3ヶ月連続リリース第1弾はTVアニメ『エレメントハンター』OPテーマの「First Pain」！リリースを控えた石川智晶さんに今の心境を聞きました！

　昨年末にリリースした『機動戦士ガンダム00』のED曲「Prototype」のヒットが記憶に新しい、石川智晶さんの最新シングル「First Pain」が7月29日にリリースされる。7月から始まったTVアニメ『エレメントハンター』のOP曲となっている。

　今回も自身で作詞、作曲も担当。自分の存在や生きる意味などを問いかけるメッセージ性の強い楽曲で、終盤の“生きて 生きて 生きて”のフレーズからは願いにも似た想いが感じられる。また存在感の大きな1曲が届けられた。

　カップリングの「誰も教えてくれなかったこと」も『エレメントハンター』をイメージしつつ、少しずつ成長していくことや「大人になることとは？」というテーマを歌っている。石川さんの優しいボーカルとアコースティック風のシンプルな音数の演奏がノスタルジーを誘う、落ち着いた曲だ。

　この「First Pain」から3カ月連続リリースもスタート。8月19日にはアイルランドで撮影した映像と、新曲の「First Pain」に、ヒットシングル「アンインストール」、「Prototype」のPVなどを収録。9月には約2年ぶりとなるアルバムも発売される。8月22日には恒例となった『アニメロサマーライブ2009-RE:BRIDGE-』への出演も決定している石川さんに、09年の熱い夏にかける意気込みを語ってもらった。

●作品を見る人、曲を聴く人に問いかける「First Pain」

――「First Pain」は『エレメントハンター』のOP曲ですが曲を作る時に考えたことは？

石川さん：12～13歳の少年少女がメインキャラで、地球を守る使命を受けて困難に立ち向かっていく物語なんですけど、私がテーマ曲を担当する作品は少年が主人公のものが多いので、今回もきたなと（笑）。1年続く長編であり、歌詞がテロップで流れるので、あまり押し付けがましいのも嫌だし、子供寄りの曲にもしたくなくて、かなり悩みました。


――“誰かを永遠に失ったことなんてまだないけれど”などのフレーズも、鮮烈なインパクトとメッセージが込められた曲ですね。

石川さん：『エレメントハンター』のOP曲としては「こんなに素晴らしい世界だから明日に向かって頑張ろう」でも良かったと思うんです。でも自分にはそれができなくて。あえて結論も出さず、サビのいいところで“どうして自分の体なのに自由にしてはいけないの？”と疑問形にするのがいいかなと。


――アイデンティティや人との距離についてなど、かなり踏み込んだ感もあります。

石川さん：作品を考えながらも、今の世の中や人になじめない人に、何か言ってあげたいけど、かけてあげる言葉が見つからない自分のふがいなさを歌にしてみようと思ったんです。詞にどうしても入れたいワードがあって、しかも言葉がポンポンと置いてある感じで、ベタにつながっているわけじゃないのが私らしいですね（笑）。画面に歌詞が流れるので視覚的にも感じて、考えてもらえたらと思います。


●“生きて 生きて 生きて”というフレーズは今だから言えるメッセージ

――終盤の“生きて 生きて 生きて”というフレーズはリアルで心に響きます。

石川さん：これまではっきりと言及することは避けてきたのですが、でもいろいろな楽曲や作品を経てきたから“生きてほしい”と言ってもいいかなって。最後に何度も繰り返すことで聴いた人も“生きなきゃ”とインプットされていくような。メッセージとしては強すぎるかなと思ったけど、うまく映像にのってくれました。


――メロディやサウンド的に意識されたことは？

石川さん：OP曲としてのキャッチーさ。キュンとせつなく、抜けるような感じで、最後は“生きて 生きて 生きて”とシャウトする構成は考えました。私らしく感傷的な雰囲気も残すところも意識して。またストリングスのアレンジがきれいで、そこからラストの“生きて 生きて 生きて”を繰り返すところまでどのように持っていくかも。コーラスも結構時間をかけて重ねて満足できる形になりました。


