ノイタミナ『東京マグニチュード8.0』小野沢未来役・花村怜美..

地震を通して人とのつながりを描く――ノイタミナ新番組『東京マグニチュード8.0』放送記念インタビュー 小野沢未来役・花村怜美さんが語る「大人との関係、距離感、揺れる13歳を演じます!」

 第1話の放送を前に、本編にも登場する滝川クリステルさんがナビゲートする、特別番組「常識にまどわされるな!大地震生き残れSP ~東京マグニチュード8.0~」も放送され、いよいよ盛り上がる『東京マグニチュード8.0』。その放送を記念した連続インタビュー企画の第2弾は、ヒロインの小野沢未来を演じる花村怜美さんへのインタビューだ。

 TVアニメ『ギャラクシーエンジェる~ん』のアニス・アジート役でファンのハートをつかみ、稲村優奈さんとのユニット・sorachoco(そらちょこ)でも活躍している花村さん。

 今回、花村さんが演じる小野沢未来は、反抗期真っ最中の13歳で中学1年生という設定。弟の小野沢悠貴(おのざわ ゆうき)と共に行ったお台場で地震に遭い、そこから自宅の世田谷まで帰ろうとするが、その過程で様々な経験をしていく。

 13歳という、子供から少女に成長していく過程の揺れる年頃の女の子という、難しい役どころを演じるにあたっての、役作りや苦労などを伺った。

<物語>
 夏休みに入ったばかりのお台場。中学1 年生の未来は、弟の悠貴に付き合わされロボット展を見に来ていた。
はしゃぐ弟を横目に、反抗期真っ盛りの未来は退屈そうにケータイをいじっている。「毎日毎日ヤなことばっかり…。いっそのこと、こんな世界、壊れちゃえばいいのに」そう思った瞬間、突然地面が激しく揺れた。

 東京を襲った、マグニチュード8.0 の海溝型大地震。

 連絡橋は崩れ落ち、東京タワーは倒壊―。一瞬にしてすべてが変わった東京。未来は悠貴の手をひき、お台場で出会ったバイク便ライダー・真理の力を借りながら世田谷にある自宅へ向かう。
果たして3 人は無事に家に帰ることができるのか―。

花村怜美さん

花村怜美さん


●未来と13歳の頃の私の共通点を思い出して演じています

――今回の『東京マグニチュード8.0』は地震をテーマにしていますが、地震にあったことは?

花村さん:小さなものならありますが、地震は怖いですね。ちょっと大きめの地震が来ると、そのあとにもっと大きな地震が来るんじゃないかって思って、もっと怖くなります。


――地震への備えなどはされていますか?

花村さん:家には、水や保存食や防災ずきんなどがワンセットあります。あと部屋にある懐中電灯の場所はちゃんと把握しています。


――初めて作品の内容を聞いたときは、どう思われました。

花村さん:作品の内容は最初、オーディションの資料で知りました。その際、テーマなどが書いてある資料も一緒にもらったのですが、そこに未来ちゃんの家族のことなども書いてあり、家族構成などの取り巻く環境には自分と似ている部分もあって。家族関係が希薄という部分は気になりました。うちの家族はつながりが深いと思っているので、そこは違うかなと。
 それから、マグニチュード8.0というのが、どれぐらいの規模なのかということを考えました。東京タワーなど、当たり前のように目にしている建物が壊れることを、なかなか頭のなかでリアルにイメージができなかったです。


――未来ちゃんは13歳ですが、ご自身の13歳ごろと比べてみてどうですか?

花村さん:私には妹がいるんですが年齢が近いので、未来ちゃんと悠貴君との関係とは違っていました。ただ、人見知りする部分は未来ちゃんと共通していたし、真理さんのように、自分に構ってくれる大人に対して一歩引いてしまう心理も、わからなくはないなと思います。私も反抗期の頃、自分が思っている以上の態度で人に当たってしまって、その後“あっ!”って思うこともありましたし。
 本当は弟に優しくしたいけどイライラした態度で接して、そのあと自己嫌悪しちゃうようなところは大事にして演じたいなって思います。


――13歳という年齢は、大人っぽくもあり子供っぽくもあると思いますが、演じるうえでどんな“13歳”像を作ろうと考えましたか?

花村さん:「あんな大人になりたくない」と言ってる部分は子供の部分ですが、一方で「子供じゃない」と言ってる面もあって、その時々で揺れてるので、それに応じて演じ分けています。


●知り合いの方の体験談と同じシーンが本編に登場しました!

――演じるにあたって地震に関することで、何か調べたりしたことはありますか?

花村さん:この役を演じることが決まったあと、阪神大震災を経験された知り合いの方などから、色々と体験談を教えていただきました。家具がどれぐらい動いたか、道がどれぐらい盛り上がったかなど、どんな状況だったかを聞かせていただいて、家の中の家具を見ながら“これが動いたらどうなるだろう”と想像したりしました。


――印象的だった話はありますか?

