止。「おそらくこいつに名前を呼ばれて返事したらテリトリーに引きずり込まれるタイプです!!」と注意を呼びかけます。宇宙人ツガイ……デキる……!
姿を現したのは「遺念火(いねんび)」と名乗るツガイ。人間の頭部から片方は手が、もう片方は足が髪の毛で繋がった不気味な姿をしています。
昨晩両親を騙って部屋を訪ねてきたのもきっと彼らでしょう。ユルとアサの名前を呼び、返事をしてくれと言っていました。…ということは、あの時返事をしていたら扉を隔てていても連れて行かれていたのでしょうね……。
さらわれたユルは、いわゆるマヨイガに連れて行かれており、「遺念火」の片割れと対峙。海遊びをしていたユルは武器どころか上半身は裸という丸腰状態。周りにも武器になるようなものは何もなさそう……どうやって状況を打開するのでしょうか……!
今回登場した遺念火は、沖縄に伝わる火の怪異が元ネタと思われます。現地の言葉では「イニンビー」とも呼ぶそうです。「遺念」は沖縄の言葉で「亡霊」を意味し、人気のない山中や海に現れるのだとか。
遺念火に関する伝承も残っており、夜になるとふたつの火の玉が並んで現れると言い伝えられています。その由来となっているのは、仲睦まじい夫婦が川に身を投げて心中することとなった悲しい運命です。
双子を狙う敵ではありますが、次話以降でより詳しい性質や能力が明かされるのが楽しみですね。
⋱📢本日発売 ⋰#少年ガンガン 9月号📖
— 『黄泉のツガイ』公式@TVアニメ放送中 (@TSUGAI_GANGAN) August 12, 2026
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『#黄泉のツガイ』第56話
「ニライカナイと黄泉の国」が掲載!
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