●カップリングの「誰も教えてくれなかったこと」は子供にわかりやすい大人っぽい曲

――カップリング曲の「誰も教えてくれなかったこと」は落ち着いた雰囲気の曲ですね。挿入歌で流れそうな。

石川さん：「『エレメントハンター』のシングルのカップリングなので、子供の視点で書いたら？」とプロデューサーから言われたけど、歌詞を聴くうちにじわじわ、わかってきて、最後に「ああ、こういうことだったんだ」と理解できる曲にしたくて。ワードは子供にもわかりやすいものを使いつつ、ちょっと大人な曲になっています。


――タイトルがまさにこの曲そのものを表してますね。

石川さん：道徳の時間で教わったことや教科書に載っていることは、学校の中でしか通用しなくて、大人になって、頑張っても評価されない社会で落胆するわけです。それは教えてくれなかったことですが、自分で学ばなきゃいけないと気付いて、日々頑張って、数年後でもいいからこの曲を思い出して、「そういえばあの曲はこのことを言いたかったのかな」とわかってくれたらうれしいですね。私も子供の頃に、大人っぽい曲を意味がわからないながらも歌っていましたから。そんな名曲が私の中にはたくさんありますが、皆さんの中でそんな存在になってくれたら。


――アコースティックっぽいシンプルな音数と落ち着いた歌声は染み入ってきます。

石川さん：他の曲の後、この曲をレコーディングしたんです。普段は1日1曲ですがこの日は2曲歌いました。こういう曲は、むしろちょっと疲れているくらいが力が抜けていいかなと。非常にいいバランスで歌えました。


●8月19日発売のDVD『OWN WRITE』はアイルランドロケの映像とPVを収録

――このシングル発売後には8月19日にDVD『OWN WRITE』、9月30日にアルバム『誰も教えてくれなかったこと』とリリースが続きます。まずDVDの内容を教えてください。

石川さん：アイルランドに行って撮影してきた映像を中心にした作品になっています。私が書き下ろした詩「own write」3篇をイメージしたショートムービーで、出演もナレーションも私が担当しています。そして「アンインストール」、「prototype」、「First Pain」、NEWアルバム収録曲の「Blue Velvet」のPVも収録しています。


――なぜアイルランドで撮影したんですか？

石川さん：実はアルバムのレコーディングも兼ねて2週間滞在するなかで撮影しました。アイリッシュミュージックを好きだったこともあるけど、デモテープを制作していた時代によく人から「アイリッシュがよく合うんじゃない？」と言われて。海外ロケが決まった時もスタッフからアイルランドが挙がったので、それなら行ってみようと。主な撮影場所となったスタジオも、オーナーのコレクションのかわいいアイテムや雰囲気があったし、国立公園でのロケでもいい映像が撮れました。鳥や風の音など、独特でアイルランドらしい空気感にも触れてもらえると思います。


●この夏はライブ、9月にアルバム発売と息つく間もない展開に期待

――9月発売のアルバム『誰も教えてくれなかったこと』もアイルランドレコーディングということで楽しみも広がります。

石川さん：ほとんどの曲をアイルランドでレコーディングしました。アルバムに先駆けてDVDで2曲聴けます。映像と合わせて楽しんでいただきつつ、リリースを待っててください。


――この夏はステージの予定もありますね。

石川さん：7月29日に所属事務所のアーティストが勢ぞろいする『声おうよ～MS SONGS～』。8月22日には『アニメロサマーライブ2009-RE:BRIDGE-』に出演させていただきます。正直、人前で歌うのは苦手なんですけど、ステージでは「やるしかない！」と開き直って（笑）。今年も皆さんとお会いできるのを楽しみにしてます。


――皆さんへメッセージをお願いします。

石川さん：「First Pain」はこれまでの曲や作品を経た今だから“生きて”と言えたし、想いをぶつけることができました。勢いがあり、キャッチーで耳に入りやすい曲なので詞について考えたり、感じてもらえたらうれしいです。『エレメントハンター』のお話が進む中で受け取り方も変わってくるかもしれないので、作品と合わせて楽しんでください。
　『OWN WRITE』は私らしさとアイルランドの空気を詰め込んだ、他にはない映像になりました。ぜひ見ていただきたいです。2009年も下半期に突入しましたがシングル、DVD、アルバムのリリース、ライブなどが続くのでついてきてください。

CD<B>「First Pain」</B>／石川智晶<BR>7月29日発売<BR>1155円（税込）<BR>発売：フライングドッグ

DVD<B>『OWN WRITE』</B><BR>8月19日発売<BR>4200円（税込）<BR>発売：フライングドッグ