花村さん:「一歩前に出ていなかったら、自分の上にものが降りかかっていた」という話が印象的でした。アニメの中にまさに同じ状況のシーンがあったからです。助けてもらわなかったら自分がつぶれていたというシーンなんですが、演じてみて改めて怖いと思いました。


――ランドマークの話が先ほど出ましたが、実際に演じられて印象深いシーンや、衝撃的なシーンなどはありますか?

花村さん:最初衝撃を受けたのはアフレコ前に、公式HPで東京タワーが傾いている画を見たときですね。東京タワーは昔行ったこともあるし目にすることも多いので、すごく衝撃を受けました。
 あと、お台場にも行ったんですよ。船に乗ってフジテレビなども見ました。船にどれぐらいの人数が乗れるかなど、行って初めてわかったし、実際に見て平和だった場所にパニックになった人達があふれているシーンは、ゾッとしましたね。


●13歳の自分を思い出すことで視野が広がりました

――たしかにリアルな東京が舞台ですからそんな気持ちになりそうです。監督やスタッフの方からは、演技についてどんなディクレクションがありましたか?

花村さん:未来ちゃんは最初、行きたくてお台場に行ったわけじゃないし、暑くて疲れていて、そこで地震が起きる。そんななかで13歳だから、心の余裕はないし、力もないし、でも弟は守りたいし、どうしたらいいのかわからない。弟に「大丈夫だよ」って言ってあげることも出来ないと。
 あとは真理さんとの関係です。“なんでこの人こんなにしてくれるんだろう”という部分。地震の前に真理さんと未来ちゃんは偶然会っていて、そのときに真理さんに対して一歩引いている部分があるんですよ。そこは細かく何度も演じさせていただきました。
 地震が起こった後、状況が一変しているなかで、弟と真理さんが仲良くしているのをもやもやしながら見ているシーンがあります。言葉にすると難しいですけど“13歳”という感じです(笑)。
 悠貴君は、人見知りしない、まわりの空気を読んで気遣いできる性格なんです。


――13歳って微妙な年頃ですよね。勇敢なヒロインには早すぎるし、本当の子供というほどでもないですし。リアリティのある芝居を求められる役だと思いますが……

花村さん:やっぱり大人との関係が微妙ですね。自分も13歳の頃、大人は嫌いではなかったけど、嫌な大人を見てイラッとしたりしましたし。でも今になると、自分もあの頃見ていた大人側になっていて…中学生の目にはどう見えているのだろう……とか、広く自分を見るようになりました。


――未来を演じることで自分の視野も広がったのですね。13歳の頃の自分を思い出すことで客観的に自分を見たというか……

花村さん:そうですね。それから未来ちゃんは大人になったらどうなるんだろう?とか考えたりします。


――成長の話が出たので、今後、未来は物語のなかでどんな成長をしていくのでしょうか?

花村さん:大人の行動の理由については考えていなくて、“ほっといてよ”と思っているのが、それは自分のものの見方次第だってことが分かってきて、もうちょっと13歳の“大人の部分”が出てきたら、人に気遣いできるようになるし、“子供の部分”が出てきたら、大人に素直に甘えられるかもしれないし、世界の見方が変わるかもしれない。
 地震で普段出会わなかった人と出会うことで、人や世界とのつながり方を考えたりして成長していくのではないかと思っています。話数が進むごとに、自然と変わっていくと思います。


●自分に置き換えて観て欲しい作品です!

――作品全体としての見どころは?

花村さん:やっぱりリアルな世界ですね。実在の建物などが壊れる、実写じゃできない迫力があると思います。実際ある道、建物を通って、お台場から世田谷まで電車を使わないで帰るリアルシミュレーションアニメということで現実味を持って迫って見ていけると思います。


――最後に視聴者のみなさん、読者のみなさんにメッセージをください。

花村さん:『東京マグニチュード8.0』の世界は、まだ起きてはいないけど、あり得なくはない世界を描いています。実際地震が起きたとき、自分がこの場に居たらどう動くだろうかとか、いらいらしたりして性格が変わるかもしれないとか、反対に人に優しくなるかもしれないとか、“自分だったら……”を考えてみていただきたいなと思います。そして、未来ちゃんたちが家を目指す物語を通して、人とのつながり、大事な気持ちというのを考えて感じて欲しいです。よろしくお願いします。


<放送情報>
7 月9 日より毎週木曜24:45~フジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送開始
※初回放送は25:00 スタート

(C)東京マグニチュード8.0製作委員会

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OPテーマはabingdon boys schoolの「キミノウタ」

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EDテーマは辻 詩音の「M/elody」

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(C)東京マグニチュード8.0 製作委員会
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